技術者の引き合い
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
先日、かっての企業から封筒が届いた。
「OBの方々、力をお貸しください。」
そんな見出しであったろうか。
要は技術を持ったOBに再び活躍してもらいたいという募集。
特に調理技術を持ったOBの方々は数知れず存在するわけであるから、昔取った杵柄を活かして欲しいという企業の願いであろう。
それだけ人材が枯渇しているということでもある。
しかし、60歳を超えて体力的には長時間は厳しいであろうから、働ける時間を2〜3時間の短時間からの募集とし、就業時間も本人の働きたい時間を優遇して決められるという。
そして時給は1000円。
こちらの地方では決して低い額ではない。
そんな募集要項が企業のOBに送付されてきたのである。
私は依然としてかっての企業のOB会に籍を置いていた為、そんな通知が送付されたのであろう。
そして、おそらくそんな通知を頂いたOBの中には、「俺で役に立つなら」と腰を上げる方もいるであろう。
鮮魚部門で刺身を切る。
精肉部門で牛肉を捌く。
青果部門で果実を陳列。
生鮮部門、特に鮮魚や精肉であれば、このような調理技術を持つ方であれば大歓迎であろう。
それだけで店舗としての差別化が図られることになるからだ。
以前にもこのブログで書いたが、この軽減税率導入にあたり、ますます生鮮の需要が高まっているのは事実である。
そして、アウトパックに頼るのではなく、あくまでもインストアに拘った調理済みの肉や魚を展開しているというだけで、その店舗のストアロイヤリティーは高まる時代となってきているのである。
益々販売面や製造面で技術を有する人材は欲しい時代。
そこにはもはや年齢や定年という概念は消滅していくのであろう。
そしていずれはこの業界全体にも広がっていくであろう。
更には、大勢のOBを持つ企業はそのOBに支援していただく事で強みを発揮していけるかもしれない。
また、そのような技術者に対しての高給制度を取り入れた企業は、業界のピンチをチャンスに変えられるかもしれない。
それだけインストア加工部門は強くなっていく。
逆に言うと、OBや高齢者に頼らざるを得ない時代になったのであろう。
現実に、数年後の生鮮の現場を想像するとゾッとするものがある。
そして如何に先手を打ってその対応をしていくのか。
企業としての取り組みの差が5年後に大きな差となって現れてくるであろう。
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コメント
りっちゃんさん、コメントありがとうございます。
まさにその通りですね。
そしてそこから生鮮を武器とする食品スーパーとの格差が進んでいくのではないでしょうか。
そして後座の店舗の競合店も精肉はアウトパックで牛肉の品揃えが弱いという現状。早々に牛肉だけでもインストアが望まれるところですね。
投稿: てっちゃん | 2019年11月21日 (木) 11時30分
先日の後座の際にも出ましたが、精肉技術者の不足により泣く泣く売上を犠牲にしてセンター化しなくてはならない、だから利益が落ちパートさんを結果削減、さらに売上減のスパイラル、逆に再雇用者を低い賃金で何ら変わらない条件下働かせる。
そんな企業は高齢者の有り難みに気がついた所から引き抜かれる日が遠からず来るのでは
投稿: りっちやん | 2019年11月21日 (木) 10時09分
第01肉屋さん、コメントありがとうございます。
気持ちの伝わるコメントですね(笑)。
少し前の外食業界、現在のコンビニ業界、そして今後は我々生鮮小売業界にも大きな問題になっていくような気配がしますね。
投稿: てっちゃん | 2019年11月17日 (日) 06時20分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
そのリスクが現実に目の前に迫っていると言う事実。
現場の危機感と企業としての対応。
ここに生き残りの最大の軸があるように思うのです。
投稿: てっちゃん | 2019年11月17日 (日) 06時13分
本当に万引きはんでもいいんで罪に問わない代わりに金出すから働いて欲しいくらい
切羽詰まってる
投稿: お肉屋一番 | 2019年11月16日 (土) 15時19分
本当に若い人はいなくなりますから。
http://www.soumu.go.jp/main_content/000573853.pdf
豊な社会になり男女問わず自立心が高まった結果の出生率の低下、この歪みはいつか受けねばなりませんから。子供は急には増やせない。日本最大のリスクはここにある気がしてなりません。
投稿: dadama | 2019年11月16日 (土) 13時49分