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2020年7月20日 (月)

店舗レイアウト考察

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


今日は店舗のレイアウトを考察してみたい。

  食品スーパーの店舗レイアウト。

一般的な食品スーパーのレイアウトは、お客様が入店しやすい方の入口から「青果」〜「鮮魚」〜「精肉」〜「惣菜」の流れ。

  多少の違いはあるだろうが上記の流れが一般的だろうか。

特に日本の場合は未だに鮮魚部門に対する憧憬もあり、過去からの流れもあり、青果の次には鮮魚部門を配置している企業が多いようだ。

  入口にお店の顔とも言える「青果部門」を配置。

もはやこれはほとんどの企業で暗黙の了解の如くに配置されているレイアウトであろう。

  よって、青果部門が受け持つ役割は果てしなく高い。

そして青果部門と鮮魚部門の間に和日配を配置して日常性を高める配置が常道であろうか。

  そして客導線のぶつかりに鮮魚部門を配置。

この部門を鮮魚部門ではなく精肉部門に設定している企業もあるだろう。

  第二コーナーを鮮魚にするか精肉にするか。

鮮度感と季節感を重視するのであれば「鮮魚部門」で妥当であろうか。
メニューと数値を重視するのであれば「精肉部門」で妥当であろうか。

  企業としてどちらを優先するか。

最近は完全に生鮮の要となっている精肉部門を青果部門の次に配置する企業が増加しているようにも思える。

  更に第三コーナーは洋日配から惣菜へと流れる企業が多い。

そんなレイアウトに、更に企業毎に内側の食品、菓子、雑貨、そして酒コーナーが企業毎の思惑によってレイアウトされているのが最近の食品スーパーのレイアウトであろうか。

  第二コーナーの「鮮魚」と「精肉」の課題。

ここにもそのレイアウト上の思惑を考察することが重要であろうか。

  精肉の方が圧倒的に売上が高いから第二コーナーへ。

そのような単純な問題ではないであろう。

  企業として如何に集客力の高い店舗を目指すか。

そこに上記のような鮮魚と精肉のレイアウト上の違いとその政策の違いが表れていくのである。

  企業としてより鮮度感を重要視するのであれば鮮魚部門を配置。

季節感もあり、更には生の丸魚や生切身類の商品を陳列することにより、季節感と鮮度感を体験できるレイアウトは日本の食品スーパーでは長い歴史を持つ。

  島国日本。

よって常に鮮度の良い生魚が入荷し、その季節感と鮮度感をウリにしたい食品スーパーが日本の小売の歴史を作ってきた。

  しかし徐々に日本人の暮らしも欧米化し、肉食が増加してくる。

これはその食材の特性にもあろう。
やはり肉類は料理用途が広く、骨が少なく調理しやすいし、今では輸入肉も豊富に入荷して以前ほどの高値から安価にボリュームのある輸入牛によって食事のメニューに牛肉が登場する頻度もかなり高まってきたのであろう。

  更に家庭のキッチンのスタイルも変化してきた。

かっては台所は居間とは離れていて、煙が居間に入り込むことは少なかったが、現代は居間に対して対面型が多い。
必然的に、魚の煙は匂いや煤の元である。

  更に生ゴミの出る魚料理は若年世代では避けたいメニューであろう。

そんな社会環境の変化から圧倒的に魚より肉メニューの増加が必然的に精肉部門の需要の拡大に結びついていった。

  この流れを受けての店舗レイアウトも魚から肉へ。

一見、このレイアウトでは魚がより遠くに、より外側へ押し出される形に見えるが、逆に言うと鮮魚と惣菜の連動に結びつきやすいレイアウトとも言える。

  海産物の惣菜化。

この流れにマッチングしやすいレイアウトと言えようか。

  鮮魚部門のネタを使用した、寿司の展開。
  鮮魚部門のネタを使用した、焼魚の展開。

これらへの連動がレイアウト上でも流れやすくなったと言える。
従来は精肉部門がこのようなレイアウトにおいて、肉の惣菜化へ流れていったのであるが、青果〜精肉〜鮮魚のレイアウトであれば、魚の惣菜化が連動しやすくなり、より鮮魚部門が惣菜のメニューを通して認知されやすくなったと言えるのではないだろか。

  更には夕方以降の惣菜の賑わいを活用した鮮魚部門の鮮度感の強調。

鮮魚部門は如何に作り立ての商品をボリュームを持って展開できるか。
そのことによって、人材も集中的に投入出来、陳列ボリュームを付けることで鮮度感を強調でき、そこで商品購入頻度が高まれば売上と荒利の両面での確保ができるのである。

  日付管理の短い鮮魚部門は惣菜と連動することで強みを発揮できる環境になるのである。

そんな思惑を持って政策的に店舗レイアウトを設定することが必要であろうか。







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コメント

dadamaさん、コメントありがとうございます。
怒涛の3連投稿ご苦労様です(笑)。
今後はそのような職域でフリーな立場で最善のレイアウトを検証できる環境でしょうから、是非成功事例をスコア化して頂きたいものです。

投稿: てっちゃん | 2020年7月22日 (水) 10時16分

鮮魚から精肉にシフトするなかでグロッサリーの打ち出し方は?相変わらず乾物の利益に固執しているMDも垣間見え(笑)。幸いにも新店やゾーニーングに関われるようになれそうですので新たな環境でもう一度あるべき店舗の姿を追求してみたいと思います。

投稿: dadama | 2020年7月22日 (水) 09時44分

第01肉屋さん、コメントありがとうございます。
小売も小型化すればするほど頻度品に特化され、催事的な売場は削減されていくもの。
今回のコロナ禍により頻度品重視の食品スーパーにお客様の来店頻度が高まっているのですが、さて今後は?。

投稿: てっちゃん | 2020年7月22日 (水) 08時01分

レイアウトは大事です。
イ〇ンの時は、正面からグロッサリーの催事場、青果、生花、日配、水産、畜産、総菜、洋日配、グロッサリーの催事場、ベーカリー という流れでした。
水産から畜産から総菜の各平台横には必ずグロッサリーの突き出しエンドが突き出したり、カゴ出し半額ワゴンやら展開してました。

正面は必ず季節ものの催事場で(駅弁やら、水分補給やら、ブランド商品やら、災害商品やら火曜日の特売品、感謝デーの高単価品など)展開しメンテナンスに追われてました。

今のスーパーでは、フロアーの催事場→青果→日配→鮮魚→精肉→洋日配→総菜→ベーカリー→フロアーの催事場と
イ〇ンとほぼ同じですが、何分在庫抱え出来ない分展開規模が全然違います。
鮮度が高い商品が出る精肉は良いとして、人員がイ〇ンと比べて圧倒的に少なく、高齢者便りで商品化に大きく後れを取ったり、店長も鮮魚の売場に力を入れてはいるがそれでも売上はまだ全然悪く。人材の育成も育ってないのが現状に思えます。のほほんとした感じが抜けてないスーパーなので前店長のやり方を今の店長は完全否定型。高齢者70歳台があまりにもうちのスーパーは占めていてお店の1割が70台という悪循環を早急に改善するのが今の店長の裏目標らしいです。

投稿: 第01肉屋 | 2020年7月21日 (火) 07時55分

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