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2020年10月 3日 (土)

M&Aの内実

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


この業界の昨今。

  M&Aが盛んだ。

M&AとはMergers(合併)and Acquisitions(買収)の略であり、企業同士の合併やある企業が別の企業を買収すること。

  大手銀行は合併の歴史を繰り返してきた。

しかし流通業界においては、大が小を吸収するという歴史はあったものの、大が大と合併や更には吸収という歴史は最近のことであろうか。
特に長い歴史を持ち、一定以上の認知度のある企業同士が吸収する方と吸収される側になって店舗や従業員の交流していく場面が増加してきたであろうか。

吸収も合併もそうだが、勢いのある企業が停滞している企業を吸収する内情であるから、その勢いある企業が停滞している企業へ入り込み、その勢いの手法を停滞企業へ伝承してその停滞を解消しようとすることになるであろう。

  そこに内部混乱が発生する。

お互いに長い歴史を持つ企業同士であれば、その独立した企業風土や従業員のDNAや商売に対する価値観も大きく異なるもの。

  それは転職して初めてわかるものでもある。

同じ店舗規模や店舗レイアウトで同様の配列、そして同様の品揃えをしている企業同士であるが、転職してみて初めて今まで所属していた企業と新たな企業の仕事の進め方や価値観、大切にしている優先事項がこれほどまでに異なることを知るのである。

  それは自己責任で転職したのであるから受け入れざるを得ない。

しかし、企業同士が自己責任で合併や吸収となると、内部の従業員の混乱は果てしないものがあろう。

  お互いに今まで大切にしてきた理念や手法。

特に、お客様への満足とか奉仕という文面は同じ方向を向いているとしても、その階段の登り方という商売の手法は全く異なることが多い。
異なることが多いというよりも、その部分は企業によって大いに異なると思っていていいだろう。

それが吸収した側の手法が半ば強制的に吸収された側へ押し付けられる形で波及されていく。

  それも当然と言えば当然であろうか。

吸収した側の成功体験や成功事例は、その企業の勝ちパターンとして定着し、その手法がどんどん積み上げられて進化してきた歴史がある。

  その現時点での完成パターンが吸収された企業へ乗り込んでくるのである。

それもスピードを持って吸収された企業へ波及させることが当面の目標であるから、乗り込んできた従業員も必死であろう。

  しかし吸収された側の従業員はどうか?。

そこに大きな軋轢が生じ、混乱が生じ、それが痛みとなって退職者が増加する。

  特にベテラン従業員には苦痛であろう。

入社当時から長年培ってきたその企業内での勝ちパターンを行使できなくなってしまったわけであるから。
目標は同じなのに、昨日までは右の階段を登れと言われて、その階段を如何に上手く登るように努力し、その技術が身につき社内でも評価されてきたベテラン従業員が、今度は左の階段を登れと言われるわけである。

  よってベテラン従業員ほど戸惑いが生まれるもの。

逆に若手の社員は従来のベテラン従業員との格差が解消され、新たなスタートラインについて左の階段を登るチャンスが巡ってきたことになる。

  ここに、変化できる柔軟性が必要となる。

そしてその企業内での技術に習熟したベテラン従業員ほど、今更新たな技術の習得を要求されるなら、今自分が持つ技術を評価してくれる企業に活路を求めて転職するという方向に向かうことも理解できるのである。

しかし逆に言うと二つの技術を併せ持つ能力を身につけられるチャンスでもあると言うことだ。

そのような思考になるかどうか。

  さらなる進化を自らに課せるかどうか。

そう考えると、それを習得したならば、吸収した側の従業員よりも潜在能力の高い従業員となる可能性もあると言うことだ。

  そんな選択ができるかどうかであろうか。







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コメント

dadamaさん、コメントありがとうございます。
→誰かを標的
いえいえ私自身を振り返っての感慨でございます。
そして自称新米として転職した経験を基に記述させていただきました。
多少、先日リモートミーティングで会話したkさんの口述も交えてますが(笑)。
しかし想えば、ここ一年で自称新米の経験を持った方が続々と登場しているのは偶然なのでしょうか。

投稿: てっちゃん | 2020年10月 3日 (土) 23時45分

誰かを標的とした内容のようですね(笑)。
私は呑みこまれた立場でしたが呑み込んだ側の考え方は是と思うのです。無念なのは他社の力を借りなければ変えれなかった自社の情けなさでしょうか。更には人情を切り捨てる商売感。商売は人対人のリアルな世界ですから良くも悪くも「義理人情」は大切だと思うのです。新天地は創業者の想いが熱く働くメンバーも真面目で情熱と人情味に溢れているので自分の学びが少しでも役に立てるよう頑張ってみたいですね。てっちゃんのご縁で上司に恵まれたのも大きいですよ。ご縁を大切に期待を裏切らないよう線路は切り替わりましたが脱線する事無く終着駅まで走り切りたいと思います。

投稿: dadama | 2020年10月 3日 (土) 11時06分

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