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2020年6月13日 (土)

合言葉は愛言葉

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


小売業という仕事。

  売場で待つというスタンス。

積極的にこちらから売場を飛び出して外に営業に出るということは無い。

  あくまでもお店に商品を用意して待つ。

我々の仕事は全てここから始まっているのである。

  待ちの営業スタイル。

全てはここが原点と言えよう。
要は、大きな風呂敷を広げておいて、来店されたお客様にその風呂敷の中にある商品を見てもらって、購入するかどうかを決定してもらうという職業である。

  風呂敷はいわば店舗というハード。

よってその風呂敷の大きさによって何を風呂敷に入れておくのかを決定されてしまう。

  食料品中心であれば食品小売業。
  医薬品中心であればドラッグストア。
  衣料品中心であればファッションストア。
  雑貨品中心であれば雑貨専門店。

更に大風呂敷を広げてGMSやショッピングセンターとなっていくのであるが、基本はあくまでも事前に風呂敷に商品を詰めておいて、来店されたお客様にその風呂敷の中の限られた商品を見てもらうというのが商売のスタイルである。

  要は、まずお客様に来て頂くところから競争が始まっているのである。

お客様に来て頂くということは、お客様がそのお店に行くという意思決定がその前提にあろう。

  「あのお店は〇〇だから買い物い行く」

その〇〇の部分は普段のそのお店の評価である。

  評価とはいつ行っても〇〇であるという安心感。

しかし逆の立場で言えば、いつも〇〇であるという状態を作っているのはお店の人間である。
それも、いつお客様が来店されるかわからない現実の中で、予測をたて、その予測に合わせて人員を揃え、商品を準備して製造陳列し、レジをの人材を揃えて「待つ」のである。

  結果としてお客様が来店して買い物をする。

常に予測通りにお客様が来るとは限らない。
また、予測通りの時間にくるとも限らない。

  要は、お客様に振り回される続けるのである。

現場、現実、現物とはこのようなことなのである。
そして、その3現主義とは、あくまでもこの3現というリアルな現実と向き合いながら、あるべき売場を追求していくことの日々の行動継続なのである。

  決してリモートなどではない。
  決して仮想の売場でもない。

昨今の働き方改革によって、定時で出社して定時で退社するという発想はそこにはどこにもない。

  常に来店されたお客様を中心に対応し続けるという継続。

それを忘れたり放棄したりしたら、この商売に明日は無い。
気合と根性、とはそれをチームで達成するための「合言葉」なのであろう(笑)。

  やるときはやる。
  遊ぶときは遊ぶ。
  笑うときは笑う。
  泣くときは泣く。

それを、チームで、お店で、仲間同士で励ましあいながら、上記の3現主義に向き合い競争を勝ち抜く為の合言葉なのである。

  合言葉は愛言葉。

そこには必ずチームメンバーへの愛が伴っていなければならない。
その愛を感じるから、どんな厳しい言葉にも愛と受け止めて頑張れるのであり、それが仲間意識であり自分を成長させてくれる大きな力でもある。

  気合と根性。

この業界で活躍する限りは、この言葉と向き合うことから始めなければならない。






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商売」カテゴリの記事

コメント

第01肉屋さん、コメントありがとうございます。
私は基本的に頭数は部門に当てがう方です。
よって上司からも生産性を問われますが、頭数を増やすと必然的に生産性は下がりますが、部門には頭数を増やした分荒利生産性を高めよという話をします。
要は頭数を増やした分、利益の取れる部門内の仕組み作りをせよと。
よって、作業を早く完了させることではなく、増えた人時数で荒利の取れる商品化や売場作りを実現する為に頭を使えという発想です。
そんな発想になれば、チーフ自らの組織マネジメント力が向上するのではないでしょうか。

投稿: てっちゃん | 2020年6月13日 (土) 23時30分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
自分なりの答案。
まだ誰も答案用紙を配布して無いと思いますが(笑)。
益々変化していく商売環境に泥んこになりながら食らいついていく姿勢こそが最良の答案の提出となるのではないかと思うのですが如何でしょうか。

投稿: てっちゃん | 2020年6月13日 (土) 23時24分

k,kさん、コメントありがとうございます。
そう考えると、鮮魚部門や精肉部門といった生鮮の製造部門のカテゴリーの振り分けも今後の小売の課題かと思っております。
切った張ったにもっと生鮮部門を集中させ、例えば塩干や魚卵、精肉だと加工肉は発注すれば入荷し陳列できるカテゴリーですから、ここは日配部門に移管して、生鮮は純粋に調理加工品のみを預かる部門として存続させれば、更に競争力のある店舗が可能となるのではないでしょうか。それこそk,kさんの思う壺のような気が(笑)。

投稿: てっちゃん | 2020年6月13日 (土) 23時20分

ただのバイトさん、コメントありがとうございます。
経営者が10年後を見据えて5カ年計画を立案することも重要でしょうし、我々現場の人間達は10年後の方向は見つつも、今現在の競争において如何に勝ち抜くか、結果を残すかを目の前のお客様の動向から模索しながらも従来の技術を磨き続けていくことも重要。
よって相変わらず現場では「気合」と「根性」という愛言葉から導き出されるその場全力で、持てる組織力と人材を有効に活用し今現在目の前に来店されているお客様に競争力のある売場を実現することが最優先で求められているものです。
そして、根源的に人間はリアルに求め合うことでこの地球上で覇権を握ってきた動物であり、リアルに連帯を組むという行為以外からは他の動物以上に進化できないものだと思っております。よって今回の新型コロナウイルスの最大の脅威はそんな人間のリアルな会合を根元から破壊する活動であること。その事にもっと真剣に取り組まねば人間の明るい未来は見込めないと思っております。
よって、如何にリアルという現実に人間社会を取り戻せるのか。そしてその一環としての小売業という場の提供を模索していきたいものですね。

投稿: てっちゃん | 2020年6月13日 (土) 23時15分

すみません、悩んでいます。
現在パート3人と派遣2人居ます。

前の店長の薦めで高齢の派遣さんを急きょ入れたのですが、作業速度の改善が見られませんが、よく聞き、人の良い方なので私的には癒しの意味で正直居てほしいですが、店長やバイヤーや他のパートさんからは、不要な人のレッテルを貼られてます、極力給与を減らさないよう、30分早く来てもらって掃除してもらって、30分早く帰らして相殺させたりしましたが、7月末でその派遣を店長から契約解除しても良いか言われたので同意しました。
自分の中ではモヤモヤ感がありますが、自分も通った道なので致し方ないかなと感じてます。
派遣さんの時間を8時間を4時間とかに変更出来て尚且つ派遣さんの給与を減らすことが出来るなら長期間でも使いたいと思うのですが、8時間(休憩別途1時間)は指示も作業もさせにくく時間を余らせるばかりでブラブラさせる状態なっている現状がどうも腑に落ちないので切る事を決めました。
仕事の内容を変更する場合はその都度契約を変更しないといけないという派遣会社のルールもあり、追加追加で急な仕事もさせれない。同じ作業しかさせれない縛りも原因になってます。

他に方法はなかったのでしょうか?

投稿: 第01肉屋 | 2020年6月13日 (土) 23時07分

仕組やシステムに振り回されるのでなく使いこなさねばなりませんね。いくらAIが発達すれど喜怒哀楽の感性は人間しか持てませんから。
残された企業人生、どのような視点を持って次世代に託していくのか?この業界でお世話になった私なりの答案をそろそろ出さねばならないですね。

投稿: dadama | 2020年6月13日 (土) 16時48分

最近は気合と根性から段取り八分仕事ニ分が合言葉になってきました。おっさんだからも認めますが如何に無理をせず仕事量を分散させるか。暇な日に、売り上げ少ない日に仕込みに時間使ってると店長から帰れと促される事実。サビ残もやりにくくなってます(笑)   力仕事(鮭や冷凍物)も週間でとってコツコツ潰し暑い日は刺身に集中する。同じ売り上げでも出すだけで簡単な日もあれば手間ばかり掛かって大した売り上げにならない日もある鮮魚。解ってくれる上司もいますが、色々な方が居ますからねー  計略も必要です。

投稿: k,k | 2020年6月13日 (土) 06時04分

今回はいつもより更に長くなります。(これから僕は自己投資のインプット期間に入るので、このコメントを境にしばらくコメントはしません。今思っていることを心置きなく書き殴っておきます。)

今は「店舗」というハード機がこれからも存続するかどうかの分かれ道で、ここからの数年~10年ぐらいで決まると言ってもいいでしょうね。
「鮮度がいい」とか「品揃えがいい」とか、ハード機があっての素晴らしいソフトであって、ハード機がかわってしまったらソフトの差込口が合わなくなります。どんなに面白くても、感動する内容でも、今更ファミコンのソフトは作らない。「店舗」が次世代型ハード機に取って代わられるかどうかの瀬戸際ですよ。

今回のコロナ騒動で僕は危機感しか覚えませんでしたね。
外食産業の休業や学校の休校による給食の停止で、納入先がなくなった生産者と直接消費者を結び付けようという取り組みが至る所で行われ始めていますが、「エッセンシャルワーカー」などと呼ばれる一方で、生産者と消費者の間に介在する事業者が存在する意義とは何なのか、と思います。

そして今回食品スーパーに押し寄せた人の多くは「食材を得る」ことが目的で、「店舗に行く」こと自体が目的になっている人はほとんどいなかったということ、あくまでもスーパーのお客様とは「顧客」であって「ファン」ではないということ、品揃えがあって鮮度のいい「スーパー」という「システム」にお金を払っているのが「顧客」であって、そこで働いている「人」(やときどき「理念」)にお金を払っている「ファン」は滅多にいないということ。当然その先に、その「人」が守らなくてはならない生活や家族がいることも想像していないということ。(数あるサービス業では「この人にお金を落とそう」と思った瞬間、「ファン」は生まれますが、その時、料金表などは意識しないものですね。)

「システム」である限り、この上位変換のハード機が現れれれば確実に取って代わられます。「食品スーパー」が個人商店を駆逐したように。今、馬車やSLの整備士は必要でしょうか?
しかもこの「システム」、確実に賞味期限が近付いている。そのままでは売れなくなるのなら、もう一度再利用できるようにしなくてはならない。
今は食材を手に入れる方法としての最適解が「食品スーパー」なのですが、その地位は脅かされ始めている。
特に小回りの利かない大手スーパー、総合スーパー、享受していたスケールメリットがこれからはことごとく裏目に出ていくと読んでいます。時代は重厚長大から軽薄短小へ。恐竜と人間が戦ったら確実に恐竜が勝ちますが恐竜は絶滅し、人間は生き残った。それは変化に対応で来たからです。

僕の働いているお店から歩いて5分のところに有名な米菓メーカーの工場があって、そこでは揚げたてのおかきとかあられを直売しています。しかしこれらの商品が自店の店頭に並ぶには、まず数10㎞離れたセンターに出荷、集積されて、そこから各店舗ごとの発注数ごとに仕分けされて配送されるので、1~2日はかかります。
この「システム」は、大量生産、大量消費、1億総中流と呼ばれた時代に最適な仕組み「でした」。そしてその仕組みをほぼ作り上げ、業界をリードしていた会社がダイエー。そのダイエーが1990年代中頃、衰退期に入って言われ始めた言葉がこれ。

「ダイエーに行けば何でもある、でも欲しいものはない」

この時に突き付けられた本質的な課題は今も解決されているようには思えない。なぜなら店舗は「有限」だから。

来店客数1000人あたりの買い上げ点数、いわゆる「PI値」という指標があって、1000人来て1つ売れるかどうかの商品と言うのは死に筋商品として当然カットされるわけです。その1つを買い求めるお客様にとっては、その1つが例え唯一無二なものだったりしても容赦なくカットされる。ほうれん草がなかったから仕方なく小松菜を買ったとか、鮭のおにぎりがなかったからおかかのおにぎりを買ったとか、この辺りなら問題視されますが、買い手にとってはこれらと本質的には変わらない問題が実はしょっちゅう起きているということです。潜在的な不満はあっても、食材を買う手段としては今はスーパーというハード機が絶対的な存在だからということで大きく表面化はしていないだけです。

テクノロジーの進歩によっていずれこれらの課題は確実に解決されていきます。
オンラインの世界では、顧客全員に同じサービスやコンテンツを提供するのではなく、一人一人の属性や購買行動履歴に基づいて最適な情報を提供する「パーソナライズ」が当たり前になっています。
1日に入ってくる情報量(選択肢)が多すぎて自分に最適化してくれる仕組み、意思決定を省略する価値が高まっているということ。Googleの検索結果やYouTubeの関連動画なども、人によって違います。インターネットサービスは個人に合わせるのが当たり前なのです。ちなみに個々人に合わせるためには使い続けてもらうことが重要なので、世界のあらゆるサービスが月額課金(「サブスクリプション」)化しています。

今現在のネットスーパーの仕組みはただの買い物代行に過ぎないのですが、この「パーソナライズ」の考え方が反映されたらパソコンやスマホの画面が個々人の志向性、持病などの健康面、あるいは予算などを考慮し、昨日は脂質の高いものを食べたから今日はこんな献立はどうか、そのためにこの商品を買うようにと、最適な解答を教えてくれる時代が到来します。そのままECサイトでポチって、工場や産地から直接配達できる仕組みが整えば店舗は必要なくなります。
有限なものが無限なネットの世界と戦っても勝てるわけがありません。

ちなみに先日GAFA+Mと呼ばれるアメリカのITプラットフォーム企業5社(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)を合わせた時価総額が560兆円に到達し、東証一部上場2170社の総額550兆円を越えたと話題になりましたね。2016年末、この5社の時価総額は東証一部上場企業総額の半分ほどでした。どれだけのスピードでテクノロジーが進化し続けているかがわかります。今はGoogleの検索結果の上位に出て来るかどうかで商品の売上は変わる時代です。(その検索アルゴリズムはGoogleの役員ですらわからないブラックボックス)

では無限なものに勝てるのは何か? それは同じく無限の可能性を持った人間だけです。

ヤオコーの川野会長はかつてのインタビューでオンラインのネットスーパーが台頭しても人は集うことを求めるのでリアルな店舗はなくならない、という主旨の話をされていたと思います。
このブログで店長さんの奥様がかつて「主婦は無駄だとわかっていても、ついつい買っちゃう」とおっしゃっていた話をされていましたね。
外食業界では完成された料理を出すレストラン型が因数分解され、バーベキュー型への移行を模索する動きがあるようです。
プロ野球は人による目視の判定からより正確な判断ができるビデオ判定を取り入れましたが、それでも人が判定をしています。
ヒントとしてはここら辺でしょうか。

投稿: ただのバイト | 2020年6月13日 (土) 03時05分

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