青果の相場高
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
再びの相場高。
ここ一週間で急激な相場高となってきた。
8月のお盆後の大雨の影響であろう。
そしてその後も続く長雨の影響。
そんな季節外れの雨の影響による相場高。
しかしこれとて、毎年どこかのタイミングでそのような気象状況からの相場の変動は野菜というカテゴリーでは当たり前の世界。
逆にそれが無いと野菜は変化の無い部門となってしまう。
青果と鮮魚。
収穫高や漁獲高で相場変動の激しい部門。
しかし鮮魚は徐々に相場高が高値安定になってきており、それが魚離れを招き、それに加えて骨がたべづらい、匂いとアラの問題等が絡み合っての長期低迷が続くが、野菜や以前として我々日本人の主たる食材であることは間違いない。
よって相場に関係なくメニューの中心的な食材であることは変わりない。
だから家計を直撃はするが、だからと言って全く需要が落ち込むことはまずない。
よって、相場高になったときは概ねの食品スーパーの青果部門、とりわけ野菜部門は単価アップによる売上増となる傾向が強い。
今は青果部門は野菜の相場高で売上好調の時。
そのような構図が現在のスーパーの状況であろう。
しかし、逆に荒利率という視点に立てば、原価高であるからそうそうに高値を付けれない傾向にあり、荒利率という数値は低下傾向にあろう。
売上高と荒利率の低下という矛盾する状況。
しかし、荒利高という視点では売上高に引っ張られて、相変わらず荒利もある一定の水準で推移しているもの。
そう考えると荒利高とは相場にはあまり左右されない数値と言える。
よって、青果部門の内部では、野菜の売上高に関してはあまり動揺していないのであるが、どうしても経営幹部や店舗の店長としては、トータルな売上に占める青果、野菜のウェイトは高いから、どうしてもそのマイナス要因をどこで穴埋めしようかともがくのである。
さて、どうする?。
しかし今は野菜の相場高いの時。
よって青果の業績は良いであろう。
逆に他の部門への影響は必至である。
特にレタスやキュウリが相場高の時。
そうなると、サラダ材の食卓に上る確率は低下する。
必然的にドレッシングやマヨネーズ類の需要は低下するであろうし、野菜を使って簡単に調理が出来る調味食品類の需要も落ち込むであろう。
相場高による店内でのバランスが崩れるのである。
しかし思えば、もはやこれだけの相場高になってきてしまっているということは、相場の上がり始めの段階で相場対応するか否かにかかっているのである。
上がり始めで如何に安さ感を出して売価設定をするか。
ここでお客様のそのお店に対する「安さ感」は決定する。
もはやこの段階では安さの期待値は決定しているのである。
“あのお店は野菜が安い”
そう思わせるか否かは、相場が上昇している時でほぼ決まるのである。
その時の安さ感の演出を如何にタイムリーに売価に跳ね返えせるか。
それは、次回の相場上昇時に検証していただきたいものである。
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コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
それだけ荒利額は売上に引っ張られるといことですね。だからどうしても売上志向になっていくのでしょうね。
野菜の相場安の時は果実に目を向け、果実でのダイナミックな展開を目指していくべきかと思うのですが。野菜は相場によってダイナミックな売場作りを演じますが、果実は逆に守りの品揃え型になるお店が多いですね。そこに切り込めば青果計での売上維持が図れるかと。
投稿: てっちゃん | 2021年9月 7日 (火) 07時11分
相場高の翌年売上は落ちるのは当然ですが粗利率は上がっても粗利額は届かない事が多い。
私も青果担当者だったので振り返ると、野菜が高騰すると売り方を変えたり、カット野菜やもやしを増やしたり、水耕栽培の安定供給可能な商品を露出したり、今は農業と言うより工場生産の菌だ茸類を広げたり、筍等水煮野菜を増やしたり・・・
これは青果担当者なら誰でも考える事ですが要は野菜高騰に対してあらゆる手段で利益確保に手を打つ。これは競合対策や業績対策に相通じますね。
投稿: dadama | 2021年9月 7日 (火) 06時54分