魚の目の競合対策
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
本日のテーマは「魚の目」の競合対策。
“どういう意味?”
そう問われる方もいるだろう。
「魚の目」での競合対策と言われても、どういう意味?と問いただされるのは見えている(笑)。
先日の店長研修会でのこと。
競合企業のMRの際に、ある企業の店長との意見交換の場があった。
そして、その店長の競合対策を聴いて、一同が驚いた。
それが「魚の目」で見る競合対策であったのだ。
それはこうだ。
競合店と同企業の一年前に出店した企業の経緯を見る。
そう、自店の近隣に出店した企業の一年前に出店した店舗の開店からその後の一年間の経緯を見て、どのタイミングでどのような施策を打つかという事前の調査を踏まえて、その経緯と同じ施策を目の前の店舗も実施してくるであろうとの予測の下に自店の競合対策を打ったというのである。
まさに「魚の目」を活用した競合対策である。
同企業であれば、開店から1か月、3か月、半年、そして一年と経過するにしたがって、どのタイミングでどのような売場の編成、売価の変遷、そして販促全般の変遷になっていくのかを事前調査の情報から、その魚の目に従って目の前の競合店に対して、自店の売価設定や売場の強化策、そしてその都度の荒利変遷等を踏まえながら対応していくため、相手の出店に対しても振り回されることなく、すべてが想定内という余裕を持って競合対策を打てるというスタンス。
この話には同じ店長仲間も驚愕した(笑)。
そこまでやるのか!、という感動であり驚愕である。
そこまでやるから盤石な情報が網羅される。
特に、初めてぶつかる企業に対しては、そこまでの情報収集も必要なのであり、結果として相手に振り回されずに、逆にこちらから先手を打って相手を振り回すことが可能となるのである。
振り回されるとは後手後手に回ること。
十分な情報を収集しておけば、常に想定内の出来事となり、その想定内という余裕が常に先手を打てる環境が整備されているということであるから、常に先手を打って相手の施策が後手後手となる道を歩ませることが主導権を握るということでもあるのだ。
競合対策とはこのように常に主導権を握ることが最終目的となる。
こちらの売価設定に相手が合わせざるを得ない状況を作ること。
こちらの商品政策に相手が合わせざるを得ない状況を作ること。
こちらの販売促進に相手が合わせざるを得ない状況を作ること。
主導権を握り相手が振り回される結果となることである。
結果としてこちらは相手に振り回されずに普段の売場作りに専念でき、売場の安定がもたらされ、必要最小限のコストで競合対策を先手を打ちながら実践できることになる。
これが理想的な競合対策の流れ。
そして、それに対してのギャップの部分だけが微調整されて付加されていくことになる。
競合対策とは振り回されずに振り回すことにある。
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コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
この発想は私も現役時代に未経験でした。それだけこの企業が競合店に対しての意識や感度が高いということでしょうか。企業によっては「競合」にたいしての行動を店舗に求めない企業もありますが、店舗の対応力、行動力、そして競争力を養うには上記のような情報を如何に対策に活かせるかという視点を現場が身に付けることによって、強い店長、強い現場、そして強い店舗が育成されていくと思うのですが。
投稿: てっちゃん | 2021年12月 9日 (木) 11時30分
こちらの地域もこれから益々競合激化が予測されるので私の職務もアンダーグラウンドでの情報を取り次の競合出店に備える事でしょうか。
魚の目で見ると確かに競合のパターンが見えて来る。その流れを読んで手を打つ事、正に自店を磨く砥石となりますね。
投稿: dadama | 2021年12月 9日 (木) 07時05分