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2021年7月 5日 (月)

M&Aの実態

皆さん、こんにちは。
 小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。


先日のガイアの夜明け。

  「ニトリの新たなる野望」。

と題して、家具のニトリがホームセンターの島忠ホームズを買収した舞台裏を放映していた。

  ここでも企業買収の話題。

このコロナ禍もあってか、時間が相当早まっているのか当然の流れなのかはわからないが、大手同士の企業合併や買収が当たり前の時代となってきた。

  ニトリが島忠を買収。

家具のニトリが念願のホームセンターを買収と題して、躍進しているニトリの今後を放映するものであった。
 
  その中で気になった部分。

それは、買収され側の島忠ホームズの従業員との関係である。

  それは企業買収に必ず付きまとう問題。

特に買収された側の従業員の内実である。
そこの従事する従業員はだれもが、自ら就職する企業が他企業に買収されるとは思わずに入社してくるものだ。

  そしてそこで仕事を覚え、社会を知り、組織を理解していく。

そして慣れ親しんだ組織が、ある日突然全くDNAの異なる組織に買収されるのである。

  従来からの原理原則など全く通じない。

あるのは、買収した側の論理。
その論理をいち早く買収された側が組織内に収納し、組織を運営する人間も同様に体内に収納することである。

  しかしそこに大きな葛藤が生まれるのである。

これは経験しなければ絶対に理解できない壁であると言える。

  番組では、そのことにも触れていた。

買収された側の島忠ホームズは、どちらかといえば接客を重視した商売を重視していたのである。
よって接客により、より高額ではあるがより顧客に満足のいく家具を接客により提案し、顧客との関係をより長く構築していく手法によって畝にされてきた。

  方やニトリは接客販売は徹底してやらない。

その手法の違いは企業理念の違いであり、経営者の違いでもある。
そして、多くの従業員はその理念に沿って成長し、その理念に沿って営業の原理原則を身に付けてきたのである。

  その営業の原理原則が通じなくなるという危機感。

それは従来から学んで自分の引き出しとなってきた能力の発揮する場を、その企業内で失ったということである。

  要は、自分の存在価値がなくなったといこと。

その瞬間のその人間の喪失感は相当たるものであろう。
この放映では、受け身となった島忠ホームズの接客担当の男性社員の奮闘?も放映していたが、その映像では島忠の接客の良さを残しながらの新店舗への取り組みが新鮮であった。

  “この場の美談にしてほしくないなぁ~”

思わずそう願ったのである。

  それだけ買収された側の処遇は厳しいものがある。

従来はお客様をしっかりと見ながら自店の営業をするという前提が、企業買収により相手側の論理を嫌が上でも受け入れざるを得ないというのが現状であろう。

  そしてそんな話をたくさん聴いてきたのも事実。

それだけ、企業のM&Aはある意味砂漠のような現実が待っているのである。

  島忠社員には是非頑張ってほしいものである。


PS
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コメント

かわらいさん、コメントありがとうございます。
→理解出来る部分
なるほど、それはいいことですね。
徐々に全体像の状況がつかめるようになってきたのでしょうか。次回はいいお話が聞ける環境になっていくといいですね。

投稿: てっちゃん | 2021年7月10日 (土) 21時10分

今まさに身をもって経験中です。笑
『融合』とは程遠い現状からM&Aの利点とは?
と疑問を抱く近況でしたが、色々な視点があるんだなと理解出来る部分も出てきました。
それについては又お会いした時にでも。笑

投稿: かわらい | 2021年7月10日 (土) 19時26分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
その企業で成功するという発想から、どこの企業からも欲しがる人間としてどうこの業界で存在していくかという発想になることが大切な時代になっていくようですね。それが、自分の身は自分で守るということにもつながっていくのではないでしょうか。

投稿: てっちゃん | 2021年7月 5日 (月) 21時13分

私も目の当りにしてきましたね。
全体最適からは正解かも知れません。
これからは益々寡占化は進むと思います。
不運と言ってしまえばそれまでですが、会社を信じて一生懸命頑張ってきたメンバーがどんでん返しのとばっちりで悲しき憂き目に遭遇するのは悲しいですね。我が身を振り返れば自分の身は自分で守る時代なのでしょう。
寄らば大樹の陰も処世訓には大いに有りなのですが、これからは大樹がいつ伐採されてしまうのかも客観的に傍観する視点も必要な時代なのでしょう。

投稿: dadama | 2021年7月 5日 (月) 20時55分

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