通路の確保という基本
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
よく基本の徹底に「通路の確保」という項目がある。
“本当に通路の確保が効果あるんかい?”
と思われている方が多いのではないだろうか。
実は私もその一人であった。
通路を確保することよりも、通路にしっかりと売れる商品を大陳したほうが売上があるのではないか、と信じていた時代があった。
そうやって、なんでもかんでも通路に突き出して売ることに専念していた時代があった。
特にチーフになりたての頃だろうか。
そして、突き出した商品は確かに売れた。
当然である、それが目的なのだから。
しかしそのことによってそのカテゴリーの数値はどうか?、更に部門トータルの数値はどうか、という最終目的には到達しなかったのである。
むしろ定番の動きが極端に落ちこむことになったのである。
店舗は、店内レイアウトによって什器が配列され、そこに商品が陳列されている。
その陳列レイアウトは、ある程度部門毎にコーナー化され、そのコーナーもある程度お客様が購入の目的に沿った組み合わせによってレイアウトが為されている。
大昔は特設とか平台とかは無かったのである。
しかし、要は突き出しという目的で徐々に各部門に突き出しの意味での平台やエンド、そして企画コーナーが設置されるようになってきたのである。
既に突き出しも含めてレイアウトされているのである。
更にそこに通路にも付きだしを始めたら?。
通りにくい、入りにくい、選びにくい。
そんな状況になってしまうのである。
目の前の突き出し商品はうれるであろうが、要は定番にお客様が入っていかなくなるのである。
売上と利益の柱は定番商品。
特に、グロサリー部門のおいては、それは常識中の常識。
よって通路の確保に一番貢献するのもグロサリー部門。
グロサリー部門の売場作りで一番重要視しなければならないのは、現在のレイアウトを熟知し、その全てのレイアウトに客動線における役割を設定し、その役割に応じた販売計画に沿った商品陳列にて、如何に定番にお客様を呼び込みながら客動線をより複雑になるようにお客様を誘導できるかが問われるのである。
突き出しとは客動線を単純化させる要因なのである。
だからと言ってレイアウト上の突き出しであるエンドや特設をないがしろにしろということではない。
そのレイアウトを如何に熟知して目的を達成するかということだ。
そして、レイアウトを熟知するという課題に対して、意外に企業自信が積極的に取り組んでいないのである。
当初新店時にレイアウトを設定する。
その時にはある程度の意図を持って店内レイアウトを設定するのであるが、それは本部サイドでのことであって、意外にその意図が現場の店長や部門責任者までは伝わってこないし、常に新店において新たなチャレンジをして店内レイアウトを決定するのであるが、その意図がその新店毎に全従業員には伝わらないのである。
そこにレイアウトへの配慮が乏しくなる要因があるのではないか。
自社のレイアウトはどのような目的を持って編成されているのか。
当然そこには客動線を考慮した配慮があるはずだ。
それが現場に伝わらなければ、そのレイアウトはほぼ死んでいるということになるであろう。
そこから現場の通路での突き出しが横行するのである。
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コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
店長視点で店舗全体の売り上げという結果を求めると、dadamaさんが仰る突出し後の部門の迷惑は極まりないですね(笑)。
そして結果的には定番が死んでしまうという結末。
店長は如何に定番に客動線を広げるか。最終的にはそこを捕まえることが店舗計の数値への近道になる事を認識しなければなりませんね。紆余曲折を経ながらも(笑)。
投稿: てっちゃん | 2021年9月10日 (金) 19時46分
私も通路肯定派から否定派に変わりましたね。
データ分析すると利より害の大きさが見えて来ましたから。基本の徹底出来ずに次へのステップは無いですよ。
ある部門のエゴで通路で関所を作ってしまったら関所後の部門は良い迷惑ですね(笑)。
投稿: dadama | 2021年9月10日 (金) 19時35分