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2022年4月28日 (木)

まず価格か商品か売場か

皆さん、こんにちは。
 小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。


原価の高騰。

  そして電気代等の経費の高騰。

よって、その経費圧迫分はどうしても荒利額で補填しなければならない。
そして、従来の単品量販での値入コントロールも低値入商品の売り込みにて価格優位性を演出していた時代から、今年度は

  単品量販=利益獲得策

上記のような構図で店内レイアウトから商品設定まで意図した販売計画を設定しなければならない時代なのである。
同時に、商品選定にしても、ナショナルブランドで安さ感を演出する手法からプライベートブランドや独自化商品での大陳による売込みからの荒利コントロールへ移行していく必要はあろう。

  その時に重要な事。

それは、商品選定と展開方法である。

  顧客の価格感度の低い商品選定が必須である。

要は、価格感度とは顧客の価格比較要素の高い商品ではダメだということだ。

  価格比較要素が高ければ容易に比較されてしまう。

結果的に安売りへ走らざるを得ないということであり、顧客も容易に価格比較がしやすいため、最終的にはディスカウント、ドラッグ、そしてネットへと流れていく事になる。

  よって価格合わせは定番のみでの展開へ絞らざるを得ないということである。

逆に、顧客が売場を見て商品を見るときに、まず売場を見て、商品を見て、最終的に売価を確認するような流れで購入決定してくれるような売場作りが必須となるのである。

  お客様が何で立ち止まるのか。

売価で立ち止まるという手法から、売場自体で立ち止まり、美味しそう、ワクワクしそう、食べてみたいという欲求から入り込む売り場であり演出であり、そして単品であることが重要でなのである。

  その事によって価格以外の要素で購入意欲を喚起させるのである。

価値訴求とはそのような売場作りのことであり、そこに販売力といういろいろな仕掛けが施されるのである。
同じ商品なら、最終的には価格で勝負ということになりがちであるが、それでもエキサイティングに大陳された売場というのは、価格比較以前に売場の感動からの安さ感は生まれてくる。

  そのような売場に売価比較感度の低い商品が展開されていたら。

お客様は「とにかく食べてみたい」「どんな味なのだろうか」「皆の驚く顔が見たい」等々の願望からの購入意欲が湧いてくるのである。

  荒利ミックスの単品量販とはそのような顧客心理を喚起させなければならない。

グロサリーや日配、そして菓子等のカテゴリーは上記の要素をふんだんに盛り込んだ売場展開が重要となる。

  そしてそれが一つ二つではなくより多くの場所での展開となることが重要。

それこそ単品や二品で全体の荒利ミックスが図られるとは思えない。

  極力多くの顧客視点での目立つ場所での展開が必須であろう。

そしてこれらは売価比較感度の高いグロサリーでの展開であり、生鮮部門の荒利ミックスとは区分けしなければならない。

  生鮮は売価比較感度がしにくいカテゴリーでもある。

同じ野菜でも規格によって商品価値は異なるため、規格を変える、産地を変える、商品化を変える等の対応で売価比較感度を落とし、そこに希少価値をどう組み入れて売価比較感度を更に低下できるか。

  それを絞って拡大して売り込む。

その単品で今日は、今週は、今月は徹底して売り込み、利益を創出し、荒利ミックスを果たす。

  荒利獲得競争が今年の最大の課題となりそうである。

PS
4月20日(水)より開催の「競合対策セミナー」。
 次回は5月18日(水)の開催となります。
 競合対策セミナーの予告編が出来ましたのでご視聴してみてください。
 自店の業績を左右する競合店。
 そんな存在である競合店に対しての対策セミナーを通して、
 競合店からの顧客の吸引と維持を学んでみませんか。

  競合対策セミナーの予告編の動画はこちら
  4月20日開催「競合対策セミナー①」ダイジェスト版の視聴はこちら
 
4月6日(水)開催の「52週MDセミナー」の一部を公開致します。
 以下のような内容で毎回翌月のMDセミナーを開催しております。
 次回は5月11日(水)を予定。

 動画で見る「52週MDセミナー5月編」
  ①52週MDセミナー(データで見るチャンスの在りどころ)
  ②52週MDセミナー(涼味麺の合同展開と軟皮果実の展開)

是非、動画(YouTube)をご覧頂き、次回以降のセミナーから学んで頂ければと思います。
よろしくお願い致します。

今後のセミナーのご案内
①52週MDマネジメントセミナー(6月編)
52md6
日時:2022年5月11日(水) 13:00~14:30
定員 :30名
対象者:地域に密着した店舗を目指す小売業のご担当者様
    店舗運営部長、バイヤー、SVなど店長を育成指導する方全般
受講料:法人15,000円(30名まで)
    個人5,000円(1名まで)
参加方法:オンラインセミナー(Zoomにて開催)
  ※後日アーカイブ配信あり
  ※流通小売業様以外のご参加はお断りさせていただく場合がございます。
52週MDセミナーの申し込みはこちらから


②競合対策セミナー②
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日時:2022年5月18日(水) 13:00~14:30
定員:30名
対象者:地域に密着した店舗を目指す小売業のご担当者様
    店舗運営部長、バイヤー、SVなど店長を育成指導する方全般
参加料:法人30,000円(30名まで) 個人10,000円(1名まで)
参加方法:オンラインセミナー(Zoomにて開催) ※後日アーカイブ配信あり

 ※流通小売業様以外のご参加はお断りさせていただく場合がございます。
競合対策セミナー②の申し込みはこちらから

*全セミナースケジュールはこちらでご確認を


食品商業5月号が発売されました 
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当方の執筆は以下の通りです。
「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
  一時限目 ~ ファイブマネジメント
  二時限目 ~ 52週MDマネジメント

お楽しみください。




 

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コメント

dadamaさん、コメントありがとうございます。
利益確保=守り
この構図に陥ると、守りどころか縮小均衡に陥るリスクが逆に高まるということをまずは認識しないと、どんどん泥沼に陥る結果になってしまいますね。
攻撃は最大の防御。
このワードはやはりこの業界の原理原則でしょうか。

投稿: てっちゃん | 2022年4月29日 (金) 09時04分

昨夜も話題になりましが、目的買いと衝動買いの消費行動で自社ではどちらの目的のお客様をターゲットにしているのか?更にはターゲットのお客様に最大の満足をして頂けるような計画や仕掛けをきっちりしているか?
目的買いの買上点数はある程度安定=店舗の基礎体力でしょうから利益が取れる衝動買いをさせる仕掛けが必要かと。昨夜も上位100SKUで8割の売上が決まると言われてましたが売上構成比が高い商品群をAIDMAの法則で如何に売込み全体の底上げをしていく事が経費高騰の昨今求められますね。守りの姿勢だけでは今回の経費高騰分は吸収出来ませんから攻める勇気が必要ですし、確率の高い戦術を練り徹底的に実行せねばなりませんね。

投稿: dadama | 2022年4月29日 (金) 08時48分

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