相対的価格
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしていた「てっちゃん」です。
売価設定には二通りの設定の仕方がある。
絶対的売価設定。
相対的売価設定。
絶対的売価設定は、売価設定にあたり圧倒的な安さを提供するという売価設定である。
競合店が158円なら、当店は98円で圧倒的に安く。
そんなイメージであろうか。
そしてもう一つの売価設定は相対的売価設定である。
競合店が158円なら、当店は148円で相対的に安く。
しかしどちらの売価設定に関しては、競合店よりも安さ感の選出を如何に出していくかという目的には変わりはないのではないだろうか。
そう考えるならば如何に効果的に相対的売価設定をするか。
そうすることによってお客様は、当店に対しての安さ感を感じてもらえて、
「あのお店はいつも野菜が安いわよ」
そんなイメージが構築されていくのである。
しかし逆にデメリットは、常に競合店の売価調査に行かねばならず、その手間と交通費等のコスト、そしてその時間的なコストも失うということになる。
そのデメリットを解消する為に、週一回程度の売価調査でも競合店が追随出来ない価格設定にしておくという意図が絶対的売価設定にはあるのだ。
しかしいずれにしても相当なコストを支払うことに間違いはない。
それでも競合店と比較した時の「安さ感」をどう演出し、安さ感を周辺のお客様に感じていただき、競合店に行かずとも自店でワンストップショッピングを実現して欲しいとの願いをどう実現するかである。
よってそこに絶対的価格設定と相対的価格設置の使い分けが生まれるのである。
絶対的価格設置と相対的価格設定?。
そうその二つを如何に使い分けるか。
特に野菜類の売価設定はこの二つの使い分けは重要であり、その使い分けによるお客様の「安さ感」のイメージ作りの成否が隠されているのである。
そしてその前提には野菜の相場変動がある。
相場変動があるから、絶対的売価と相対的売価によって競合店との価格差をお客様の価格感度に訴え、そこから自店の安さ感を引き出し、競合店との戦いを有利に進めることができるのだ。
要は相場に振り回されずに相場を振り回す発想である。
野菜部門とは相場による売価設定が頻繁であり、その相場によっての売上が大幅に違ってくるもの。
その相場変動と売上変動を、相場変動を利用して如何にお客様の安さ感を引き出し競合対策を有利に進めていけるかどうかが問われるのである。
絶対的価格設定は簡単ではある。
しかしそれによって失うもの(利益)も大きい。
それを相場を振り回すことによって、安さ感と利益を同時に追求することができるのである。
それが青果担当者の腕であろうか。
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コメント
神出鬼没さん、コメントありがとうございます。
やはり継続すること。そしてその過程で見えてくるトレンド毎の数値経過。瞬間的な対応ではなく継続することでお客様の購入頻度がどう変化していくかを知るということは重要な引き出しを手に入れたということだと思います。そしてそれはやった人間しか理解できないという宝物だということですね。
投稿: てっちゃん | 2021年4月14日 (水) 15時19分
過去に主要5品目で毎月200万の赤字を6ヶ月続けた経験者です(笑)初めは数量が爆発的に動きますが、ある程度お客様がなれてくると数量は落ちついてくるということを学びました。
そうすると算盤も弾きやすくなり、発注スピードも上がり、儲かる商品を血眼になって探しやすくなりました。最後は相手の取引先が勘弁して下さいと頭を下げに来て手打ちとなりました。やり続けると意外な産物も手に入るんですね。
投稿: 神出鬼没 | 2021年4月14日 (水) 14時21分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
価格設定とはその裏側に必ず競合店という存在が隠されていますね。
競合店と比較してという顧客目線と顧客が認識する競合店と自店との心理的なイメージ戦略。そしてそのイメージがある程度固定化された後にどのようなイメージ戦略を再構築していくか。そのPDCAサイクルの勝ちパターンを構築できれば最高ですね。それは今後の私自身の課題でもありますが。
投稿: てっちゃん | 2021年4月13日 (火) 08時57分
あちらの会の新店を立ちあげた元某店長(てっちゃんではないですよ・笑)が競合の外側の商圏の顧客を取るには白物等の絶対的売価設定が必要と判断されそれらの商品では月間〇百万のロスを出したものの思惑通り商圏客が来店され結果こちらの地域での自社1位の売上を作る店舗となりました。開店から5年以上経ちますが未だにたまごを98円で売り続けています。絶対的価格の影響力を知っているので今更やめるにやめれないのが本音でしょうか。
何れにしても綿密なシュミレーションと継続する力や判断力が無いと競合売価設定は武器ともなりお荷物にもなりますね。
投稿: dadama | 2021年4月13日 (火) 08時15分