どの階段を登るのか
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
仕事での業績改善。
我々に課せられる当たり前の日常。
その為に我々は日々売場を作り、お客様が来店し商品を購入し、売上から利益を出す。
その結果としての部門利益の積み重ねからの店舗利益、企業利益、そしてそこから捻出される我々の給与。
よって、最終的には我々は自分が担当する部門や店舗の利益を創出することが最終的な目的となる。
その為に、店舗内の設定された部門スペースを有効活用して売場を作り販売する。
その為に部門に人材が投入され教育され共に売場作りに携わる。
そしてその人材が発注をし納品された素材を商品化して陳列する。
更に清潔な売場を維持し接客を磨いて買い物環境を整えていく。
それら店舗運営に関わる全てのあるべき姿を理想として、我々は日々このあるべき姿を追い求めて日々の業務に携わる。
あるべき姿は企業毎にマニュアルとして見える化されるものもある。
企業トップや本部スタッフが店舗巡回時に現場でアドバイスもする。
店舗内では店長が日々あるべき売場作りの為に各部をチェックする。
そして最終的な利益創出の為に、各部各人が自分が考えるあらゆる手法を講じて日々の売場を積み重ねていくのである。
しかしそれと同時に商売の環境も日々変化していくのである。
青果物の相場も変われば、日々の天候や気温も変化していく。
競合店の出店もあれば閉店もあり、競合環境も変化していく。
コロナショックのような激震もあれば企業のM&Aも生まれる。
それらの環境の変化に合わせて販売手法を変えていく。
このように、最終目的を利益の創出ではあるが、その過程には色々な手段が存在するのである。
要は利益という目的の為にどの階段を登るのかという問いである。
そして現場からよく聞かれる言葉。
「いろいろな人がいろいろな事を言う。」
それは店舗チェックする人間が自分の登ってきた階段での成功事例からのアドバイスをしている訳であるから、どの言葉も成功へのステップとしては正しいものではある。
しかしそのアドバイスは、そのチェックした瞬間だけの店舗での問題点であり、日々継続して店舗を見ている店長からすると納得のいかない部分が多分にあろう。
そして現場で実行する最終決定者はやはり店舗のスタッフである。
特に店長は最終決定者であり指示者でもあるわけだから、どの階段を登って目標にたどり着くのかを判断するべき人間であろうか。
但し店舗運営のベースはあくまでも基本とマニュアルが原則となる。
そこを外してはどんな施策も継続できないし、変化への対応も出来ない。
そして、世の中の変化や商売環境の変化にどう対応し、どの階段を一歩踏み出すのかを現場が判断しその一歩を歩むのである。
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コメント
ただのバイトさん、コメントありがとうございます。
「失意のうちにお店を去っていたった憧れの主任」
その集大成をただのバイトさんがコツコツと実践しておられるのでしょうね。
未来を予測して実践する。
時にその未来予想図は、少しばかり早すぎる時もあるもの。そのタイムラグがその時点での成功失敗を決定づけてしまうのだと思います。
しかしこれもタイムスケジュール的に考えると、それから少し(なのか長いなのか)の時間の後にその未来予想図の時代が到来することはよくある話かなと思います。
ミールソリュージョンという言葉も30年前に実践した企業がありましたが途中で頓挫しながらも、その早過ぎた経験が今に活かされているという現実。逆にいうとそのような未来予想図という具体性が、その後を継ぐ人たちに与えた行動指針なのかもしれませんね。
投稿: てっちゃん | 2020年3月26日 (木) 06時07分
「いろいろな人がいろいろな事を言う。」
それをまとめ上げることを「集大成」というのです。
誰もが知るクラシック音楽の巨星、ベートーヴェンは、その功績について「古典派音楽を集大成し、のちのロマン派音楽への道筋を開いた」という説明がよくなされます。
バッハだとか、ハイドンだとか、モーツァルトだとか、諸先輩方のカラーの違う「型」を全て身に付け、自分なりの「型」を作り、後世のシューベルトだとか、ブラームスだとかに影響を与える、新しい音楽への道を切り開いたということです。
どんな分野であれ「大物」と呼ばれる人物は、山の中腹にある湖に似ていて、それまでのいくつもの流れが一旦そこに集まり、そこからまたいくつも分かれて流れて行くという特徴があるものです。
さて、そんなベートーヴェン先生が生前最後となる9番目に書き上げた交響曲は、演奏会を重ねるごとに失敗も重ねていました。
特に合唱パートが入る第4楽章は異質で長大すぎるために当時の技術では演奏不能とされ、だんだんと演奏機会にも恵まれなくなり、まともに評価されないまま、彼の死後は忘れ去られた曲になっていくのでした。
そんなこの曲をいつか全楽章、復活演奏することを夢見ていた一人の青年がいました。その名をリヒャルト・ワーグナーと言います。ベートーヴェン先生を少年時代から信奉していた彼が、音楽史の表舞台に颯爽とその名を刻むことになるのは、まだ先のことでした。
やがて名声を得たワーグナーは周囲の猛反対を押し切り、自らが指揮を執り、第九を演奏するのです。崇拝する憧れのベートーヴェン先生が成し遂げられなかった、この曲を傑作として蘇らせるというワーグナーの使命感は並々ならぬものでした。その情熱のおかげか、この演奏は大成功を収め、後の世に続く名声を呼び込むのです。
「大物」自身が叶えられなかった夢、志、意志を継ぐ者が現れる、それもまた「大物」の特徴なのです。
(実は僕にも「売れると思っている」と意気込んで改装したのに、思うような結果が出せず失意のうちにお店を去って行った憧れの主任がいたりします、笑)
投稿: ただのバイト | 2020年3月26日 (木) 04時47分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
それぞれの立場でのそれぞれの階段の登り方。
そして引き出し。
そう考えると、いろいろな階段を登ってみて自ら経験したその場の状況を習得して自らの引き出しを増やしていく。
そしてそれは現場という最前線でしか習得できない場。
是非現場復活の日をお待ちしております(笑)。
投稿: てっちゃん | 2020年3月24日 (火) 09時51分
k,kさん、コメントありがとうございます。
同じ目標(売上)を達成するのに色々な階段が存在する。
そして色々な階段を経験してこそ、自分の引き出しになっていく。
その引き出しは、その場その時の状況に合わせてどの引き出しを引っ張り出すのかの判断ができるようになり、いつしか瞬間的に最善の引き出しが見えてくるもの。
それはマニュアルでは絶対に表現できない暗黙知の世界になりますね。
k,kさんにはよくわかると思いますが(笑)。
投稿: てっちゃん | 2020年3月24日 (火) 09時39分
企業指針やコンセプトを逸脱してはならないはとは思いますが、店長として店を託されたからには最大利益を追求するのが役目でしょうね。私が拘りたいのは来店されたお客様に一品でも多く買って頂く事でしょうか。目的買いの商品は鮮度や品揃え、欠品防止。客動線を如何に伸ばし商品を見て頂くのか、更には魅力的な陳列で手に取って頂くか。これらを数値化して、具体的な数値計画に沿って効果測定をしながら売場全体の鮮度を上げてみたい。何れにしても現場に戻らねば取らぬ狸の皮算用ですね(笑)。
投稿: dadama | 2020年3月23日 (月) 21時18分
ベテランになり数字も安定して挙げていくと誰にも指摘をされなくなります、自分ではその店に応じた仕掛けを工夫してます。最近はトレーナーも来なくなってます、モチベーション保つには部下育成しかありません、私は技術しか教えられません。でも感覚は自分で買い物して覚えるものでもあるので興味もって仕事してもらいたいと思ってます。登ってきた階段が他の従業員と違うので、教えるにも、うざがられる事が多い。熱心に教えながら、そこに楽しみも見つけて行きたいですね
投稿: k,k | 2020年3月23日 (月) 08時37分