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2020年11月12日 (木)

加速する小型店化

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


既存店が競争激化により縮小均衡に陥る現実。

  特に単独店舗は厳しさを増す。

そして、新規店舗の開発においても700坪という現代の定番の立地を有する空き地が一等地に存在する時代は終わった。

  存在してもそこは基礎商圏が薄い地域。

もしくは過疎化の進む地域であり、とても商売として成り立たない立地でしかないという時代になっている。
そこでリージョナルチェーンですら、今後の出店計画では400坪前後またはそれ以下の立地にての出店を模索する企業が増加しているようである。

  都内は更に狭小地での出店が加速する。

このように、新規出店を基礎商圏の厚みを見込んでの狭小地で出店に舵を切る企業が増えていくであろう。

  従来の勝ちパターンを捨てての新たな模索が始まった。

先日、あるスーパーが改装オープンした。

  従来のレイアウトを大胆に変更しての改装。

一言で言えば、「生鮮惣菜ベーカリー特化」。

  逆を言えばグロサリー割り切り。

その食品スーパーは隣にドラッグストアを有する立地にある店舗である。
よって、グロサリー系は隣のドラッグストアと競合する関係にある。

  限られた立地の中での強みの更なる発揮の仕方。

強みを更に発揮するということは、弱みであり他社の強みを自社の中で絞り込むという相反することを現場にで実現しなければらない。

  従来の700坪という呪縛から如何に解放できるか。

従来からの勝ちパターンの磨き込みを図ってきた我々スーパーマーケット業界であるが、人口減と人口集中という現実において、立地においての一等地という概念が変化しているのは自明である。

  そんな環境を見据えた10年後の勝ちパターン。

そこは、人口密集地における200〜400坪という狭小地になっていくのであろう。

  その狭小地を他業種を争う今後。

他業種とはグロサリーに強いドラッグとの戦いでもあろうし、生鮮に進出したドラッグとの戦いでもあろう。
そんな来るべき未来に対して、如何に生鮮に強い自社の特性を最強の武器として店舗レイアウトを再構築するか。

  そのトライが始まってきているというのがこの改装の感想である。

青果、ベーカリー、惣菜、和デイリーといった部門がダブルコンコースにて贅沢にスペースレイアウトされている。

  逆にグロサリーは大幅縮小。

エンドも従来の3分の2程度。そして正面のエンドはコンパクトに展開しているが、そのエンドから2尺分も単品量販に使用している為、お買い得感のあるエンドが正面のエンドから側面のエンドまで活かされており、そこからグロサリーの定番へ引き込むことも念頭に入れたレイアウトとなっている。

  更には生鮮とセットになった定番売場も効率的である。

鮮魚や精肉の平台の裏側に、鮮魚や精肉との関連で展開されている調味料やつゆ等が定番売り場として設定されているのである。

  その分定番から抜いてのレイアウト。

よってグロサリーの定番が更にコンパクトに設定されている。
そして逆に定番売場よりも生鮮とのセットでの買い上げ点数の拡大が見込めよう。

  それはお客様の買い忘れ防止にも繋がるから客単価アップにも繋がる。

従来の部門別縦割りという管理中心型のレイアウトから食事シーンに合わせたメニュー型のレイアウトへ進化させ、生鮮中心のレイアウトを更に進行させやすくレイアウトされていた。

  これもいわゆる実験であろう。

400坪を如何に模索するか。

  その成功事例が、今後の300坪〜200坪へと繋がるのである。





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コメント

dadamaさん、コメントありがとうございます。
ある意味、この企業の方向性を占う出店。そしてそこまでの道のりを間近に見えるという幸運。
しかし従来にはない取り組みに現場も本部も試行錯誤。その軋轢もハンパないとは思いますが、ブルドーザーの如くパワー全開で突破してもらいたいものですね。

投稿: てっちゃん | 2020年11月12日 (木) 13時30分

GMSの終焉、SMの異業種競合。益々お客様のパイが縮小する中で狭商圏でのスペシャリティストア化も時代の流れですね。あの方のチャレンジがとても楽しみです。

投稿: dadama | 2020年11月12日 (木) 13時20分

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