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2020年4月 7日 (火)

考えない仕組み

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


自ら考え自ら行動する。

  なぜ今、そんな当たり前の事が叫ばれているのか。

思えば、商売とは自ら考えて自ら行動して結果を残せるから楽しいのであり、そこに商売人は腕を奮ってきた。

  その流れを大きく変えたのがチェーン化である。

一つの成功店舗を多店舗化して、事業として経営を安定させていくという手法。


  店舗規模を拡大するのではなく店舗数を増やすという手法。

それによって企業としてのドミナンス化を図り、より効率的に事業を拡大させていく。

  そしてそこには多店舗化へのノウハウが注入されていく。


このノウハウの大きな柱は「考えない仕組み作り」である。

それによって、経験がなくても商売に精通していなくても、そして若年層でも多少の経験で店舗運営ができる仕組み作りを競いあう事になる。

  よってそれ以降は考える志向が多店舗化の方向に移行していく事になる。


経営層達は彼らが精通していた「如何に売り込むか?」という問いよりも、如何に考えずに店舗運営できるかに自らの頭を回転させることになる。

そして、多店舗化以降に入社してきた若年層は、如何に売り込むか?という問いではなく、如何にマニュアルに精通するかを求められ、マニュアルに精通した人材が優先的に多店舗化の要職に就くことになる。


  そしてそれ以降はますます多店舗化に向けて思考回路を働かせることになる。


結果として何が残ったか?。

  多店舗舗化へのノウハウは積み上げられた。

しかしいつしか周囲を見渡してみれば、同様に多店舗化を図ってきた競合店とのせめぎ合いだけが残ったのである。


  そうなるとどうなるのか。

資本力があり、個店での価格競争力のある企業に中小店舗は凌駕されていくことになる。

  結果的に勝てる人材が今再び必要とされる時代なのである。

が、そんな人材は自社内に見つからない。

  よって現場にそれを指導できる人材も見当たらないということになる。

それが企業を取り巻く現実ではないだろうか。

  ここにもしAIが導入されたらどうなるのだろうか?。

経営的には非常に有効な人工知能であることは間違いない。

  しかし反面、個店の競争力はどうなるのだろうか。

個店の競争力とは、地域の顧客と競合店に対して一店舗一店舗が個別に対策を講じて勝ち抜いていく力のことである。
そこにはどうしても一店舗一店舗に精通する人間の臨機応変な仮説立案能力と、そこから導き出される店舗としての運営力が要求される。

  その地道な行動が継続されてようやく半年後から結果が伴ってくるものだ。

考えない仕組み作りによって企業はある程度の規模までは成長できた。

  結果、店舗が飽和状態となった今。

考えない仕組みを見直す時代なのかもしれない。
もしくは、更に考えない仕組みを進化させて、AIが個店の競争力を高めてくれる時代が到来するのだろうか。







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マネジメント」カテゴリの記事

コメント

k,kさん、コメントありがとうございます。
本部MDを最大限に活用しながら、自らの個店対応力を持って、最大の共振点を高めている事例ですね(笑)。
その事例を組織がいかに吸い上げて仕組み化するという思考力を発揮しなければならないと思うのですが、現代はどちらかというとチェーン化志向が強すぎて、現場力が消化されてしまう風潮がありますね。

投稿: てっちゃん | 2020年4月 8日 (水) 09時10分

かおるさん、コメントありがとうございます。
あくまでも考えない仕組みを全てと捉えるのではなく、その仕組みを活用するというスタンスが、農産出身者には身に付けられる土壌があったということですね。
そう考えると、その事例から如何に組織を考え成長していく仕組みに昇華できるかなのだろうと思います。
私はそこに副店長研修の本質があるように思っています。

投稿: てっちゃん | 2020年4月 8日 (水) 08時32分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
→「作と演」の最大の共振点
まさにそこに到達するのかもしれませんね。
企業としての本部機能を十分に活かしながら個店の強みを発揮して共振点を最大化させていくのが店長。
考えない仕組みを土台としながら最大の共振点を高めて行けるかどうかが店長の腕でしょうか。
単純な足し算ではなく掛け算として共振点を高めていくことが店長の腕の見せ所かと思うのです。

投稿: てっちゃん | 2020年4月 8日 (水) 08時17分

AIに負けないように頑張ってる職人です(笑)マニュアルは細かくありますが技術認定試験時しか使いません。普段は使いませんが試験時はダントツトップのスピードで合格できました。常に考えながら本部の指示事項も確認しながら何が大事かを頭の中で噛み砕いて自分なりの結論出してます。本部からの案内が全てではないと思うからです。もう、突っ張って突き進みますよ(笑)

投稿: k,k | 2020年4月 7日 (火) 20時17分

かおるです。
弊社の経営中枢を担う人材もここ数年でずいぶん若返りが進み気がついてみれば三役含む役員はトップを除けばみな私より年下になりました。
今春も新たに2名の執行役員が選任されましたが、この2名を含む数年来の人事で特徴的なのは農産部門出身が多いということです。
単なる巡り会わせ、偶然かもしれませんが、自分の経験から推測するに、弊社の農産は本部コントロール比率が低く、自己裁量による仕事の組み立ての部分が大きかった、ということがあるのではないかと思います。
いわば会社の進める「考えない仕組み」作りに背を向けて、若い頃から自らの仮設による実施検証修正のサイクルを回してきて自分なりの商売スタイルを確立し、力をつけてきた者が時を得て経営中枢に上がってきたように見えます。
そんな彼らが今後どんな仕組みを作り、新たな環境の中でどんな人材を育て組織を牽引していくのか楽しみです。

投稿: かおる | 2020年4月 7日 (火) 19時50分

企業規模や求心力は異なれど「作と演」の最大の共振点や共鳴点を求め続ける事がこの業界であり、そこにはお客様という観客が居なければ舞台は成り立たない。店長はオーケストラの指揮者の如く・・・やはりここにたどり着きますね。

投稿: dadama | 2020年4月 7日 (火) 18時30分

ただのバイトさん、コメントありがとうございます。
レジ待ちの問題。
不思議なのは、有人レジでのレジ待ちをしているとき(自分がお客様の立場の時)はなぜか、レジ打ちの方のスピードや前に並ぶ方のカゴの物量をチェックして自分がれじを打ってもらう時間を図ったりするものですが、無人レジでレジ待ちしている時は不思議にそのようなイライラ感は無く、一人一人のお客様が自分で商品をスキャンするスピードをそれぞれにチェックすることも無いのは何故なのでしょうか。
そう考えると、人間に対する有機的な感情はどうしてもセルフレジという機械には感じないということ。
感情とは有人レジでのレジ待ちという負の感情もあれば、有人レジでちょっとした会話の中に刹那のひとときを見出す正の感情もある。
私は現場でレジの従業員にはレジ待ちの無い時間にはお客様と無駄話を推奨し、レジ待ち時間にはスキャニングスピードを高めたり他部門からの応援にてとにかく頭数を増やすことを念頭に置いてます。更にはレジに対するクレームはダイレクトに本人に伝える場合もあれば私の胸にしまっておく場合もある。それだけクレーム者のエゴも高くなってきているということでしょうか。

投稿: てっちゃん | 2020年4月 7日 (火) 06時36分

今までは売り場という空間の話ばかりしているので、今日は時間の話をします、笑

ギリシャ神話に出て来る時の神「クロノス」と「アイオーン」。
前者は「アナクロ」とか「クロック」の語源であり、後者はラテン語の永遠という意味である「イオン(AEON)」(つまり某大手スーパーの社名です、笑)の語源です。
そこから哲学用語として「クロノス」というのは瞬時的な時間を指し、「アイオーン」は永続的な時間を意味します。
アナログ時計の針が1秒1秒を刻んでいくようなイメージで、時間は常にその瞬間瞬間で過ぎ去って行くもの。この考え方は特に日本では強く、古典文学の徒然草では心の中に「浮かんでは消えていく」とりとめのないことを書き記していたり、もっとわかりやすく時間の流れを表現したものとして、「平家物語」の一節には「諸行無常の響きあり」という文言があります。
日本の時間とは「無常」なのです。日本人は散る桜や源義経とか白虎隊とか、「滅びの美学」というものを好みますよね。永遠とは望んでも届かないものだという考え方が根底にあります。

しかし現実というのは「永遠」に果てしなく続いていくものではないかとも言えるんですね。
ちなみにこのAEONという言葉には「永遠」という言葉から派生して「無限」という意味合いもあります。
そもそも時間って一瞬一瞬過ぎ去っていくものではありますが、同じ1分1秒が伸び縮みして、あっという間に過ぎ去っていく1時間もあれば、長い長ーい1分もあります。

例えばレジの待ち時間。「お待たせしないレジ」というフレーズからはお客様にとっては退屈で一秒でも無くさなければならない苦痛な時間と言う含みがあります。確かに冷凍食品やアイスは溶けてしまいます。しかしそういう方向性を突き詰めるのであれば、それこそAIやロボットがやればいいんですよ。
人間同士がやればミスも起きるし、トラブルも起こる。経営者からすれば人件費が一番コストが大きく、それでいて人を雇うのは様々な制約があります。その上、黙って機械的に単一作業をしていればいいものを、従業員同士の揉め事を持ち込んだり相当面倒くさいものです(笑)。機械に置き換えられれば万々歳でしょうね。

それに対するアンチテーゼを出すならば、「待ってでも並びたくなるようなレジ」を目指すしかないのです。つまりレジ待ちに費やす時間が楽しかったり、ワクワクしたり、買い物の目的自体になるような、そんなレジです。早く過ぎ去っていけではなくて、いつまでも続いて欲しい待ち時間を提供するということ。

レジの待ち時間を例にしましたが、これから人がやっていた仕事がどんどんAIやロボットに置き換わっていく中で、目指すべき方向性と言うのはこのような二極化へと向かうはずですよ。
置き換えられないものとしての具体例で出て来るのは「職人的な仕事」とか「アーティスト(芸術家)的な仕事」です。
さてさて、食品スーパーはどうでしょうか。

投稿: ただのバイト | 2020年4月 7日 (火) 02時30分

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