フィルター
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
フィルター
直訳すれば「濾過機」。
液体などを濾過して飲料水にしたりするような濾過機、または濾過することを言う。
フィルターに掛けるなどと言う。
ある目的を持ってフィルターにかけ、飲用水にしたり余計な成分を省いて使用目的に叶うように精製したりする事でもある。
それは、製造メーカーなどが使用する商品製造過程でよく使用される言い方であり使用法であろう。
今日の話題は人のフィルター。
例えば、ある資料のまとめにおいて、一人の人間が作成したプレゼン用の資料を更にもう一人の人間が閲覧することによって、更に精度の高い資料として完成させられると言う意味で、資料を数人の人間を通して完成度の高いプレゼン資料とし、その上司が経営陣にプレゼンし共感を得るような場面があろうか。
人のフィルターを通ると精度が高まる。
これは私も賛成である。
例えば売場作り。
あるチーフが年末用の売場を作成したとしよう。
そこに副店長が加わり年末のギフトコーナーを陳列したという設定。
チーフの陳列に対して更に軌道修正をして陳列した場合。
こんな場合はチーフの陳列という土台の上に更に売れる仕組みが付加されて売場が完成していく。
更に、そこに店長が参加して、微調整を図れば更にお客様の視点が拡大する可能性が高まろう。
更にそこに本部バイヤーが参加したら。
こうやって、人の手が加われば加わる程に売場は完成度を増し、誰もが想像しなかった売れる売場が出来上がっていくのである。
そこに役割の異なる人材の加入は非常に効果的だろう。
例えば、チーフが取り敢えず入荷商品を陳列したとしよう。
そこに副店長がちょっとした工夫で売れる売場に修正した。
更にパートさんがコトPOPにて立止まるような売場にした。
最後は店長が遠目でも目立つ媒体設置にて集客力を高めた。
こうやって別の役割を持つ人間のフィルターから高い精度が生まれるのである。
これはあくまでも皆が同じ方向を向いて、売上を上げようとする視点で同じ売場を見ているから可能なのである。
しかし逆にマイナスのフィルターも存在する。
ある売場作りの企画書が店舗から本部に提出されたとしよう。
その上司はあまりにも派手な媒体を整理してそのまた上の上司に報告。
そのまた上の上司はバランスよく陳列し直し更にその上の上司の報告。
更にその上の上司はこの売場なら定番でも同じであると企画書を閣下。
別の方向を向く人間達のフィルターを通すと上記のようなことも起こりうるであろう。
人間のフィルターは重要である。
しかしそれはあくまでも同じ方向を向く人間同士が同じ売場や事柄に対して自分のフィルターを通すことが重要であって、違う方向を向く人間同士が同じ事案を見ると全く話はまとまらないという結末に陥ってしまうことになる。
それでも、多くの前向きな人間のフィルターを通した企画や売場は一人一人が自分の中で想像していたその内容から大幅に掛け離れた感動的な仕上がりになる場合がある。
これこそがフィルターの本質なのではないだろうか。
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コメント
第01肉屋さん、コメントありがとうございます。
まさにそれがフィルター。
バイヤーも現実の土台があるからさらにその上のバイヤーならではの売場が表現できるのであって、その土台のない売り場は一からやり直しですからその完成度も相当落ちるでしょう。そう言う意味では第01肉屋さんの土台も評価に値すべき売場なのだと思いますよ。
投稿: てっちゃん | 2019年12月24日 (火) 06時18分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
あの会の勉強会こそがここで言うフィルターだと考えます。
そして意外と意見が集中する部分に大きな改善点があるのだろうとも思います。
そう言う意味での検証会は必須ですね(笑)。
投稿: てっちゃん | 2019年12月24日 (火) 06時09分
花子。さん、コメントありがとうございます。
言うは易し。
しかし現実は色々な規制や組織内のゴタゴタもあり(笑)、理想の店長を地でいける方は少ないと思います。私も現実にはどう評価されているかは疑問ですが、一つの指標は「人」が集まるお店か否か、という部分はある意味そのお店の真実の現れだとも思っています。人が集まり力を合わせて地域貢献したいと思われる組織を作っていきたいですね。
投稿: てっちゃん | 2019年12月24日 (火) 06時07分
今回もためになります。毎度売場作りをして、お肉がいかに魅力ある売場を目指していますが、どうしても時間に余裕がないと売場を半ば放棄する形で開店するので、時間に余裕がないと俺はここまでなのかと断念する場面が度々ありました。
「俺にあれをする時間があれば・・もっと綺麗な売場にできるのに・・」と悔やんでも
次の日にバイヤーに改造させて、
「俺の見せ方はこれだ!」的な売場に圧倒されます。
そうかこれがフィルターだったんですね。
投稿: 第01肉屋 | 2019年12月23日 (月) 21時09分
ちょっと視点は違いますが、会での勉強会もメンバーがフィルターになっているのでしょうね。20.5&21.5幕でフィルターが効いて雑味の取れた美味しいお店になってるか確かめなれければですね(笑)。
投稿: dadama | 2019年12月23日 (月) 16時24分
おはようございます。
てっちゃんさんのような店長がたくさん増えたらいいのにと、ブログを読み、思いました。
私がいつも思うことは、お店の従業員同士はギスギスしていたらお客様には良い笑顔は向けられないと思っています、従業員同士、笑顔で笑いながら仕事をしていたら、その笑顔がそのままお客様の方に向くと思ってもいます。
心の中で泣いて、お客様にはそれでも笑顔を見せなければいけないというのも辛い話ですよね。
本当にてっちゃんさんのような店長ばかりのお店が増えたらと思いました。
投稿: 花子。 | 2019年12月23日 (月) 08時54分
花子。さん、コメントありがとうございます。
私個人は、業績とは店舗内での仕組み作りと、定番での底上げが基本だと思っております。
そしてその定番の底上げの部分の最大要因は人の成長。よって従業員一人ひとりの成長が定番の底上げには必須項目であり、その為の環境作りが上司や店長の最大の使命だとも思っております。
「そんなの理想論でしょ」と言われるかもしれませんが、長い目で見たときの企業の成長、店舗の成長とはそこに尽きると思っていますし実際に今まで経験してきた店舗での業績改善はそこが7割のウェイトを占めていたと思います。
その環境をどう整備するか。目の前の業績は店長や社員がその数値要因を確認し対応するのですが、定番の底上げに関してまだまだ足りていない部分を整備しない限りは目の前の業績だけをモグラ叩きのように潰すだけでは元の木阿弥。働く末端の従業員の環境整備こそが組織の永続の要であると思っております。
投稿: てっちゃん | 2019年12月23日 (月) 06時11分
下の日記ではありがとうございました。
今回の日記で思うことですが、やはり「人間関係」はとても重要で大切だと思っています。
人間関係が良好でない限り、萎縮してしまうのでいいアイデアも浮かびませんし、その仕事に対してやる気も出ないような気がします。
人間関係が良好であれば、上司に色々アイデアも言えるでしょうしそれが採用されねば、パートさんのやる気も上がり、売り場も素敵なものになると思います。
私は以前怒鳴られたと書きましたが、一番トップの本社から売り上げ売り上げと言われた上司がそれを一番下の下々のパートに抑えつけるかのように言われたからです。
その部署の者であれば、多少は致し方ないところですが、他部門で手伝っている身にありながらそれを言われていました。
前の前の会社ですが、結局それがストレスになり、倒れてしまったので辞めましたが、どうしてそうなのだろうと未だに不思議に思っています。
投稿: 花子。 | 2019年12月23日 (月) 05時44分