« 生鮮強化の反動 | トップページ | 最後は基本 »

2021年12月 3日 (金)

4つのハードル

皆さん、こんにちは。
 小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。


我々業界最大の使命。

  それは売上を作ること。

そこから利益が生まれ、企業であり個人でありの報酬へと連動していく。
方や、その利益を生む前提としてのコスト削減やロス削減も一方では同時進行で追求していく必要はあろう。

  しかし「売上は全てを癒す」とも言われてきた。

企業毎に、店舗毎に、そして個人毎に、更には時代毎に色々な課題が表面化し、その都度上記の課題に対して向き合ってきた結果、トータルとしての企業運営にテコが入り、利益を獲得する技術が構築されながら、経営基盤が強化されてきたのである。

  しかし最後は「売上」という絶対的な数値を求めるのがこの業界だ。

それはそこに企業の成長であり個店の成長であり個人の成長が連動するからである。

  よってどうしても売れる仕組み作りの構築に注力してきた経緯がある。

売れる、という事はどういうことなのか。

  売上 = 客数 ×  客単価

このような数式が従来から存在し、売上を客数と客単価に分解することができる。
しかし分解は出来ても、その分解した数値を実際の現場や売場でどのように実践すれば、上記の客数や客単価が変化するのか、向上するのかという因果関係が現場の人間が理解して売場で実践しない限りは、その売場が客数や客単価に反映されずに、結果としての売上に連動することはない。

  要は単なる数式だけが知識としてのみ理解されているだけとなる。

売上を上げるためには、客数を増やすこと、客単価を上げること。

  しかしそれはどのような売場からもたらされるのか。

それを現場の人間は何度もトライして、確実に自分の引き出しに原理原則として収納出来ているのかが一番の課題なのである。

私はそれを「4つのハードル」と呼んでいる。

  1つは、客数を上げるハードル。
  2つは、点数を上げるハードル。
  3つは、単価を上げるハードル。
  4つは、再びを高めるハードル。

上記4つのハードルを乗り越えていきながら、売上が高まっていくのである。

  まずは客数を上げるというハードル。

これは店舗にお客様が来店されるという設定から、店舗内にお客様が来店した段階からのスタートとする。
そうしなければ、売場での販売技術へ向かわないからである。

  店舗内に入店したお客様の何人がこの売場に立ち止まるか。

その確率を如何に高められるかでその商品の売上は高まるのであるが、売上とは確率を高めることなのである。
その確率とは、上記のようにまずは購入するお客様が商品の前に立ち止まり、購入するか否かを検討する段階に引き摺り込まなければならない。
それには、その売場に立ち止まって、その商品を食べたいと思わせるという確率を如何に高められるかという売場作りに連動しなければならないのである。

  次に点数を上げるというハードル。

これはまさに上記のように売場にひきづり込んだお客様に、購入するという意思決定をして頂く確率を高めること。
これはお客様が「食べたい」「作りたい」「楽しみたい」という感覚になっていただかなければならない。
そのような商品であるのか、売場作りであるのか、説明書がされているのかどうか、そしてその裏側にはその商品を購入して自宅の食卓が豊かになるかどうというイメージが明確に湧いてくるのかどうかが重要であろう。

  更に単価を上げるというハードル。

立ち止まり、購入を決定したお客様に、どの単価の商品を選択して頂くかというハードルである。
99円のりんごなのか、それとも198円のりんごなのか、更には1980円のりんごの箱なのかどうかで売上金額という具体的な額が決定するのである。できれば1980円の箱を購入していただければ非常にありがたいことではある(笑)。それが単価を上げるというハードルだ。

  最後は再びというハードル。

購入され、その商品をその夜に家族で食された段階での場面。
家族から大好評だったりんごを、家族の要求で再び来店して購入するという確率を如何に高めるかというハードル。
これは、その家族や購入者がその商品をどう評価するかという問題でもある。美味しければ評価は高いが、再びというハードルを超えられるかどうかである。ただし再びといハードルはそれ以外の購入商品も含めて何度も何度もそのお店を利用しようというハードルでもある為、店舗トータルでの評価が重要なのである。

  そうやって店舗とは再びのお客様によって支えられているのである。

再びとはリピーターのことである。

  最終的には如何にリピーターを増やすか。

だから商売は商い(飽きない)なのである。




当方の販売力セミナー。

  今後の日程は以下の通りです。

12月1回(有料)となっている。

【今後のスケジュール(予定)】 
 
・12月  8日(水)13時~ 販売力強化策③&52週MD(1月編)有料
  *申し込みはこちらから

上記日程の予定で進めている。
いずれも午後1時~2時30分までの1時間30分の予定。
  
11月以降の有料版においては、販売面でのより充実した販売強化策と翌月の月間MDを導入し、無料セミナーの概略とは異なりより詳細な販売事例を基に、店舗で実践できる販売力強化セミナーを3回に分けて取り入れていきたいと考えている。よって3回連続で視聴していただくことでより詳細な販売力強化策として学ぶことが出来る。

また、有料版視聴の方には後日アーカイブ動画の視聴も可能となり、当日視聴できなくても後日ゆとりをもって視聴できるのである。

  有料セミナーとしても格安(法人一回視聴3万円 個人一回視聴1万円)な内容かと思われる。

少しでもてっちゃん塾の考え方やスタンスを知っていただきたいと考え、データシステム会社のデータコムさんとコラボにて実現できたものである。


|

« 生鮮強化の反動 | トップページ | 最後は基本 »

マネジメント」カテゴリの記事

コメント

vさんコメントありがとうございます。
それぞれの方が自分の現場に置き換えて、仮説を立てて売場を作れば、必ずリアクションがあり検証が出来ると思います。その連続が客数、点数、単価に必ず現れ、効果が見えてくるのではないでしょうか。

投稿: てっちゃん | 2021年12月 4日 (土) 08時11分

点数を上げるハードル
いかに買ってしまう商品を適切な場所に売場作りできるか(dadamaさん推奨の菓子、和菓子などが比較的即効性ごあり効果的でしょうか)

単価を上げるハードル
これは量目でとらえるか、もしくは質でとらえるかかなと感じてます、質とはいつも木肌まぐろメインのところを本鮪にシフトさせる等

客数へのアクションは上記をPDCAでまわしながら、基本を徹底していく事かなと

ぼんやり思ってます、いかがでしょうか。笑

投稿: v | 2021年12月 3日 (金) 22時50分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
これからの時代の客数を上げていくために各企業が進化していき、追随する企業も増加していく今の過程は、従来の食品スーパーの在り方が問われる時代へと進んでいくのでしょうね。そして客数を上げていくというハードル。如何に具体化して売場に表現していけばいいのか、現場サイドからの考察を深める機会も大切でしょうか。次回にでも(笑)。

投稿: てっちゃん | 2021年12月 3日 (金) 09時28分

昨夜もお疲れ様でした。
今回も内容の濃い話題でしたね。
本日のブログで「1つは、客数を上げるハードル。」の認識について語る機会が有ればと思います。

投稿: dadama | 2021年12月 3日 (金) 08時40分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 生鮮強化の反動 | トップページ | 最後は基本 »