店舗運営のスタートライン
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしていた「てっちゃん」です。
以前の記事で、従業員としての評価のスタートラインを部門チーフと記した。
http://tetu-syoubai.cocolog-nifty.com/blog/2020/09/post-959a3c.html
この業界では、まず部門のチーフとなって企業の幹部からその人間性であり部門運営の手腕でありが同じテーブル上で評価される。
そこから、新店のチーフや時期昇格の対象となるのである。
そして店舗運営者としてのスタートラインは。
それはもちろん店長となる。
しかし店長は部門チーフと異なり、固定の部門も持たず、ましては商品も持たない存在である。
しかし店長に一番求められるのは業績。
商品も持たない、部門も持たない存在でありながら、店舗全体の数値責任は店長が全てを負う存在となる。
売上、利益、荒利率、ロス率、在庫回転率、生産性等々の数値がほぼ全て店長の肩にかかってくることになる。
とは言っても、副店長時代にどれだけ店長責任の数値を学んできたか。
学んできたのは、部門チーフ時代に部門の売上、荒利、生産性等であろうか。
この業界はある程度売上といベースがそのほとんどを決めてしまうものである。
売上が決定すれば、自動的に荒利率は本部政策に則って商売をしていれば大きなブレも無いし、本部マニュアルにそった日々のオペレーションを目指せばある程度の必要人時数も決まってくるのである。
よって店長に求められる最大の業績は売上となる。
ただし、そこに行き着くまでに、やれロスだ、やれ人時数だ、やれ在庫だという細部の数値管理もとやかく言われることはあるが。
このように、売上以外の業績に関しては、それ相応に本部指示通りの店舗運営をしていれば大きなブレは無いから、どうしても全ての業績を支配する売上金額というわかりやすい数値に対しての評価が大きくのしかかってくるのである。
しかし先ほども言ったように店長は何一つ商品に携わることは出来ない。
携われるのはそれらの商品に対して、人材に対してのアドバイスであり、組織力を以ってそれらを店舗としての総合力として一個の商品の如く地域の競合店と比較したときに、お客様に如何に自店を選択していただくかを追求し続けていくことにある。
店舗を一個の商品として如何に競争力を高めるか。
ここに店長の手腕が問われるのである。
これを一言で言うと「店舗運営能力」となる。
しかしこれとて、企業側に存在する店舗運営のマニュアルには基本の徹底が記載されているだけで、それ以外は今までの店長自身が身につけてきた引き出しから如何に各部へのアドバイスをして、売上という具体的な金額を伸ばすかにかかっており、その土台となる基本においてのみ企業が用意しているだけである。
そこから先はあくまでも店長個人が持つブラックボックスなのである。
そこに店長によって業績が大きく変わるという謎が潜んでいるのである(笑)。
しかし部門の運営は本部商品部からの縦割りの規制が強い。
そこに店舗の店長が横串をさして口出しする店長もいれば、生鮮にはあまり口出しせずに本部やチーフに任せるというスタンスの店長もいるかもしれない。
どうしても生鮮はバックヤードから売り場に出る機会が少ない。
逆に言うと、そんな部門ほど商品や商品化には熟しているが、売場や売り方に弱いチーフも多い。
製造能力と販売能力。
そこに店長の出番というチャンスが隠れているのであろう。
部下を活かして強みを引き出す。
逆に言うと、部下の弱みをフォローする影の立役者が店長なのかもしれない。
いろいろな関わり方があるだろう。
それは店長の数だけ個々人によって異なるのである。
だからこそ、いろいろな手法を学び実践し、そして引き出しを増やしていく必要があるのだろう。
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コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
この記事も約一週間前に書き溜めたものでして(笑)。
偶然にも昨日のリモートミーティングと重なった内容となりましたね。
やはり店舗のリーダーが自ら構築した基本をベースに、その確固たるベースに立脚して戦略立案能力を高めて自律的にリーダーシップを発揮できるか。
そこに店長の腕が潜んでいるのではないでしょうか。
投稿: てっちゃん | 2021年4月24日 (土) 13時38分
これいつ記されたのですか?(笑)。
午前様までリモート会談した話題そのものですね。店長の個性、資質で営業数値がブレる現実と会社が理想とする継続的成長。
自らより多くの学びの機会を作りスキル引き出しやポケットを増やす事。
個のスキルを吸収して全店に波及する仕組を会社が構築する事が必要でしょうか。
投稿: dadama | 2021年4月24日 (土) 09時35分