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2022年6月27日 (月)

職人の存在

皆さん、こんにちは。
 小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。


職人。

  この業界にも「職人」は数多く存在する。

しかし、他業界はともかく、この業界内で「職人」という表現は決していい意味での称号ではない。

  どちらかと言えば「面倒な存在」というニュアンスであろうか。

他業界では、職人とは長年の経験からくるその存在が、企業に与える貢献度が高く、その企業に無くてはならない存在としての称号である場合が多い。

  なぜここまで「職人」に対する位置づけが異なるのであろうか。

この業界でも、鮮魚の職人、青果の職人、精肉の職人等のように、特に生鮮で長年技術的な仕事に携わり、その腕では右に出るものが少ない存在となり、その職人が調理をした商品はある一定のレベルを超えて見栄えのする、そして価値の高い商品化をしてくれる存在である。

  よってもっと評価されていハズなのだが。

しかし逆に言うと、その技術は素晴らしいが、他の業務が出来ないといデメリットから、どうしてもチームで仕事をし、日々仕事の役割を回していこうという新たな部門内オペレーションシステムを構築しようとすると、マイナス面の部分が多い担当者として映ってしまうのであろう。

  高い技術を殺して平均的な業務に押し込める。

そうやって作業の標準化を一気に図ってきた。
結果として、だれがどのお店に転勤しても、同様の作業が可能となり、そのことで店舗の商品化レベルが極端落ちることもなくなった。

  がしかし、・・・ 。

商品化レベルが上がることもなくなった。

  はっきり言って商品化技術の競争力も低下したのである。

今、都内で話題の新規オープン店舗は、こぞって商品化技術の高い商品の展開で他企業や他店舗を圧倒する新規オープン店舗が目立つようになってきた。

  明らかに標準化の方向から舵を切ったと言えるお店作り。

逆に、その商品化技術と陳列技術でリアルに来店されたお客様に、リアルな感動を与えるような売場作りに重点を置いた新店の開発を行っている。

  青果、鮮魚、精肉での商品化技術は感動的である。

更に、売場のレイアウトを見ても、鮮度感、季節感を感じる売場作りがメインとなり、安さ感で勝負するという店舗作りとは完全に方向性を変えて、店舗として地域に存在価値で貢献するという意思表示を明確した新店がどんどん出店しているのである。

  そんな方向性に対して技術者が揃うのか。

だから、先手必勝でここぞとばかりに出店して、そんな技術者であり職人を囲い込んでいるのではないだろうか。

  時代は繰り返すものなのだ。

いずれにしても、今現在存在する職人を如何に自社や自店で貢献度を高めていけるか。

  逆に時代が我々に突き刺した課題なのかもしれない。



PS
4月20日(水)より開催の「競合対策セミナー」。

  全3回が終了致しました。

そして、競合対策セミナーの特別編を設けました。

  競合対策セミナー④「私の実践法」(7月21日開催)。

新店開店以来42勝3敗の成績を残した店舗で取り組んだ、競合対策の内容とその効果を公開したいと思います。
新店開店、そしてその直後から競合店の改装や、更に近隣エリアにオープンした競合店対策、その過程で毎年策定してきたストアコンセプトからの52週MDへの実践を通しての数値効果等を、実践してきた過程からの具体的な数値効果も合わせての90分のセミナーとなります。

  店舗運営責任者、店舗運営統括責任者の方に視聴して頂きたいものです。

  6月22日開催「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
  5月18日開催「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
 

6月8日(水)開催の「52週MDセミナー」(7月編)の一部を公開致します。

  52週MDマネジメントセミナー(7月編)ダイジェストの視聴はこちら

以下のような内容で毎回翌月のMDセミナーを開催しております。
次回は8月編を7月5日(火)に開催予定。

是非、動画(YouTube)をご覧頂き、次回以降のセミナーから学んで頂ければと思います。
よろしくお願い致します。


今後のセミナーのご案内

①52週MDマネジメントセミナー(8月編)
52md8

1.8月月間の52週MDの提案
・8月1週~お盆前哨戦
・8月2週~お盆商戦本番
・8月3週~秋の味覚
・8月4週~残暑対応
・8月5週~秋刀魚と葡萄
*年度前半戦のヤマ場、顧客の上半期の通信簿となる月

2.販売のポイント
・訴求ポイントや売場展開の仕方

3.売場事例
・売場写真で売り方の事例を紹介

4.質疑応答

5.フリートーク
・当日参加された方同士の情報交換会

*52週MDマネジメントセミナー(8月編)の視聴申し込みはこちらから


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お楽しみください。




 

 

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心のあるべき姿」カテゴリの記事

コメント

dadamaさん、コメントありがとうございます。
その人物の存在価値ですよね。
そのような欧米的な評価をする企業が出現してきたということでしょうか。
確実に時代が変わってきていることがわかる動きだと思います。

投稿: てっちゃん | 2022年6月27日 (月) 20時32分

職人を店長同等に待遇する企業も出てきましたね。プロフェッショナルが脚光を浴びる日も近いですよ。売場がロボット化されてもお客様はロボットではないですから。もちろんロボット的に買い回る(目的買い)事が出来るスーパーも必要でしょう。なら全てPCや冷凍品に軸を移せば良い。自社のあるべき姿から働き方が再評価される時代になってくると感じます。

投稿: dadama | 2022年6月27日 (月) 11時33分

k,kさん、コメントありがとうございます。
今日の記事はk,kさんをイメージして書きました(笑)。
一口に職人といっても、個々人でみれば本人の意識も個々でことなるもの。おそらくk,kさん本人は自分を職人とは全く思ってもいないのだろうとは思っていました。周囲が怖いというイメージも、曲がった仕事の仕方は考え方をする従業員に対しての対応であろうし、それは常識を持った上司であれば当然の対応と思われます。しかし職人という勝手な位置づけだけで、成功事例を企業が学び波及するという取り扱いから隅に追いやる取り扱いになってしまっているのは、企業としても本当にもったいないことだと思うのです。その能力と実行力を欲しがる中小企業は数多くあると思いますよ。よって、自信をもって今の仕事ぶりを維持し、業績を高めるPDCAを回し続けてほしいと思います。

投稿: てっちゃん | 2022年6月27日 (月) 07時20分

確かにスーパーで職人という言葉の響きはよくないですね 私の下に就く若い方々は転勤が決まった時に私の風評をきいて震えながら電話をしてきます(笑)そんな怖くないし理にかなったことしてれば怒りもしません。 自分では職人とは思ってないんです。技術も人並みだし特にこだわりもありません。常に100点満点中70点から80点の商品をコンスタントに出して、その代わりにスピード、段取り変更でいかに効率的に仕事が出来るかを考えてます。店の電話がなって出なければでるし、カート回収や店内イベントの司会等もやります。職人といわれる筋合いはないのですが職人扱いなんですよねー 魚料理に対する知識は今も勉強して家で実践してますから他の一般的チーフに比べればお客様に教えたり踏み込んだ提案も出来ます。それが私のウリなんです。先日あったミステリーショッパーでも名指しであの人にきいたら色々教えてもらって知識がある主任さんがいるのが素晴らしいっと書いていただきました。でも私に対する会社の評価は変わりません。効果のある一発勝負のジャンブルも平台一台を朝仕掛けをすれば人員不足なので包丁仕事がもっと出来る、パートさんが間に合わない量もこちらでフォローができて売上アップを狙える、もっと言うとレジ応援、カート回収にも人を廻せます。但し会社のマニュアルは何十年も前の人が充分にいた時代のモノ。基本通りにしていたら昼ごはんもたべる時間が取れません。なのでガラパゴス状態に進化してます。人時売り上げがそれを物語っています。サビ残も極力してませんし、させてません。皆に仕事より守るべき家庭を優先していいからね、その分、お互いさまもあるから少ない人員の時も工夫してのりこえましょうね、策は考えるからっと。おかげで少人数でも廻せる体制になりました。転勤したらどうなるかはわかりませんが💦 上に上がれなくて腐ってたのは給料が上がらないのとグロサリなどにコトポップをつけたり新たな陳列などを知りたいからなんですねどねー 都内にいけば職人が重宝される時代になったんですね。

投稿: k,k | 2022年6月27日 (月) 06時41分

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