滞在時間
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
先日、朝のラジオで面白い話題を放送していた。
「お客様の滞在時間」。
消費増税にて、如何に消費者の方が無駄な買い物をしないで節約志向を貫けられるか、という話題。
“そんなつまんねぇ〜話題探すんじゃねぇ〜よ”
そんな風に思いながらも、ついつい聴きこんでしまった(笑)。
そしてその解説者が言うには、スーパーやお店への滞在時間は出来だけ短くし、短時間で買い物を済ますようにすることが大切だと言っていた。
どうしても滞在時間が長くなるとついつい無駄な買い物をしてしまうと言う。
確かにその通りであろうか。
逆に言うと我々はお客様の滞在時間を如何に引き延ばすかが課題と言える。
滞在時間が長いと言うことは、お客様が売場にいる時間が長くなると言うことであり、それはより多くの売場であり商品でありを見て頂けると時間が多いと言うことである。
ラジオで放送されていたような内容はお客様の十分羞恥ではあろう。
しかし、いい売場というのはお客様が知らず知らずに長居をしてしまい、滞在時間が長引き、そこで一品二品買い物かごに多くの品物を入れてしまうものである。
結果として客単価の高い店舗となっていく。
逆に客単価の低い店舗は目的を持って来店し、目的以外の商品は絶対に買い物かごに入れないでレジ精算をして帰るお客様が多い店舗であると言えよう。
如何に多くのお客様にきていただけるかという客数増の施策
如何に多くの商品を籠に入れて頂くかという客単価増の施策。
この両面から売上対策は攻めて行かねばならないのであるが、店舗としてはとりあえずは客単価を如何に高めるかを目の前の売場を見て改善していく必要があろう。
客単価。
一言で客単価とは言っても、客単価とは一人のお客様が一回の買い物でいくらお買い上げになるかという金額である。
それには、点数増と単価アップの二つの施策がある。
一般には点数を10点から11点、更には12点と多く買い物かごに入れて入れて頂けるかを売場やレイアウトからその答えをどう導き出すかが課題となろう。
その為にはセットで購入される商品を確実に買って頂く関連販売。
そしてレイアウトから客導線を如何に稼ぐかという仮説検証の継続。
この二つを同時に仮説を立て、検証を繰り返していくかということに尽きるのではないだろうか。
が、しかし、である。
なんだかんだと言っても、やはり一品一品の商品力であり、品切れの無い売場であり、整然と整理された陳列であることは第一優先であろう。
特に縦横斜めの陳列線とカテゴリーの縦割りは必須。
ここを蔑ろにして客単価は語れないと思っていいだろう。
それだけ、売場の見た目は重要であり、カテゴリーの関連性は豊かな食卓というテーマには欠かせない売い場であり、買い場となろう。
食べるという行為。
それには、 食べること = 生きる為 に必須の食事が一つある。
そして、 食べること = 嗜好品 として好きなものを食するという一面もある。
生きる為に必要な、野菜、魚、肉、米、麺類、等々があろう。
更には、嗜好品としての果実、デザート、菓子類、等々もある。
紙工品を如何についでに買って頂くか。
ここに客単価のヒントが大いに隠されているであろう。
嗜好品を如何に導線に積極的に絡ませていくか。
ここを仮説・検証していく必要はあろう。
| 固定リンク
« 万引きと向き合う | トップページ | 湖池屋の戦略 »
「商売」カテゴリの記事
- 今年のりんご(2024.12.07)
- 12月商戦へ向けて(2024.11.30)
- 魚部門を支える顧客層とは?(2024.11.23)
- 即食がこだわるべきもの(2024.11.22)
- 入口の五感(2024.11.19)
コメント
sakaeさん、コメントありがとうございます。
ここ数ヶ月で何十店舗MRしましたか?(笑)。
それだけ見れば、自分なりに店舗ごとの特性と強み弱みが見えてきたのではないでしょうか。
それをどう自分なりに活かすか。
今後が楽しみですね。
投稿: てっちゃん | 2019年10月12日 (土) 00時33分
昨日、2店舗ほど店舗見学をしましたが、どちらの店舗も商品の提案が至るところでされていて、思わず商品を買いたくなりました。こんな提案の仕方もあるのかという提案の視点が勉強になりました。
滞在時間が長い売場とは一つの部門だけではなく店舗が一丸となって商品の提案を行っている売場だと今回店舗見学をして改めて思いました。
投稿: sakae | 2019年10月11日 (金) 19時45分
ただのバイトさん、コメントありがとうございます。
競合出店に際して、客数ダウンを客単価アップで対抗しようとした施策。
しかし私も何度も競合店出店に出くわしましたが、その都度思うのはお客様の買い回りという買い物行動。よって客数ダウンは思いの外少ないものの、やはり客単価はダウンするもの。逆に言うと、同じショッピングセンター内に出店した競合店がより多くのお客様を連れてきてくれると言う事実をチャンスと捉えられるかどうかなのかと思います。
投稿: てっちゃん | 2019年10月11日 (金) 06時40分
全く関係のない話をします。(この話題からブログの内容に上手く結び付けてください、笑)
我が店がある同じ館の中に競合する専門店ができたという話は度々してきましたが、その対応として我が店は量より質で勝負という方針を打ち出し、様々なリニューアルをしました。
デリカ、リカー売り場など高単価・低回転の商品で勝負というわけです。
しかし問題はそこではなくて、それに伴って、どちらにせよ競合店の影響は避けられないのだから客数は減少するという予測のもと、レジの台数も減らしてしまいました。
そのことで社員は売り場そっちのけで年がら年中レジの応援に駆り出されることになってしまいました。
レジの行列が真ん中の加工品の通路まで伸びるので、その間の当該部門の売上は見事に止まります。
当然お客様からの不評の声も凄い。
「今まで通り並んでいたらバスの時間に間に合わない」
「レジの待ち時間で冷凍食品やアイスが溶けてしまった。もう冷凍品はここでは買えない」
「買い忘れたものに気づいたり、帰り際に気になる商品があっても、もう一度レジに並ばないといけない思うとウンザリする」
実際に届けられたお客様の声です。
そして売り場にいると「悪いけど、これ返すわ」と、せっかくカゴに入れてもらった商品を売り場に返しに来るお客様が何人も…
当初の予想とは裏腹に、どういうわけか客数は減らす客単価ばかり落ちていくのです。
投稿: ただのバイト | 2019年10月11日 (金) 00時59分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
当方、企業グループ内にて青果部門の研修会を控えており、そこで青果部門の業績対策としての発表があります。
やはりそこでも課題になるのが、一つは嗜好品としての果実の捉え方と野菜は相場に応じたフォーマットの活用。
この二つのテーマを制することで青果の業績を上げるという取り組みの報告を予定しております。
ここでもdadamaさんが表した売上=・・・ という図式。
これを細部に分解することによってより現場の担当者がわかりやすく対策を打てるか否かが商売の知恵として重要になってくるのではないでしょうか。
昨日の勉強会からも、“いいかげん現場に復帰させろよ”というdadamaさんの殺気を感じましたから(笑)。
投稿: てっちゃん | 2019年10月10日 (木) 14時46分
味噌は醤油は安くても使う量は一緒ですから乱売しても売れなくなってしまう。そこに気付かず更に値段を下げて益々売上と利益を落とす事に気がつかない店長も意外多い。
買い上げ点数11品12品を部門に分解すると一部門で買う点数は?更に必需品と嗜好品の部門特性は?売上=客数✖️買上点数✖️一品単価
この公式の何処を変動させメンバーと共有し仕掛けて結果を出す。店長の一番痺れる職域だと思うのです。
投稿: dadama | 2019年10月10日 (木) 12時52分
tatsuya0325さん、コメントありがとうございます。
事前告知のタイムセールの実施。
部下の意見を取り入れて更に進化させながらお客様の滞在時間を引き伸ばしていく施策。
それがまさに商売ではないでしょうか。
そんな1部門の取り組みが店舗全体に広がっていけば、更に効果は絶大になり店舗計としての客単価のアップに速攻で繋がっていくのではないかと思われます。
投稿: てっちゃん | 2019年10月10日 (木) 09時56分
スーパーセンターで鮮魚部門を担当しております。
私の部門ではここ最近、タイムセールをやり始めました。
過去にはどこのお店もやっていたであろうことではありますが、お客様にさらに1品買ってもらう為の施策として、部下が提案してくれました。
何度かやっていくうちに他の部下が、事前告知を行えばさらに効果的ではないかという提案をしてくれました。
さっそく取り入れ、現在行っております。
事前告知は現在、鮮魚売場に掲示しているだけですが、それを見たお客様が「もう帰ろうと思っていたが、タイムセールがあるのならもう少しお店に滞在しよう」と思ってくれるのではないかと考えます。
それにより、僅かでもお店全体の売り上げの底上げに繋がればと思っております。
投稿: tatsuya0325 | 2019年10月10日 (木) 06時50分