取引先系研修メニュー
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしていた「てっちゃん」です。
今日も業務内容の中の研修メニューを取り上げてみたい。
今日は「取引先系研修メニュー」。
このメニューは、どちらかと言えば同じ業界の小売業界やスーパー業界を対象にした研修メニューではなく、小売業界と繋がりのある又は取引のある業界の方々を対象にした研修メニューである。
“てっちゃん、それって範囲外じゃないの”
それは分かっています(笑)。
しかし、意外にニーズはあるはず。
それは、彼ら彼女らにとって我々業界はお取引先でありお客様となる。
我々がお店のお客様を大事にするのと同様。
彼らも我々を大事にするからこそ、そんな現場の声を代表して語ってくれるこのような研修メニューは面白いのではないだろうかと思うのである。
“じゃ、一体何を話すの?”
それが問題なのであるが、私は逆に対等の関係で付き合うことを提案したいのである。
お客様は神様。
それは我々小売業者が来店されるお客様に対して長年抱いていた認識であると同時に、取引業者の方達も同様に我々をお客様として認識し、接してきたように思う。
それはそれで間違いではないが。
とは言え、同じ人間であるし、同じ情報量を持つ取引相手でもある。
但し現代は選別の時代。
小売の顧客が購入するお店を選択できるのに対して、我々小売業者も卸業者やメーカーを選別できる時代でもある。
また、小売するメーカーも多数あるため、そのメーパーの商品が品揃えなくても大きなギャップは無い時代でもある。
“あのメーカーのこの商品でなければダメ”
そんなメーカーであり商品はもはや伝説となっているのではないだろうか。
逆にいうと、小売業者が欲しいのは情報である。
特に、「売れる情報」「売れている情報」。
そして、競合店情報であり、競合店で売れている情報や業績を上げている競合店の理由等を持つ取引先情報は有効である。
そんな情報を提供してくれる取引先は大事にしていきたいと思う。
そしてそれはありふれた数値情報ではない。
そんなのは、いろいろな取引先との付き合いから自然に入ってくるものである。
欲しいのはどうやったら売れるのか、なぜ売れるのか。
そして、時には厳しい言葉を言ってくれる相手である。
「てっちゃん、我々はこう思うからこうしたらどう?」
そんな情報を敢えて言ってくれる相手を私は重宝したいと思っている。
10年ほど前であろうか、ある練り物メーカーさんが年末に当店に来店して、私がうちの売場のレイアウトはそのメーカーさんの商品を目立たせるレイアウトにした方が実質的に売上が取れるのではないかとメーカーさんに提案したことがあった。
当然、そこでそのメーカーさんからの協賛の声が上がると思っているのである。
そこで言ったメーカーさんの一言。
「確かに言われることはわかりますが、年末のおせち商材をトータルの年末の暮らしとして捉え得た場合は、自社の商品は目立たなくてもお客様の年越しの暮らし、歳神様という謂れを大事にした暮らしを提案した場合には、売れずともこの商品を目立たせ、トータルの歳神様を大切にした暮らしの提案をしたこの売場は素晴らしいと思いますよ。」
との返答が返ってきた。
私はなるほどと思った。
自社の商品よりも大事なお客様の暮らしの提案。
それを聞いたときに、私はこのメーカーを全般的に信じるようになったのである。
そのような小売業界と取引先との関係。
このような関係をメーカー側や取引先側が積極的に小売業界と結べる関係。
私は提案していきたいと思っているのである。
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