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2022年8月16日 (火)

ガイアの夜明けから

皆さん、こんにちは。
 小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。


先日の「ガイアの夜明け」。

  コストコの新店開店までをドキュメンタリー的に放映。

ここに登場したコストコ、当方が住むエリアからほど近い(笑)。

  車で15分程度の距離に出店した店舗。

想えば、私が住む県にはコストコが存在しなかった。そして放映ではその地域の町長が「群馬にあって茨城にあって、なんでここに無いんだべ」とコメントしていたのが、笑えた。そして県知事も全面的にバックアップするという。

  “そういう意味でも大歓迎なのか”

しかし今回のコストコは非常に繁盛しているようだ。

  なぜか?。

やはり超広域商圏を自負する企業であるから、高速道路のインターチェンジ付近に立地するというのは第一条件であるという。
そして、同じ県内に初出店ということも、話題性、希少性に繋がることになる。

  なにせ徹夜組までいたほどの開店待ち。

よって地域の道路も相当に渋滞していたと伝わってきた。

  しかし数ある外資系小売業でコストコだけが繁盛するのか。

その答えもガイアの夜明けでは解説していたのである。
数ある外資系大型店で、現在も隆盛を誇っているのは「コストコと「イケア」のみ。

  なぜか?。

まずは、コストコもイケアもそこでないと購入できない商品が数多く存在するということ。
他の例えば、カルフール、ウォルマート、メトロ、テスコのような外資系小売業もあるが、他のスーパーでも扱っている商品の品揃えが故に、どうしても日本の小回りの利く食品スーパーには太刀打ちできないという構図となっていったが、コストコだけは年間会費制にも関わらず、コストコにしか無い商品でその希少性が大きな来店動機に繋がっているとうい。

  更に月一回のリピートに合わせた大容量の商品開発力。

どうせ使用頻度の高いトイレットペーパーや洗剤等は超大容量にしてでも、購入して頂ける。一個当たりのコスト(単価)を抑ええれば、顧客に安さ感を演出でき、そのような品揃えに徹しているところが、買い溜め意欲を高めてくれるのである。そしてそれは他のNB商品では出せない安さ感として来店動機を高めていけるのである。

  そのような商品開発がバイヤーの仕事となっている。

更に、地域に根差す有名企業と組んだ品揃えも地域性を重要視している。

  日光金谷ホテルのクッキー。

地元では超有名な地場商品をダイナミックに注文して販売する。それもまた地域のお客様や地方のお客様への親近感を生むのである。更に地元企業も元気になり、コストコへの親近感を生むこととなる。まさに相乗効果である。

そしてコストコ壬生店の開店前日。

  そこに登場したの社長のケン・テリオ氏。

17歳からスーパー業界で働くたたき上げの社長である。

  早速店内レイアウトを見て指導。

通路幅をもっと広く取るよう指示、そして一緒にレイアウト変更に加わったのである。

  流石現場を知るたたき上げの知見と行動である。

自分がどのように行動すれば部下がスピードを持って、後をついてくるのかを熟知した行動力。

  新店開店時ほど、お客様の回転が売上を左右する。

お客様が売場で滞り、レジで滞り、駐車場で滞れば、一日を通して駐車場が回転しない。

  開店時ほど駐車場の回転率で売上が決まる。

そんな現場の知恵を働かせたアドバイス。
しかし、翌日になればまたそのアドバイスは変わり、一週間後にはまた変わる。

  いずれも長年のたたき上げの知見である。

そんなコストコであるが、その容量でありカロリーでありは、やはりどうしても高齢層には縁遠い存在ではある。

  それを徐々に改善していこうとする商品開発。

それもまた番組では放映していた。

  そこが突き詰められればまた客層が増えるなぁ~。

やはり脅威の存在ではある。




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是非、動画(YouTube)をご覧頂き、次回以降のセミナーから学んで頂ければと思います。
よろしくお願い致します。



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お楽しみください。

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コメント

dadamaさん、コメントありがとうございます。
さしずめ、テーマパークの様相ですね。主婦仲間や女性の家族が買う事と感動することに楽しさを覚える空間。だから一般の食品スーパーの滞在時間15分とは逆に2時間程度も費やして数万円の買い物をする(楽しむ)。そんな販売手法ですが、やはりコストコにだけある商品という部分が大きな要因となっているとは思います。今日本は600坪のSMが勝ちパターンに乗っていますが、そこに中身をどう独自性を出しながら600坪を強みとしていくのかが問われる時代になっていきますね。

投稿: てっちゃん | 2022年8月16日 (火) 08時25分

家の近くにコストコあるので毎週行きますよ!ガソリン入れに行くだけですが(笑)。偶に店内見ると確かにあのアメリカンサイズのカートにパンパンに商品を積んで数万円の精算にレジ待ちしている。食品雑貨に数万円支払うなんて生活は私には考えられないのですが世間の波に乗れない年代になったのでしょうね(笑)。
蝙蝠目ですが今、キャイキャイ言いながら爆買いしている連中も必ず歳を取る。長い目で見ると日本は何れ高齢化社会に益々突き進む訳で、ターゲットを今から高齢化、健康、安心安全等に向けた取り組みにチャレンジしていかねばと思います。
所得格差は益々進み、年金支給日を気にする方としない方、尤も自営業の方々やフリーターは年金さえも?ですから生活保護は増えるでしょうし、その方々をターゲットとするスーパーは必要ですね。反面、国もNISAや投資による所得増施策を斡旋してますから可処分所得の多い層は益々食に対する質の豊かさを求めて行くと思います。
10年前、アメリカのスーパー研修に参加したのですが当時のアメリカがコストコ、ウォルマート、トレーダージョーズ、ホールフーズの棲み分け、ドラックと食品ハイブリッド化が進み、セーフウェイ、アルバートソンズと言った平均的、萬屋的スーパーが凋落していった。アメリカは人口動態がしっかりしてますが上半身デブの日本は10年前のアメリカの消費構造が顕著化するのでしょう。
既にコストコは豚、ウォルマートは犬が主導権を握りつつある今、さてどこに宝の山はありますかね(笑)。

投稿: dadama | 2022年8月16日 (火) 07時48分

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