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2021年1月19日 (火)

大手GMSの閉店

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


近隣の大手GMSが閉店する。

  開業以来40年の歴史を誇るお店である。

思えば小売業の歴史の中で、駅前の百貨店の隆盛の次に登場したのが大手のGMSであり、その最盛期は1980年ごろであろうか。

  そしてそれは私がこの業界に身を投じた時期とも重なるのである。

まだまだ食品小売業、食品スーパーという存在自体が弱小であり、大手GMSの影に隠れて隅の方でひっそりと商いを許されるような存在であったように思う(笑)。

百貨店が駅前という立地、そしてクルマ社会に移行し住宅地が駅周辺からより単価の安い地域へ広がっていく中で、大手GMSはその立地に食品、住居、衣料品等とテナントを有して出店していった。

  商圏は5k〜10kほどもあったろうか。

クルマ社会に対応して大駐車場を有し、百貨店の割高な価格設定とは異なり、庶民に受け入れやすい価格帯での品揃えと、とは言っても百貨店に準じた品揃えで一気に集客力を高めていった。

  ネットも通販もカテゴリーキラーも無い時代であった。

そこでリアルに集客出来たGMSが強みを発揮できた時代である。
しかし時代は変わり、そのGMSを取り囲むように食品スーパーが乱立し、更にドラッグストアも周囲を固めていく。そして雑貨や衣料品はそこに特化する業種も参入し、GMSの売上が奪われていく。

  また時代の変化や世代の交代によりネット売買やヤフオクの登場。

パソコンやスマホの登場により商品の売買形態が大きく変化した。

  特に駅前立地のGMSほど不利な状況に追い込まれていく。

私は食品スーパーに所属する立場から、GMSの食品売場をよくMRしてきたが、私が入社した当時のGMSの食品売場と比較すると現在の売場は雲泥の差がある。

  それはマネジメントの差であった。

私の知る大手GMSは、食品部門であろうが生鮮部門であろうが、マネジメントや数値管理はノンフードと同じ売価管理がメインであった。

  要は衣料品等と同じ商売の仕方。

特に在庫管理や売価設定もノンフードと同様に売上とロスが数値管理の基本であったように思う。

  そこに在庫管理という発想は薄かったように思う。

膨大な在庫と同じ品質の商品であれば、売価管理とロス管理で十分に管理できるしその方が生産性の高い仕事が出来るのであろうが、こと鮮度落ちの早い生鮮部門が上記のような売価管理で商売をしようとすると自ずと弊害が生まれていく。

  鮮度落ちという数値に見えない商品劣化。

そこに視点を当てない限りは生鮮は強くなれない。
しかし、売価管理部門と同じ視点、同じマネジメントでトップダウンによるマネジメントが続く中で、食品に関しては周囲の生鮮を強みとする食品スーパーに次第にお客様を奪われていく結果となったのではないだろうか。

  そして商圏が狭まる中での絞り込みという選択。

以前にも記したが、商圏が狭まれば狭まるほどに、特に食品は地域に合わせた品揃えに特化するほどに基礎商圏の顧客からの支持が高まるのであるが、やはりトップや本部の意思決定に頼るマネジメントスタイルは変わらなかったのであろうか。

  リアルに集客するには「強み」が必要である。

そして、業種が細部に分割されればされるほどに、その業種が持つ強みが強烈なお店に集客力が高まっていく時代である。

  GMSの強みは?。

なんでもあるが、中途半端。

  特に食品が弱い。

これでは日々の集客力がなくなっていくのも当然であろうか。

  そうやって、駅前がまた少しずつ変わっていくのであろう。






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コメント

男肉一番さん、コメントありがとうございます。
今回は第01肉屋ではなく、男肉一番のネーミングですね。これらの違いをお尋ねしたいところですが、それはいいとして、昔の百貨店の屋上はワクワクドキドキのエリアでしたね。今実際に行ってみれば小さいエリアだったのですが当時はそれでも広大な空間だったような気がしますね。そこでの思い出。やはり小学校低学年まではなんとも楽しい思い出の宝庫でしたね。

投稿: てっちゃん | 2021年1月23日 (土) 00時09分

お久しぶりです。
言われてみると駅前のGMSは売上が低いです。
建物自体も古いと駐車場も狭いと感じるます。
何より、学生の数が多かった時代、少子化で子供の数が一段と減った時代を比べても、今買い物を楽しんでいるのは年寄りが多いです。
ゲームセンター、映画館、温泉プール、
あった頃が懐かしいです。

投稿: 男肉一番 | 2021年1月22日 (金) 19時01分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
駅前から周辺への住宅地の変遷と人口減からくる用途別需要の変化、更にはネット環境の拡大からの宅配の一般化等、時代は日々刻一刻と変化していくのですが、それでも商売の基本や原理原則は大きくは変わらない部分も多いもの。我々はやはりリアルな売場での成功事例を積み重ねてきた世代であり、そしてリアルな現場は未だにその原理原則が通用する場であり、それは今後も変わらずに活きていくだろうと思います。その原理原則が時代と共に伝承されていかないから企業の強みが失われていっているようにも思うのですが如何でしょうか。

投稿: てっちゃん | 2021年1月19日 (火) 11時25分

ひと昔前、駅前は集客力1番の場所でしたね。マイカーも一家に1台が家計的に精一杯の時代でしたし女性の免許所持率も低くかった。ですから路線バスに揺られてバスターミナルの駅前スーパに行くのが日常化してましたし●●店前などのバス停のあるGMSも多かったですね。
私も学生時代年末アルバイトで前スーパーにお世話になりましたが、1フロア350坪程度の5層建で食品、婦人、男性、日用品、家電、家具とほぼフルラインに加え屋上にはゲームセンター、ミニ遊園地、ペットショップも備えたミニ百貨店でしたね。バスは3社のバス停があり、駐車場は地下に50台程度しかありませんでしたから、年末は1キロ以上の大渋滞(笑)。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いでしたが盛者必衰はどこでも通じる事なのでしょう。

投稿: dadama | 2021年1月19日 (火) 07時35分

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