部門別格差
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
年末年始商戦も終わった。
皆様お疲れ様でした。
いよいよ平常運転に移行した頃であろうか。
そして最近思うことがある。
“鮮魚売場の格差が広がってきたなぁ〜”
店舗内にはいろいろな部門が存在する。
鮮魚部門もその一つ。
私が入社した当時はまだ鮮魚部門は生鮮部門の中でも花形部門であった。
イベント時の盛り上がりを筆頭に、普段の日曜日や連休ともなるとお刺身の動きが活発となり、それこそ売れて売れて人手が足りないのが通常であった。
しかし時代と暮らしは大きく変化。
いつしかその地位は精肉部門に完全に奪われ、特に輸入牛の普及により普段からご馳走まで肉食が当たり前となり、ワインの普及によって更にその傾向は強まっていった。
そして現在に行き着いた。
その流れと同様に、食品小売業や食品スーパーマーケット、更にはGMSや百貨店ですら鮮魚部門のボリューム感やレイアウトが大きく変化してきている。
特に思うのは丸魚の縮小均衡である。
鮮魚部門ほど鮮度感が現れる部門であるが、逆に言うと鮮度感を強調するあまりにロスが増加し利益を圧迫するというトレードオフの関係になっており、利益追求のために鮮魚部門の鮮度感を削除する方向に向かう食品スーパーの流れのように感じてきたのである。
生鮮付きのドラッグでは丸魚を廃したお店もあるほどだ。
しかしそれとは逆に新店や改装によって、鮮魚部門を圧倒的に強化したお店を出店し始めている企業もある。
鮮魚部門が両極端化し始めているのである。
そして、鮮魚部門を徹底して強化した店舗ほど、改装前よりも集客力が増し、特に年末商戦では店舗として一人勝ちの様相を呈しているように思えたのである。
鮮魚部門で差別化。
このことが再び起こっているように思えるのである。
確かに、食品スーパーと言えどもワンストップショッピング性は高めなければならない。
なぜならコロナ禍によって買い溜め需要は高まった。
よって、一つのお店で全ての食材を揃えたいとの欲求は高まるばかり。
しかし、ロスリスクの高い鮮魚部門、特に丸魚や生切り身の売場を充実させれば鮮度感が発揮されるが、そこに掛ける人件費を補うだけの利益が獲得出来るかという不安もあろう。
それをも圧しての鮮魚の強化。
しかし上記の鮮魚部門強化店舗は、圧倒的な鮮度感充実と同時に店舗としての集客力を高め、その集客力からの鮮魚部門の支持も高まっているように思えるのだ。
この成功事例に学ぶのが今年のテーマとしよう。
そう思うのである。
鮮魚を強化すれば圧倒的な集客力を得ることができる。
それを証明して見せている企業が生まれ始めている。
そこが今後の企業の明暗を分けていくのではないだろうか。
PS
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日時:2022年1月12日(水)~毎月一回 13:00~14:30
定員:30名
対象者:地域に密着した店舗を目指す小売業のご担当者様
店舗運営部長、バイヤー、SVなど店長を育成指導する方全般
参加料:法人15,000円(30名まで) 個人5,000円(1名まで)
参加方法:オンラインセミナー(Zoomにて開催) ※後日アーカイブ配信あり
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日時:2022年1月21日(金)~3回の開催 13:00~14:30
定員:30名
対象者:地域に密着した店舗を目指す小売業のご担当者様
店舗運営部長、バイヤー、SVなど店長を育成指導する方全般
参加料:法人30,000円(30名まで) 個人10,000円(1名まで)
参加方法:オンラインセミナー(Zoomにて開催) ※後日アーカイブ配信あり
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コメント
v店長さん、コメントありがとうございます。
→手を出せないって事はチャンスでしかないですって感覚です。ものにした時は効果的面です!笑
ということは、精密な売場計画がどこまで正解か否かということなのだろうと思います。
鮮魚部門という特性を他部門と区別してどうその特性を活かすか。従来の一律的な指向から如何に特性に合わせた強みの獲得を図るかがポイントではないでしょうか。v店長にはいずれ公の場に登場して頂きたいものです😎。
投稿: てっちゃん | 2022年1月 8日 (土) 00時11分
丸魚で圧倒的に差をつけようとすると、どうしても市場での投げやスポット品を扱う事になるかなと思います、となると精密な売場計画ができず市場で売場イメージして買い付ける(他人が市場で買ってるとなると店に魚が届いてから売場を考える)事になります。
言わばマニュアルが無く経験値がものを言います、だから中々そこに手を出せないってのもあると思います、、、、手を出せないって事はチャンスでしかないですって感覚です。
ものにした時は効果的面です!笑
投稿: v店長 | 2022年1月 7日 (金) 23時59分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
部門利益と店舗利益。
最終的にはどちらを優先させるべきなのか、これは意外に難しい選択になるのかと思いますが、それでも部門利益を出せれば問題無い世界をどう構築できるかを描ければ当面は素晴らしい現実なのではないでしょうか。如何にそのような現実を呼び込むかが課題ですね。
投稿: てっちゃん | 2022年1月 7日 (金) 23時47分
魚を食べたいお客様は少なからず存在しますし買いたいスィッチを押す売場かつ店舗利益も上がる売場が出てきた現実。
会社都合からお客様本位の売場=現場力の価値がいよいよ顕在化する時代になりそうですね。
投稿: dadama | 2022年1月 7日 (金) 13時49分
k,kさん、コメントありがとうございます。
やはり鮮魚部門が強いと年末商戦も強いという事実。
昨日のzoomミーティングでもその話題になりましたが、鮮魚部門強化店舗は年末商戦においても相当の集客力を保持したという報告です。
鮮魚部門に関しては今後更に対応が分かれていくのではないでしょうか。逆に言うと「腕」のある担当者ほど引きが強くなるかも。
投稿: てっちゃん | 2022年1月 7日 (金) 08時11分
そうあってほしいですね。現実は右に習えで人件費かけずに日々終えろの指示の元従ってます。もっというと鮮魚に各店人が居なすぎて現状ギリギリです。しかも各店ほとんどパートさんが65歳以上。トレーナーも頭を抱えてます。作業をもっと教えて万能化して社員の残業代を出さないように指示されているようです。65歳廻った大先輩方に今から値付けを教えろと言っても無理難題です。最近は社員が辞めても補充が直ぐにされません。一月かかります。そのくらい深刻です。角上さんの一人勝ちが続くのでしょうか
投稿: k,k | 2022年1月 7日 (金) 04時29分