地方スーパーの強み
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
自社の強み。
その強みがあるからこそ今の企業が存在しているのである。
そしてその強みを拡大し、ドミナンス出店によってより有効に地域における存在価値を顧客に認知させながら販売力を高めてきたのである。
それがなければいずれ競合という存在に駆逐されていく。
その歴史があっての現在の姿なのであろう。
かってはその地域に存在するだけで存在価値があり、地域の食文化、食生活を担っていたスーパーマーケットという存在も、各企業の出店攻勢により自店の商圏を縮める結果となってきており、いずれ利益の出せない店舗においては閉店を余儀なくされていく時代。
全ては自店の強みが不透明になってしまったことが原因であろうか。
そんな中で、地方の中小スーパーの強みをどこに見出せばいいのであろうか?。
従来であれば地域の食文化を担うのが食品スーパーであった。
しかし徐々に地域毎に異なる食文化を有していた食事や食卓、歳時記毎の独特のメニューが薄れていき、情報の拡散により食文化が薄れていく昨今において、地方の中小スーパーが発揮できる強みとは存在するのであろうか。
たくさんあるだろう。
しかし、それは発掘すべきものであり、自らがその強みを見出し、育成し、そしてその強みの波に乗ることである。
例えば歴史という強み。
そこから確立された信頼であり安心という部分であろうか。
“あのスーパーの刺身だからブリが美味しい”
“あのスーパーだから年末にこの商品がある”
“あのスーパーの挽肉だから肉汁が美味しい”
等々、従来からの商品の原料に変動がなければ相変わらずのファンは多い。
その強みを今後どう活かしていくか。
更には、地域に根ざした歴史あるスーパー故の顧客との関係。
長年のお付き合いのレジ担当者との関係。
そのレジ担当者との会話をしたくて来店するお客様も意外に多いと思われる。
“あのレジの従業員と会話がしたくて買い物に行く”
“あのレジの子は接客がいいので通るだけで嬉しい”
“午前中の空いている時はいつもあのレジにならぶ”
等々、レジとの関係性においての単なる会話なのであるが、それが一日の日課として欠かせない時間となっている高齢の方は多い。
特に午前中の空いた時間であれば相手も時間を割いて会話に乗ってくれる。
それは、そのレジがしっかりと集客力を持っているということでもある。
そんなレジ担当者を如何に育て強みとして発揮させるか。
それが、強みを発掘するということである。
どんな地域の中小スーパーにおいてもこのような強みを持つ部分は必ずあるものである。
そして、どんな些細な部分、些細な状態であってもそこを発掘して、強みと認定して育てていけるかどうか。
逆に言うとそう言う部分を潰してはいけないのである。
それを人間関係の中でいつしか抹消されてしまっているのも事実であろうし、マニュアルという名の下に個人の強みの可能性を平坦に潰してしまっているのも事実であろう。
強みを発揮することの効率性。
そのほうが、皆同じような接客マニュアルの言葉で縛るよりもはるかに効率よく強みを発揮できるのであり、はるかに強みとしてお客様に認識されるのである。
そんな強みを如何に多く発掘していくか。
そんな発掘競争が問われているのかもしれない。
PS
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コメント
かおるさん、コメントありがとうございます。
そこが地方スーパーの強みでもあり弱みでもある。それを如何に自ら理解し今後のリスク分散を図っていくかが課題でしょうか。
投稿: てっちゃん | 2021年8月 3日 (火) 20時33分
かおるです。
自社も本社のある県内においてはかなり強固なドミナントを形成しているほうだと思います。
それ以外のドミナント未形成エリアでの勤務も経験しましたが商売の仕方が全く違いますよね。
一言で言ってドミナントを形成しているエリアでの商売はずいぶん楽に感じます。知名度や生活への根ざし方が全く違うんですね。どこといって尖ったところは無く、平均的なお店だと思うのですが、それが故の顧客の期待度と売場とのギャップの無さ、敷居の低さといったこともあるでしょう。
また関連業者も含めて雇用や利害関係者も少なくないと思われ、このあたり地方における農協と組合員との関係に似ている気もします。
投稿: かおる | 2021年8月 3日 (火) 18時59分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
そして地方スーパーにおける食品小売りの役割とは。
買物を楽しむことと仕事を楽しむことの両面でどう相矛盾する課題を克服していくか。
必然的に答えが見えてくるような気がしますね。
投稿: てっちゃん | 2021年8月 3日 (火) 15時38分
昨日も某国会員制スーパー(笑)を見て参りましたが、食品に於いては私が恒常的に「買いたい」と思う商品はなかったですね。青果の品質はマル秘写真の如く(笑)
某国スーパーに各社目が向いてる時代でありそれに近い業態や転換したスーパーの業績が良いようですが、コロナによる影響も大きいでしょうし本来の消費者ニーズがあの大容量高単価にあるのかは疑問に思います。これからはフードロスからの節約志向が話題になるのではないでしょうか。
新鮮で美味しくて安心な商品が値頃に変える。所謂「冷蔵庫(冷凍庫でなく)代わりになるスーパーはお客様に認知いただけるのかと感じます。
投稿: dadama | 2021年8月 3日 (火) 08時23分