伸び代を追求する
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
バイヤーという仕事。
私もバイヤー経験は無い。
一時はスーパーバイザーとしての任務をこなしたこともあるが、その時もスーパーバイザー兼地区バイヤーのような仕事を兼務もしていたので、多少のバイイング経験はあるものの、本格的に本部のバイヤーとして一部門を任されたという経験は無い。
バイヤーというからにはバイイング(買う)のが本業ではある。
しかし、バイイングと同時に仕入れた商品を店舗で売る為に、いろいろな情報を提供して売場に陳列させ、お客様に購入していただくかまでの道筋を立てて商品マネジメントをしなければならない。
単に買ってお店に送るだけではないのだ。
バイヤーとして経験を積み、その経験が長くなるとどうしても仕事のウェイトがバイイングに傾き、バイイングした後の店舗へのフォローが疎かになる方も多く見受けられたが、現代ではそのようなバイヤーはほとんど姿を消したのではないだろうか。
優秀なバイヤーとはどのようなバイヤーなのか?。
小売業の中でもバイヤーほど評価の分かれる分野も無いのではないだろうか。
それは評価者によって全く逆の結果となるからである。
トップから見れば、結果を残すバイヤーがなんといっても優秀なバイヤーであろう。
取引先から見れば、商品を買ってくれるバイヤーがそれこそいいバイヤーであろう。
しかし現場からすると陳列から完売までの道筋を示してくれるバイヤーが最高である。
そして、そのようなバイヤーは得てして現場の部門チーフから信頼が厚いものである。
だから現場のチーフ連中も、彼の示す道筋に沿って商品展開をし、そしてその商品を売り切り、また次の道筋に沿って商品展開していけるのである。
結果として業績も付いてくるという流れだ。
やはりそんなバイヤーは現場に強く、人に強く、そして競争にも強い人間であり、結果的に取引先からの信頼も厚いという付録まで付く。
“てっちゃん、そんなバイヤーいねぇ〜よ(笑)”
現場からはそんなヤジが飛んできそうだが、年齢問わず必ず存在するものである。
そんなバイヤーは、過去から現在、そして未来へと自ら受け持つ部門でありカテゴリーでありのストーリーを持っており、そのストーリーに準じた方向性を必ず部門担当者に示すことから始めている。
そしてそれに沿って毎月・毎週の計画と具体的なレイアウトが流れてくる。
送り込みは「単品量販型」の単品集中の送り込みによって、定番に影響を与えずに特設にてダイナミックに展開でき、生産性が高まる流れを崩さずに投入する。
送り込みに際しては必ずその旨を情報として流し、ある程度の売場作りと売り切り手法まで簡潔に添付されているから安心だ。
そして頻繁に現場に足を運び、手にリアルなコミュニケーションを欠かさない。
最後は現場の人間が自信を持って行動できるよう支援しているのである。
そして、業績面では常に「伸び代」を作っておくことを忘れない。
「伸び代」である。
現在の業績を更に伸ばす為には、次の一手、二手を常に頭に入れながら、そのタイミングを図りながらバイイングを行なっているから、そのタイミングが到来した時には誰よりも先に先手を打って商品をバイイングし、道筋を示して現場に投入する。
そのタイミングがバイヤーの全てではないだろか。
これぞ、仮説検証というPDCAを有効に回し続けていく能力であり、企業としての競争力に直結するものであろう。
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コメント
お肉屋1番さん、コメントありがとうございます。
昨日は「お肉屋一番」で本日は「お肉屋1番」なのですね。そしてかっては「第01肉屋」。この違いは一体どこにあるのでしょうか(笑)。
それはいいとして、お肉屋1番さんも精肉バイヤーには頭が上がらなそうですね。やはり尊敬する人間が提供する食材は売り切るという意志が相当働きますね。そしてそれがお客様に伝わり、部門業績から店舗業績までを網羅し、それが自らの成長となっていくのだと思います。
投稿: てっちゃん | 2020年12月24日 (木) 00時01分
てつろうさん、コメントありがとうございます。
たまには(失礼!)いいこと言いますね(笑)。
自分の仕事に愚痴るなということでしょうか。確かに他人のその様な愚痴ほど聞きたくもないものですからね。そしてそれは自分にも言えることで、気がつけば他人に自分の仕事や上司との意見の食い違いを愚痴ることの無いように気をつけなければなりませんね。
投稿: てっちゃん | 2020年12月23日 (水) 23時54分
かおるさん、コメントありがとうございます。
かおるさんには是非とも一度でいいから店長という職位を経験して欲しかったなぁ〜と思います。
しかし現在の業務も今までのかおるさんのキャリアからすれば適材適所でしょうか。ただし本人がどう思われているかは不透明ですが(笑)。
投稿: てっちゃん | 2020年12月23日 (水) 23時50分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
バイヤー等の本部スタッフは替えが利かない役割ですから、本人が居ないと始まらない業務がほとんどですから休日取得も簡単にはいかないのでしょうね。
そして店舗の店長と違って他人に振れないというジレンマ(笑)。
そう考えると本部スタッフは徐々に孤独感を増していくのかもしれませんね。その結果が店舗との価値観の溝。やはり本部スタッフほど店舗に足繁く通って店長等と触れ合う時間が重要なのだと思います。
投稿: てっちゃん | 2020年12月23日 (水) 23時48分
バイヤー、朝3時起きで夜12時就寝
休み無しで月30日連続出勤、いつもニコニコ、眠そうに仕事をされても、一切の妥協をしない。
しかも、私の縁戚。
今の会社に入ってバイヤーと一緒に仕事をするまで縁戚ということ自体知らなかったという。
投稿: お肉屋1番 | 2020年12月23日 (水) 20時40分
どの世界でもバイヤーと言われる人のイメージは「大変なお仕事」というイメージですが、落ち着いて考えてみると、どの仕事も大変な事には変わらないわけでして、自分の仕事に愚痴をこぼしているうちはまだまだ一人前のバイヤーではないとおもいます。そう言う理由は私の父親がバイヤーをしていたから私もバイヤーの仕事とはこんなものと教え込まれたからかもしれません。日本全国から品物を買い付ける。その中からヒット商品が出てくる。ワクワクしますね。でもやりたくはないですね(笑)。
投稿: てつろう | 2020年12月23日 (水) 19時14分
かおるです。
バイヤー経験でいえば30歳でアシスタントバイヤーになって以後とうとうお店には戻らずじまいでしたので年数だけはムダに長かったですね。
自分がこれはと思った商品なり産地なりは、自分が導入しなければうちに来ている年配のお客さんは一生食べる機会がないのだという思いは常にありました。
既存アイテムでも不要と思えばどんどんカットし、新しい商品や取組みに切り替えていきましたので店からしたら強引で面倒くさいバイヤーで、先輩からも恨まれたりしましたね。
今の若手バイヤーは随分多忙で、店舗思いです。実績踏襲的だなとは思いますが数字も僕の頃より安定していますし進化していると感じます。
会社がどうなろうとしているかにより求められるバイヤー像も変わるのだろうと思います。
投稿: かおる | 2020年12月23日 (水) 19時13分
バイヤー自身もジレンマに追われてる方は多いと思います。計画書、商談、リベート処理等々脇目で見てても仕事量は膨大ですし、サービス残業や休日勤務も常態化。頑張れるのは「俺はバイヤー」のエリート意識とプライドではないでしょうか。俺は年中無休で朝から深夜まで仕事に追い回されていれる。店舗は週休2日休めるから良いよねー。なんて発言もまかに通り必然的に店舗担当者は負い目を感じてしまう。臨店する時間も取れる訳がなく余裕のない不正確かつ一方通行的、高圧的指示書が来る・・・これは以前お世話になった企業での話しですのでお間違いないよう(笑)。
この様な仕組をトップが是認?黙認してるから会社は動脈硬化を起こし遂には破裂する。
これはドキュメンタリーでしたね(笑)。
ですから作と演がしっかりと手を繋ぎ最高の舞台を作り観客により沢山の拍手=売上=買上点数を上げる事に今は執着したいのです。
投稿: dadama | 2020年12月23日 (水) 08時46分