« 誰の言葉か | トップページ | 苦味 »

2020年3月14日 (土)

理念のリーダー

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


マスク問題。

  全く入荷が無い状態が続いている。

そして世間では、政治家がマスクをネットで高額な価格で販売したり親しい政治家に優先的に販売したりして叩かれる様子がメディアを通して伝わってきたりもする。

こんな時だから、尚更マスコミや世間の目が厳しくなっているのは間違いない。

  しかしこんな時だからこそしっかりとした理念が重要なのではないか。

平常時は競合店に囲まれ、如何にしてお客様を囲い込むかを考え、競合店との戦いを積極的に仕掛けていくが、こと有事においては相手を出し抜いてというよりも、まずは世の為に自店が如何に貢献できるかを最優先に考えて行動していくことが重要なのだと思う。

よって、入荷したマスクやトイレットペーパーを在庫として小出しにしていくのではなく、入荷次第売場に全品品出しして来店されたお客様に包み隠さず提供することが最優先と考え行動しなければならない。

  それはメディアも同様に社会的使命を果たさなければならないのではないか。

決して視聴者を煽るような報道は慎むべきであろう。
それが結果として煽る報道になったとしても、それは許されることではない。

  小売りの売場だけを報道して国民を煽る報道。

目先の視聴率は獲得できるかもしれないが、それによって不必要な買い占めにつながるような報道が堂々とされるようでは本末転倒ではないか。

  それは今後の報道にも言えることでもある。

そして小売業としてもより多くの国民の方にマスクやトイレットペーパー、更には予想される商材をバック在庫にせずに売場に十分に補充していかなければならない。

  そういう意味では「イオン」がトイレットペーパーを大陳したのは大いに評価したい。

そうやって小売側が正しい情報と行動を起こしていく事が大切なのではないだろうか。

  そしてそれを率先するのが理念のリーダー。

地位でもなく販売技術でもなく、小売の使命を背負って商売をしようとする理念。
そして、その理念があるからこそ、そこに追随しようとする人々が集まってくるのではないだろうか。

  そしてそれが商売の醍醐味であり喜びにつながるのではないだろうか。

そう考えると、今は競争の時ではなく理念で商売をする時なのではないか。

  特売で価格を出すが数量限定で販売。

要は、早い者勝ち、という従来の商売の仕方もあろう。
しかし、今この時は数量限定販売ではなく、しっかりと最後まで品揃えをして、いつ行っても品揃えされている安心感や安定感を提供すべき時なのだろうと思う。

  理念の経営。

それを実践するのが「今」なのだろう。

  そしてそれに共感する人間たちが追随していく世界。

それが商売の本質であり、使命であり、そこに商売の喜びを感じる人間たちが集まっていく世界。

  そんな世界を皆で構築していきたいものである。








|

« 誰の言葉か | トップページ | 苦味 »

リーダーシップ」カテゴリの記事

コメント

ただのバイトさん、コメントありがとうございます。
ヒト、モノ、カネ。
そして理念。
理念とは上記3つの要素全てに絡む不変の思想であり、その不変の思想が社会的に認知されてモノをカネで購入するお客様の豊かな生活に貢献するのかと思うのです。
よって、理念という確固たるレールがヒト、モノ、カネという流れをしっかりとバトンタッチできる仕組みを支える要かなと思うのです。

投稿: てっちゃん | 2020年3月17日 (火) 06時31分

よく小売業は「ヒト、モノ、カネ」の3つを動かすダイナミックな仕事だと言われますけれども、この3つには順序があります。
僕が先輩方から習ってきたいろんな商売の方程式の中の1つがこれです。

「人が動いて、物が動いて、お金が動く。」

いつもは売上とか粗利とか、お金が動くところばかりフォーカスされているのですが、お金が動くには物が動かなければいけないし、物が動くためには人が動かなければなりません。
では人が動くには?
心が動かなければいけないのです。

(⓪心が動く→)①人が動く→②物が動く→③→お金が動く(→⓪また心が動く)→以下ループ

結果として人、物、お金が動いて、その結果にまた心が動かされ、と好循環に。

理念と言うのはこの⓪番に当たる目に見えない部分なのですが、このループの中の大切な一角をなしているんですね。

投稿: ただのバイト | 2020年3月17日 (火) 03時05分

k,kさん、コメントありがとうございます。
現在においてはその判断はあくまでも個人的な理念において行動すべき時であるのかと思います。そしてもう少し時が流れてこの騒動における見通しが立ち、従来のような社会的な交流の安全性が立証された段階の後には、その理念において組織的な支援活動が活発化していくのではないでしょうか。よって現段階では人間が見えない敵であるコロナウィルスという厄介な魔物と戦っている段階ですから、リスクを圧して安易な行動に走る時ではないのかと思うのです。

投稿: てっちゃん | 2020年3月15日 (日) 00時45分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
その理念に賛同する者、賛同しない者。
結局は賛同する数で企業力が決まっていくのだろうと思うのです。そしてそれは現在のような環境において一番見えてくるのではないでしょうか。そして御社はその事に気づきつつあるように思うのです。

投稿: てっちゃん | 2020年3月15日 (日) 00時31分

311の時は家はそっちのけで皆店頭販売して地域住民から喜ばれました。人によってはふざけるなと拒否して家を優先した方もおりました。今回、小売は頑張り所ですが、個人経営の飲食店は大打撃。このままいけば大手チェーン以外は倒産しかねないとSNSで飲食店勤務の友人が訴えておりました。あちらにも理念があるはず。助けるには程遠いでしょうか食べに行って街の灯りを消さないのも考えないといけませんね。どう思われますか?

投稿: k,k | 2020年3月14日 (土) 18時37分

今日のコメントはてっちゃんにしか解らないでしょうが、お客様のニーズや期待に対して愚直にお応えするのが商売の原点であり私達の喜びや達成感が伴うのが理想であると思うのです。
ただ、従業員にリスクを負わせてまでお客様ニーズにお応えし結果企業利益も拡大する施策をトップダウンで下すのは如何なものなのでしょうか。ESを犠牲にしてCS最優先にする。美徳とも取れますが私には受け入れ難いですね。

投稿: dadama | 2020年3月14日 (土) 17時12分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 誰の言葉か | トップページ | 苦味 »