原価高騰への対応
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
商品の原価高騰。
年頭から言われていたことではある。
しかしここに来てようやくその現実味が増してきたようだ。
さてどう耐えようか。
原価高騰であるから、売価をいじるしか手は無いのか。
しかしそれでは競争に負けてしまう。
しかし原価高騰はそのような悠長な時間を与えてはくれない。
食品スーパーという一個の商品としての強みを如何に活用するか。
この食品スーパー、特に生鮮を有する食品スーパーという業界の強みは生鮮部門という原価管理部門を有していることである。
原価管理部門の強みは売価を比較的自由に設定できるという強み(弱み)。
よって、原価管理部門の強みは、担当者の腕次第で如何様にでも売上であり利益でありを獲得できるというメリットを持つし、逆にそのメリットを活かせなければ競合店との戦いにおいて生鮮では戦えないというデメリットとなってしまうのである。
その生鮮部門と連動した荒利ミックスが勝負の分かれ道となろう。
原価高騰となれば、当然に各企業とも商品の売価と連動してくることになる。
それに合わせて、今年の各企業の売上はそれなりに単価アップにより上昇してくることになる。
しかし利益に関してはその保証はない。
逆に言えば、原価高騰による売価アップと連動した荒利アップをどう図るかが大きな課題となる。
その課題を、生鮮を有する食品スーパーという特性を最大限に活かして、生鮮との関連販売によるセット販売の強化にて、生鮮との相乗効果からの荒利ミックスを図っていかなければならない年となろう。
しかしその都度生鮮との関連販売の実践には仕組み化は難しい。
自部門の商品であれば、本部情報から部門担当者が自部門内の商品を誰と打ち合わせする必要もなく実践できるからである。
逆に部門横断的な関連販売には店舗の店長が関わらなければならない。
よく以前から関連販売という言葉は言われ続けてきたのであるが、その関連販売に対して積極的に実践している企業とそうでない企業に分かれてしまうのは何故かというと、そこに部門横断的な役割を果たす店長の存在があるからである。
店長の存在価値。
その価値はいろいろとあるだろうし、企業によっても店長への役割期待が異なるのであるが、部門横断的な役割を期待する企業であれば、前述の関連販売に対しても積極的に推進できるであろうし、そうでなければ関連販売には消極的ななっていくであろう。
しかし関連販売による荒利ミックスが必須事項となれば話は別だ。
関連販売とは、生鮮を武器としてその周辺により便利でより簡単に美味しいメニューを提供するという意味でも買上点数をアップさせる非常に有効な手法であるし、必然的に荒利ミックスも可能な販売手法なのである。
店長主導の荒利ミックス。
いずれにしても、原価高騰により荒利圧迫を改善させるのは店舗の店長の仕事となろう。
そういう位置付けて考えても、部門合同展開や関連販売による荒利ミックスを推進していくのも店長ということになる。
店長として関連販売による荒利ミックスの推進。
店長としての役割を再度見直すきっかけになるのではないだろうか。
PS
3月9日(水)開催の「52週MDセミナー」の一部を公開致します。
以下のような内容で毎回翌月のMDセミナーを開催しております。
次回は4月6日(水)を予定。近日中に申し込みURLを公開予定。
動画で見る「52週MDセミナー3月編」
①52週MDセミナー4月編(4月をデータで確認)
②52週MDセミナー4月編(4月の週別概況説明)
③52週MDセミナー4月編(4月の週別写真説明)
1月21日(金)開催の「データマネジメントセミナー」の一部を公開致します。
以下のような内容で計3回にてデータ活用のセミナーを開催しております。
次回はこの記事の下位にも記載しましたが、3月25日(金)開催予定。
動画で見る「データ活用セミナー第1回目」
①データ活用セミナー1回目(客数データの活用)
②データ活用セミナー1回目(具体的写真説明)
是非、動画(YouTube)をご覧頂き、次回以降のセミナーから学んで頂ければと思います。
よろしくお願い致します。
今後開催のセミナーのご案内。
①データマネジメントセミナー(第3回目)
日時:2022年3月25日(金) 13:00~15:00
定員:30名
対象者:地域に密着した店舗を目指す小売業のご担当者様
店舗運営部長、バイヤー、SVなど店長を育成指導する方全般
参加料:法人30,000円(30名まで) 個人10,000円(1名まで)
参加方法:オンラインセミナー(Zoomにて開催) ※後日アーカイブ配信あり
食品商業4月号が発売されました。
当方の執筆は以下の通りです。
「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
一時限目 ~ ファイブマネジメント
二時限目 ~ 52週MDマネジメント
お楽しみください。
| 固定リンク
コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
先日の52週MDセミナーでも、各社から原価高騰、電気代高騰の中での荒利改善、利益創出の手法の意見交換がありました。まだまだいろいろな手法があるとは思いますが、生鮮主体の食品スーパーが取り組むべき具体策は数多くあると思います。生鮮、グロサリー等の販売面での実践が急がれますね。
投稿: てっちゃん | 2022年3月12日 (土) 18時55分
生鮮もロシア産原料の禁輸・原油高による経費上昇・飼料も上昇・円安傾向と決して良い状況とは言えませんね。価格を売りにしてきた企業にとっては非常に厳しい時代となるでしょうね。
更にはコロナ収束に伴う外食・旅行に対する嗜好が高まる=巣ごもり需要は減退。
さて、4月からの値上げ&巣ごもり減少を予測してどういう手を打ちますか。中期的には今年は猛暑予想。その心構えは?
何事も先手必勝・備えあれば憂いなしでしょうか。
投稿: dadama | 2022年3月12日 (土) 11時30分