店舗と客層
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
店舗に来店されるお客様。
それは長い年月を掛けてある程度決まってくるものである。
そしてそれは商圏という立地にも左右されるであろうし、その店舗特性にも左右されるであろうし、その店舗の営業スタイルによっても左右されるであろう。
何れにしても店舗と客層は長い年月において構築されていくものだ。
如何にもスーパーマーケットというオーソドックスなレイアウトで、有人レジにて最終の接客をするスタイルのお店には、年配のお客様が多く来店され馴染みのレジ担当者と会話を楽しみながら従来通りの現金での会計にて買い物を完了される方が多い。
惣菜やベーカリー、そして冷凍素材の売場が充実しているスーパーには若年層のお客様に支持され、特に夕方からの集中が見られるのが特徴的であり、夜の売場の充実度やセルフレジでクレジットカードで自ら会計するスタイルに違和感を覚えない方が多い。
この二つを併せ持つスーパーは意外に少ない。
買い慣れたいつものスーパーという意識を持つ世代と、夜遅くまで開いていて簡単便利な食材が豊富にあってセルフレジで会計することに違和感を覚えない世代とでは、相容れない雰囲気というものがあるようだ。
よって、業態転換して従来からのベーシックなスーパーから急にディスカウントタイプのスーパーに改装しても、なかなか思うような業績に達しない店舗も多いようだ。
若年層は取り込めても高齢者が去っていく実態。
この業界では昔からの格言がある。
「一度つかんだお客様は二度と離すな」
これは、一度その地域に出店したお店は、多少なりともお客様が付いている。
しかし、店舗も損益分岐点があり、その売上を割り込むと赤字となり経営が難しくなっていく。
よって改装等により一度つかんだお客様を離さない努力をしていく。
出店によってお客様を獲得することは出来る。
しかし、そのお客様を永遠に掴み続けることが難しい。
経営悪化によって閉店することは簡単だ。
しかし、一度つかんだお客様は貴重な存在。
そのお客様を獲得し続ける努力が、結果的に競合対策となりそこから少しずつ顧客の輪が広がっていくことが経営努力であり、改装を繰り返しながら一度獲得した顧客を絶対に逃さない粘り強さが商売なのだと思う。
それは創業以来の経営理念を理解した従業員によって受け継がれるもの。
しかし昨今の経営統合によって企業は拡大したが、改装によって一気に店内レイアウトや店舗名を変えてしまうと、一気に従来からのお客様が逃げていくという構図にもなっている。
一度獲得したお客様は二度と離さない。
これは商売の鉄則であり、その為に定期的に改装をして常に最新のノウハウを注入していくが、基本的には従来のお客様を囲い続ける手法であり、競合激化によっても従来の顧客を逃さない努力なのである。
そのお店にはそのお店の顧客が付いている。
改装によってその優良顧客を逃さずに更にその輪を広げていくことが、改装の最大のポイントなのである。
そして、その延長線上に商圏の拡大が広がっていくのである。
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コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
意外と平気で現在取り込んでいるお客様を平気で取り逃してしまう。そして競合店にどんどんお客様を奪われていくもの。
もっと自店のお客様を大切に活かすという発想が必要でしょうか。
投稿: てっちゃん | 2020年4月20日 (月) 21時37分
その通りですね。今は非常時ですので基本みが見えにくくなっていますが何れは日常が戻って来る。その過程で今の非日常が日常と化す事も出てくると思います。更には基本の徹底の大切さ。欠品・清潔・安心安全。チラシも濃厚感染のリスクから削減や中止になる店舗も多い中お客様の期待を裏切らないお店作りを真摯に継続する事が今後に影響してくるでしょうね。
投稿: dadama | 2020年4月20日 (月) 18時07分