部門の括りの変更
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
今日は部門の括り(くくり)がテーマ。
部門毎にカテゴリーがある。
青果なら、「果実」「野菜」「生花」等の部門がある。そこから更に部門のカテゴリーに分解される。「りんご」「みかん」「メロン」「いちご」「バナナ」等のように。
取り扱い業者の括りに応じた販売側の括り。
それが従来からの我々業界の商品の括り方であった。
その部門は同じ業界からの仕入れにて縦割りを実現。
それが、従来の商取引に由来する部門の括りとして今まで継続されてきたのである。
よって精肉部門に加工肉が括られている。
しかし考えてみれば、精肉部門はアウトパックによる企業もあればインストアによる商品化をしている企業もある。
今後は企業側の理由から括りの変更がされる時代となろう。
というのは、インストア加工により、バックルームで製造販売する精肉部門内に、メーカー製造のアウトパック商品が同じ精肉部門として管理されていると、店内製造しながらメーカー製造商品の加工肉を品出しする工程が生まれるのである。
インストア加工の商品のみをバックヤードで製造する。
そのことで店内製造部門は作業の効率化が図られるのであるが、そこに品出しだけの商品が加わることによって、バックヤードから離れて品出しをする人員が別途必要になる。そこがバックヤード内で全員が効率よく流れ作業をすることに水を差すのである。
以前は練り製品も鮮魚部門であった。
今のその管理をしている企業もあるが、大抵の企業は鮮魚部門から練り製品を分割し、和日配部門に移管している企業がほとんどではないだろうか。
売上的には激減したが年末の作業性は格段にアップした。
それが鮮魚部門であった。
同様に精肉部門の生産性を考えたら加工肉の移管が必要では。
そう考えるのである。確かに肉屋と加工肉メーカーとの関係は密接ではあるが、加工肉を日配に移管することで、精肉部内の作業性は格段に高まるし、インストアの強みを更に発揮できるのではないだろうか。
考えてみればそのような部門特性と相反するカテゴリーは多い。
青果部門のアウトパック煮物用商品。
鮮魚部門のアウトパック珍味海藻類。
精肉部門のメーカー製造加工肉商材。
店内でインストア加工している部門には、必ず上記のようにメーカー製造の陳列するだけのカテゴリーが存在するものである。
作業性だけを考慮すれば日配に一括したほうが店舗の効率は高まる。
しかしなかなか進まないのは、現存の売場がインストア素材の製造商品と連動して展開されているからであろう。
例えば青果部門に陳列されるナッツ類のアウトパック商品。
これが、青果部門から離れれば、客動線の始まりである青果部門には陳列されなくなる。
要はそのカテゴリーの回転率が落ちるリスクが高まるという事だ。
これはメーカー側にとっては大きな痛手となる。また企業側でもアウトパックで売上の取れるカテゴリーを手放すことは、現在の生産性を落とすことになるというリスクから現存させているのであるが、店舗トータルの生産性、そして今後の人材不足の打開策としての部門移管は、今後の大いなる課題となることは間違いない。
これも未来を考慮すれば先手必勝なのかもしれない。
PS
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