市場を握る
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
市場。
いろいろな意味がある。
市場をしじょうと読めば、業界が商売をする環境であり顧客を指す場合が多い。
市場をいちばと読めば、業界が商品を仕入れる場を指す場合が多い。
いちばの役割が大きく低下しているのが現代であろうか。
小売業界が淘汰され、個人商店が激減し、更には地方の中小小売店もM&Aにより淘汰されていく中で、地方の市場にリアルに足を運んで、市場に入荷した商品を競り等で購入する業者や小売業関係者の数が減ってきているのが昨今の現実であろうか。
市場が閉鎖された。
荷受けが一つになった。
仲買業者が激減してきた。
いずれも、市場に買い出しに行く人間や小売業者が激減してきた結果、いちば内の取引金額が激減し、市場自体の運営が不可能となっての閉鎖へと繋がっていく時代なのである。
スーパー業界関係者でも今では現場の人間はほぼ市場には行かない。
行っても、市場に顔の利く一部職人かそれ相応の仕入れ技術を持つチーフ関係者のみである。
自分の目利きで商品を見る能力。
市場でより多くの商品を見るということは、このような目利きの鍛えるという目的も大いにあった。
目利き。
要は、商品の良し悪しを見極める力。
結果としてそれは食後のお客様の満足に繋がるのである。
市場で一番食べて美味しい素材は、市場の中のどれか?。
市場で一番持ちのいい素材は、このなかのどれか?。
市場で一番脂の乗りのいい鮪は、このなかのどれか?。
買う買わないは別にして商品を見比べるのは自由だ(笑)。
そうやって、市場に入荷するピンからキリまでの商品を見比べることが出来、そしてピンの特徴、キリの特徴を見て学び、そこを理解した上で購入し、そのメリットを最大の武器としてお客様に販売してきたから、その後のお客様のお店に対する評価が安定していたのである。
“あのお店の商品は味では間違いない”
“あのお店の豚肉は食べたら美味しい”
“あのお店の魚はいつも刺身が可能だ”
このように、生鮮素材を購入したお客様が、購入後に想う感想であり、それは自らの判断を裏切らない結果として、そのお店に対して高い評価を下すのである。
その地方市場で一番の仕入れ頭。
そんな存在ともなれば、市場側からのお買い得な提案等も、だれよりも先に耳に入れることが可能となる。
“今日はこんなお買い得品が入荷したよ”
“このセリ残〇価格で全部引き取らない?”
最後のセリ残などは、市場担当者も売り捌いて明日に残したくないものであるから、一番購入してくれそうな人間に一番初めに声をかけるのは当然であり、その対象となる人間は、このようなメリットを市場に行く度に享受しているのである。
逆に中小小売業担当者はこのような存在にならなければならない。
いまや、必ずしも大手が市場を牛耳っているとは限らない。
中小でベテラン仕入れ人が力を発揮しているのである。
そして、そんな中小小売業は、その分野では地域で強い存在となっているのである。
仕入れ力。
仕入れる力であり、仕入れる能力であり、売れる商品を仕入れる力でもあろう。
“いつもあのお店の魚は鮮度が良くて安いよなぁ~”
その裏側には、必ずベテランの仕入れ人がいるものである。
そんな地域での存在になれれば、生鮮の仕入れ力は地域で一番を獲得することが出来るであろう。
PS
4月20日(水)より開催の「競合対策セミナー」。
全3回が終了致しました。
そして、競合対策セミナーの特別編を設けました。
競合対策セミナー④「私の実践法」(7月21日開催)。
新店開店以来42勝3敗の成績を残した店舗で取り組んだ、競合対策の内容とその効果を公開したいと思います。
新店開店、そしてその直後から競合店の改装や、更に近隣エリアにオープンした競合店対策、その過程で毎年策定してきたストアコンセプトからの52週MDへの実践を通しての数値効果等を、実践してきた過程からの具体的な数値効果も合わせての90分のセミナーとなります。
店舗運営責任者、店舗運営統括責任者の方に視聴して頂きたいものです。
6月22日開催「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
5月18日開催「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
6月8日(水)開催の「52週MDセミナー」(7月編)の一部を公開致します。
52週MDマネジメントセミナー(7月編)ダイジェストの視聴はこちら
以下のような内容で毎回翌月のMDセミナーを開催しております。
次回は8月編を7月5日(火)に開催予定。
是非、動画(YouTube)をご覧頂き、次回以降のセミナーから学んで頂ければと思います。
よろしくお願い致します。
今後のセミナーのご案内
①52週MDマネジメントセミナー(8月編)
1.8月月間の52週MDの提案
・8月1週~お盆前哨戦
・8月2週~お盆商戦本番
・8月3週~秋の味覚
・8月4週~残暑対応
・8月5週~秋刀魚と葡萄
*年度前半戦のヤマ場、顧客の上半期の通信簿となる月
2.販売のポイント
・訴求ポイントや売場展開の仕方
3.売場事例
・売場写真で売り方の事例を紹介
4.質疑応答
5.フリートーク
・当日参加された方同士の情報交換会
*52週MDマネジメントセミナー(8月編)の視聴申し込みはこちらから
*全セミナースケジュールはこちらでご確認を
食品商業7月号の予約販売が始まりました。
Amazonでの食品商業7月号のご注文はこちらからどうぞ。
当方の執筆は以下の通りです。
「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
一時限目 ~ ファイブマネジメント
二時限目 ~ 52週MDマネジメント
お楽しみください。
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コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
しいて言えば、バイヤー情報から自分の意志で仕入れるという選択肢。その選択肢を自分の目利きとして仕入れと販売の連動を52週毎に精度を高めていって欲しいものですね。そのことがいずれ大きな販売力を養うことになると思うのです。
投稿: てっちゃん | 2022年6月29日 (水) 11時44分
コンプライアンスや労働負荷も重なり仕入と販売の分業化が進みましたからね。
然しながら商売は仕入と販売が一本化されてこそ醍醐味を感じられるのも事実。
是非とも商売を楽しむ環境は残して行きたいですね。
投稿: dadama | 2022年6月29日 (水) 09時00分