新入社員教育
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
あるセミナー視聴者の方からの質問。
新入社員教育は店舗ではどう実践されていたのか?。
これも企業毎の取り組み方が如実に表れるものであろう。
よって、いろいろな企業に対してのアンケートが一番有効な回答が得られるであろうし、情報としても有効に得られるのではないだろうか。
新入社員教育。
私が考える新入社員がまず初めに実施すること。
これは立場の違いを身を持って感じる事であろうか。
学生から社会人への転換。
従来は親の庇護の下での生活。
今後は己が自力で世を生きる。
自分自身でこの世を生き抜いていくという覚悟を持つことであろうか。
“今まではこうだった”
“親はこう言っていた”
“誰かが助けてくれる”
そんなタガなど何も無いという前提で、自らの足でこの世を渡り歩く覚悟を持つということであろうか。
その気持ちの切り替えの為の座学。
配属先の業務を覚えるのは配属先に放り出せばいいだけの話だが、それでは上記の覚悟を身に付けるのに時間を要するのである。
その覚悟はやはり座学で学ぶことがスタートラインであろう。
そういう意味では、しっかり3日間程度の時間を要して、トップ、幹部、先輩社員等を交えた座学とグループミーティングによる意見交換からの自分達での回答を導き出す訓練が重要であろうか。
やはり新入社員教育は最初の一年が勝負であろうか。
そこから次年度には先輩社員となって、また新たな境地に立ち新たな立場で社会人としてスタートしていくことになるのである。
よって最初の一年間は新入社員教育年間と言えるのではないか。
そうやって一年間の間に一人前の既存社員としての覚悟を身に付ける事。
これが一番重要な新入社員教育だと考える。
そして二年目からが本格的な業務能力の習得時期に入っていく。
よって、初年度はどう過ごしたかと言えば、入社後鮮魚精肉部門配属の新入社員達は、こぞって3か月の生鮮トレーニング期間の為の寮生活を余儀なくされた。
そこで集中して技能の習得に入る。
しかし技能の習得とは言っても、実践的なものではなく実践に必要な考え方や作法が中心であり、現場でのスピードや要領の部分ではなく徹底して基本の習得であり、社会人としてのルールであり、店舗内での付き合い方のようなものがほとんどであったような気がする。
そして店舗に配属になるがまだまだアテにはされていない。
とりあえず作業マンとして徹底してまな板に張り付いて切身を切り、生魚を捌き、掛け声販売に徹していた。
その中で少しずつこの業界の本質に触れていくのである。
自分が作った価値の無い盛合せが低価格の値付けで販売されたり、価値があれば倍掛けで値付けされたり。
それも重要な商売の本質であったような気がする。
よって、当時から商品価値とはなんぞや?、という問いが自分自身で問うことを課してきたような気がする。
“これはいくらの価値がある”
で実際に値付けをして販売してみる。
売れた・売れない。
売れなかったらどうする。
売れたら、次はどうする。
そんな問いと共に過ごした新入社員時代。
私が就いた先輩社員や特にチーフ達はそれぞれに大いに癖の強い方が多かったが、それでも彼ら一人一人に部下として就いたことには後悔は無い。それぞれにそれぞれの価値観が異なりそれも今では多岐にわたる価値観を教えてくれたと思っている。
そんな商売の真実に触れる事。
新入社員の一年間とはそんな時代なのではないだろうか。
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コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
新入社員時に、如何に自分の仕事のプライドを高く持ち、そのプライドが自らの成長を加速させるものでなければならないと思いますが、それを小売の現場で如何に実現できるか、そしてそれと相反する形で即戦力化が求められる時代。どちらも追及できるのか否か。両立する手法を考察していかねばなりませんね。
投稿: てっちゃん | 2021年9月18日 (土) 11時18分
スーパー業界だけでは一絡げに語れない時代。
創業者の思いやコンセプトから如何にお客様に喜ばれるスーパーを目指すのか。
個性化・独自化が進む中プライドを持ってライフプランを描ける教育も大切な時代でしょうか。最近の業界再編の動きを見ても若いうちに企業精神をしっかり叩き込む事はマストと感じます。
投稿: dadama | 2021年9月18日 (土) 09時45分
k,kさん、コメントありがとうございます。
新入社員にとって、いきなり現場でのOJTはきつすぎますが、それが一番初めの社会との関わりとなるわけですかが、仕事人にとってはその一年間は人生においても大きな影響を与えますね。
そこで何をどう教育という視点で伝え接すればいいのか、そこに答えは無いのかと最近おもうようになってきました。結局は本人次第。甘やかされても、厳しくされても、それは後々に必ず本人に返ってくるもの。日本流辞めない組織運営の在り方を歴史を振り返ってもう一度考察する必要があると思いますよね。
投稿: てっちゃん | 2021年9月18日 (土) 07時17分
35年程前の鮮魚の上司、先輩方は曲者、癖者しかいなかったような(笑)その後の人生は店長になる方、チーフで終わる方、独立される方、板前になる方等色々で転職しやすいのも鮮魚部門ならではないでしょうか。私が最初に言われて心にのこったのは魚を覚えれば何処のスーパーに行っても使える。お陰で職人扱いになってしまいました(^_^;) 小さなスーパーだったので全てOJT。煽られ、けなされ、馬鹿にされ、からかわれながら可愛がってもらいました。褒められた記憶はありませんが何クソ負けてたまるか、早く先輩に追いつきたいの一心で過ごしてきました。今ならパワハラですねー。現在は、いたせリつくせりで逆に気を使いながら仕事してます。時代が変わった、でも技術は変わらない。どう教えれば早く出来るか、きれいに出来るか。自ら学ぶ精神がないと無理ではないでしょうか。
投稿: k,k | 2021年9月18日 (土) 05時14分