人間力を店舗力へ
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
企業に強み・弱み。
人間力を強みとする企業は多い。
しかしそれは、意外に地方の中小スーパーに多いのではないだろうか。
人間力によって維持されてきた創業当時。
そのDNAが代々受け継がれ、その人間力によって日々の店舗運営が継続されてきた歴史。
結果として人間力に依る商売から抜け出せない現実。
人間力は一つの強みではある。
企業内に、自分という個人を企業に捧げ、滅私奉公するという価値観がこの業界を支えてきたのである。
そしてそれが終身雇用として定着してきた。
現代では、いろいろと言われているが、私は終身雇用を否定はしない。
私自身の人生を振り返っても同じ業界での仕事観は成長しづづけてきた。
そして、それが全く異なる業界であったり職務内容であれば、今こうしてこのような仕事をしていたかどうか。
結果として定年まで同じ業界に身を置くことによって、その奥深さを知り、その探求心によって課題を追い求め続けられたのは、同じ業界で仕事をし続けてきたからである。
そして転職によってその探求する視点が大きく変わった。
それがいつしか「コウモリの目」を養い、物事をいろいろな角度から見るという視点を手に入れ、そのような視点がピンチをチャンスに変えてくれるという発想を生むことになる。
人間力を如何に店舗力に転換出来るか。
人間力という、真面目でお客様優先で仕事をしていくという忍耐力と継続力は、小売業界においては重要な要素である。
しかし個人の強みと組織の強みは別物。
その人間力を如何に店舗力に転換出来るかで、店舗としての競争力が高まるということを実践していくのが、これからの小売業界の課題ではないだろうか。
特に地方の中小スーパーにおいては直面する課題。
どうしても、長年の個人の経験値に基づいた商売のスタイルが、若い世代の許容と発想を結果的に妨げ、人間力に勝るベテランに頼る運営から抜け出せないというジレンマがあるのであろう。
そう気付いた企業がどのようなターニングポイントとして行動するか。
組織内や店舗内で、どうしたって自分がやった方が速いし成功する確率も高い。
自分でやるか部下にやらせるか。
部下育成がチェーン化の最大の使命であった多店舗経営と個人の技術獲得が最大の使命であった個人経営の進む方向性が今を分けたのかもしれない。
やはり他社や他者に学ぶというスタンスが進化を決めるのかもしれない。
どの企業も高い人間力からスタートしたことだけは間違いないのである。
PS
4月20日(水)より開催の「競合対策セミナー」。
次回は6月22日(水)の開催となります。
競合対策セミナーの予告編が出来ましたのでご視聴してみてください。
自店の業績を左右する競合店。
そんな存在である競合店に対しての対策セミナーを通して、
競合店からの顧客の吸引と維持を学んでみませんか。
競合対策セミナーの予告編の動画はこちら
5月18日開催「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
5月11日(水)開催の「52週MDセミナー」の一部を公開致します。
52週MDマネジメントセミナー(6月編)ダイジェストの視聴はこちら
以下のような内容で毎回翌月のMDセミナーを開催しております。
次回は7月編を6月8日(水)に開催予定。
是非、動画(YouTube)をご覧頂き、次回以降のセミナーから学んで頂ければと思います。
よろしくお願い致します。
今後のセミナーのご案内
①52週MDマネジメントセミナー(7月編)
日時:2022年6月8日(水) 13:00~14:30
定員:30名
対象者:地域に密着した店舗を目指す小売業のご担当者様
店舗運営部長、バイヤー、SVなど店長を育成指導する方全般
参加料:法人15,000円(30名まで) 個人5,000円(1名まで)
参加方法:オンラインセミナー(Zoomにて開催) ※後日アーカイブ配信あり
※流通小売業様以外のご参加はお断りさせていただく場合がございます
*52週MDマネジメントセミナー(7月編)の視聴申し込みはこちらから
食品商業6月号が発売されました。
当方の執筆は以下の通りです。
「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
一時限目 ~ ファイブマネジメント
二時限目 ~ 52週MDマネジメント
お楽しみください。
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コメント
sakaeさん、コメントありがとうございます。
組織が大きくなればなるほど、個の顔が見えにくくなっていくのでしょうね。そして組織として全体という視点から見ようとするから尚更現場の個をそれぞれに活かすという発想が遠ざかってしまう。それを補正するのが現場のリーダーの役割なのですが、そこも組織が拡大するにつれて顔が見えない店長という
役割として販売面から一歩引いた存在になってしまっているのかと思います。それを踏まえてsakaeさんにはまず現場のリーダーとして存在感を発揮して改善していってほしいのです。
投稿: てっちゃん | 2022年5月27日 (金) 07時16分
組織の末端、外様の意見ですが、当社は中途半端に私の目には映ります。
現場レベルでは技術のある強い個は少ないです。
組織が拡大するにつれて、標準化してきた結果だと思います。上からの指示やマニュアル通りにしかやらない人や数値に対する責任感のない人が多いです。
当社は現在標準化を推し進めていますが、現場の人材が育っているようには思えません。今のまま標準化を進めていけば、現場のレベルはさらに落ちて競争力を失うのではと危惧しています。愚痴になりますが、とんでもない社員が多いですよ。人事部がどういう教育をしてきたのか謎です。
過去のようにはできませんが、力のある個をどれだけ育成できるかがこれから企業が生き残る鍵ではないでしょうか?
投稿: sakae | 2022年5月27日 (金) 01時58分
k,kさん、コメントありがとうございます。
その瞬発力、それが一番重要だと思います。特に今後の店舗力を高めていく上ではその瞬発力が優劣を左右するでしょう。しかし個人の瞬発力を活かせない企業が多いというよりも、モグラたたきの如くに抹消している企業のほうが多いように思えます。
但し人間力を店舗力に転換する段階で、その人間力を間違った方向へ行使せずに正しい方向へ向かわせるという組織運営力とどう調整させられるか。ここに企業の販売力を有効活用しようとする企業力が問われているのだと思うのです。
投稿: てっちゃん | 2022年5月24日 (火) 00時02分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
人間力と店舗力。
現代のチェーンストアにとっては永遠の課題でしょうか。但し、その永遠の課題を表面化するかしないか、そこが今後の店舗力の発揮の分岐点となると思っております。そしてその人間力を軽視した結果の企業力の優劣が生まれていることも事実ですね。
投稿: てっちゃん | 2022年5月23日 (月) 23時56分
dadamaさんのご意見に御意です!しかもあちらの会の皆さまは巨大企業であれ中小であれ人間力を企業に還元しているのが凄いです。私は何をやってるのか!残念ながら何も還元出来てません(´ω`*) これは現実の悩みです。それは会の志の高い方々の行動をみていて自分はどうか?していても的外れなのです。瞬発力はあるつもりですが💦考えさせられる記事です
投稿: k,k | 2022年5月23日 (月) 09時07分
全国から熱い視線を集めるカリスマ定員は中小スーパーだからこそでしょうか。組織やマニュアルに縛られた大手は個性には否定的ですからね。
働き甲斐は商売の醍醐味は現場と本部の距離感が少ない中小スーパーに歩が有りますし、人間力やモチベーションを引き出す環境作りが大切ですね。評論家組織は大手に任せましょう(笑)。
投稿: dadama | 2022年5月23日 (月) 07時48分