即効性か継続性か
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
業績対策。
企業によってその捉え方にも違いがあるだろう。
一般的には、業績対策というフレーズを使用するということは、個店に限って言えば何らかの外部与件において売上が不振に落ち込み、何らかの対策を講じることであろうか。
よって出来るだけ即効性のある対策を講じることが多い。
例えば、新規競合店の売価を合わせるとか、その店舗だけの単独チラシを打ち一時の集客と売上を獲得するとか。
しかし即効性を求めて数値が即改善?できる腕力勝負の対策(麻薬)を打つわけであるから、それなりの効果が早々に表れることになる。
そこが麻薬の恐ろしいところであろうか(笑)。
ここで言う麻薬とはもちろん即効性の高い価格訴求のチラシとかポイントアップのサービスとか全品◯%引きの割引セールとかの販促のこと。
このような販促は即効性があるが故に上記のような競合出店とか業績対策としてしばしば用いられる具体策である。
当然販促投入当日の効果は抜群である。
よって、業績対策と称してこのような販促を用い、確実に短期間での業績を作るのである。
それはそれで一つの競合対策であり、業績対策ではあろう。
しかしここからが麻薬の恐ろしいところであろうか。
その業績が自店の実力であると言う錯覚に陥ってしまうのである。
その業績がどこからもたらされた業績なのか。
それを自店の総合的な競争力であると錯覚したまま、その後の対策を継続することなく、また従来のより強力な販促にのめり込んでいくのである。
いずれその販促効果も薄れていく。
結局は定番の売場もボロボロ、鮮度もボロボロ、ドリップだらけの商品が平然と売り場に並ぶ店舗となっていくのである。
即効性のある対策と継続性のある対策。
上記のような即効性のある対策とは、同時に集客力の高まった時に来店されてお客様へ、自店の良さを知ってもらうことが本来の意味なのである。
よって、基本的には業績対策の裏側には、明確な業績不振の要因の追求と、その要因がどこからもたらされたのか。そしてその要因を断ち切ってまたは改善して、従来通りのお客様がリピーターとして繰り返して来店して頂く為には自店のどこをどう具体的に改善構築していくのかを明確にすること。
そしてそれを確実に実行していく仕組みを整備すること。
それは決して即効性はないであろう。
しかし、急がば回れとはよく言ったものだ。
店舗が業績を回復していく過程にはいろいろなステージ(段階)が存在する。
まずは、即効性のない店舗の実力を高める施策をスタートする。
次には、その施策にお客様が徐々に気付き初めていくステージ。
更には、その施策に気付いたお客様が口コミで広めるステージ。
最後は、ようやくその口コミから実客数が増加し実効果が認定。
よって、店舗の施策がお客様に伝わって口コミで広まっていく期間には、数値効果はなかなか現れてこないものである。
たいていはこの時期に施策を諦めてしまうのである。
結局は業績対策は数値効果を得ることなく中途半端で崩れていくのである。
しかし、そのカラクリをしっかり理解して実行していくならば、即効性のある対策と継続性のある対策を組み合わせることによって、継続性のある施策を実施していく段階で、あえて何度か即効性のある施策を繰り返しお客様の来店頻度を高め、その高まった瞬間にお客様の気付きと口コミを加速させ、継続性のある施策のお客様への認知度を加速度的に高めていくと言う手法はあろう。
要は、どのような組み合わせを意識的に実行していくかといストーリーであろうか。
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コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
ブログネタ。
そしてコメントネタ。
お互いに同じ店長という職位であったから「阿吽」の呼吸でやりとり出来たのでしょうね。
但し、dadamaさんの場合は強引にでもあっちの世界に足を突っ込もうとしていますね。流石です(笑)。
投稿: てっちゃん | 2019年12月 8日 (日) 23時20分
最近はネタを提供出来ずに申し訳けありません(笑)。チラシやポイント施策は集客手段であり店舗力の強化にはならないのですから、肝はどこにあるのかを見極めねばいけませんね。チラシはポイントも販売促進媒体であり商品力や店舗力と全く異なるのですから。ここを理解されてないトップや管理職も多いのでしょうか。
投稿: dadama | 2019年12月 8日 (日) 13時41分
第01肉屋さん、コメントありがとうございます。
即効性の販促に頼ることなく基本を徹底している姿勢は素晴らしいと思います。
確かにそれはハードな一面もありますが、その基本の徹底が必ず商売の実力として身につくのではないでしょうか。
投稿: てっちゃん | 2019年12月 7日 (土) 23時45分
k.kさん、コメントありがとうございます。
御社だけに留まらず、このような現象はほとんどの企業で無意識的に行われているのではないでしょうか。
逆に現場からの声に左右されて数値効果の高い即効性の販促が随時行われているような気がします。
しかしやはり意識的に地道な努力の積み重ねが結局は確実に数値効果を発揮してくれるもの。その過程を時系列的に経験することが重要だと思うのです。
投稿: てっちゃん | 2019年12月 7日 (土) 23時43分
え!うちは常に新鮮な肉しか扱いません!
ドリップも少ないよう徹底されて翌日残は一切残しません。を心がけています。
半日立てば即半額です。
バイヤーが強すぎるだろうなぁと思います。
そのため糞ハードです。
投稿: 第01肉屋 | 2019年12月 7日 (土) 18時35分
ああ、正に当社の事です。こういう事はしょっちゅう、一時的な売り上げは上がりますしゲリラ的に単チラを手撒きするので効果はありますが、その商品ばかり売っても利益は低下するだけ。月末に何故粗利が出ないんだと問われます。粗利対策のインストア加工もしたいですが人員不足の為に最低限しかできません。無駄なロス削減は解ってますがCランク商品をどんどんへらしても品揃えが悪くなる。決して良いことにも思えません。ストーリーが役員幹部にないからでしょう。とどのつまり、トップダウンに怯えながら皆が仕事してるからです。上から、またその上からの指令は止めれません。
投稿: k,k | 2019年12月 7日 (土) 08時06分