湖池屋の戦略
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
先日の「ガイアの夜明け」。
ポテトチップスを初めて量産した「湖池屋」。
実はポテトチップスを初めて量産して商品化したのはカルビーではなく湖池屋であった。
またその後に、独特の辛さで呑助を取り込んだ「カラムーチョ」の発売。
更には、独特の軽快感のあるCMで話題になった「ドンタコス」の発売。
一時は独創的な商品を発売続けた湖池屋。
しかし今や業界を二分するという存在よりも、業界最大手のカルビーに大きく水を空けられる地位に落ちてしまった感がある。
私の湖池屋というスナックメーカーの印象。
それは、業界最大手のカルビーと比較して、どちらかというと本物志向というか素材志向というか、ポテト本来の自然な食感を大切にするメーカーであると感じていた。
よって、カルビーのポテトチップスが軽めでいくらでも口に入るやめられないポテトというイメージであるならば、湖池屋は逆にしっかりとした厚めの切り口で味も油も濃厚でずっしりと思い本来の味を追求しているメーカーというイメージを持っていた。
そして登場した「カラムーチョ」。
これは当時はビールオンリーだった私にとっては常に無くてはならないピールのおつまみであり、この独特の絡みとニンニクの風味がたまらなかった思い出がある。
ビール派には湖池屋。
そんなイメージを常に抱いていたのである。
しかしそんな湖池屋も業績が低迷していた時期があったという。
常にカルビーに押され、カルビーの後を追い、その為にカルビーに追随しようとして同様の新商品を出したり同様の企画を打ち出したり。
しかしカルビーの後追いという印象は拭えない。
そこに、キリンビバレッジで商品開発を担当した、業界では名の知れたヒットメーカーである佐藤貢氏。
しかしポテト業界はカルビーをはじめとして価格志向の嵐の中。
そして社内の新商品開発では、湖池屋らしさは無く、競合に対抗した新らしい味付けの商品ばかり。
もも味、バナナ味、等の目先を変えた新商品。
佐藤氏はここで湖池屋らしさにもう一度目を向けた。
他社の後追いではなく「湖池屋らしさ」。
それはやはり創業者の言葉にあった。
「モノへのこだわり、そして業界で最高のものを作る」
その信念に立ち返ることを目的に、湖池屋の改革に乗り出す。
そして工場や営業の最先端に足を運び、意見を交わした。
そんな中で2017年にPRIDEポテトが新登場。
厳選した国産のジャガイモを温度を変えて3回あげるという手間のかかる製法を導入。
徹底して味と食感にこだわった。
湖池屋らしさ。
そこから導き出された答えがこのPRIDEポテトにあった。
自社らしさ。
一番の強みは自社らしさ。
そしてそこには自分らしさを楽しむということであろうか。
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コメント
第01肉屋さん、コメントありがとうございます。
商売とは変化対応業であり、そして食品においては生きると言う根本的な存在でもあるため、このような場面でも地域の方のライフラインとして営業しなければならない存在であるとも思っています。
しかし今回のような台風19号の到来のような環境になった場合の営業の仕方に関しては、地域のお客様の為と同時に自社で働く従業員の安全にも考慮した営業の仕方として一考すべき問題を提供してくれたのではないでしょうか。
投稿: てっちゃん | 2019年10月12日 (土) 06時39分
PRIDEポテト
値段が高い、高級感溢れるパッケージのチップスは、目を引きました。
マネキンも入り試食販売もし、センターエンド展開して売ったことをよく覚えています。
今では、ラムーなどの格安店がドカンと大きな展開をバックエンドとかにして常に置いてあります。
台風時には傘、カッパ、タオルをワゴンに積んで入口に展開したいですね。
もしくは乾パン、補水液、缶詰、ヘビー用品だと粉ミルク、あとは2Lの水のケース積は欠かせないでしょう。
大型店ではよくやりました。
毎回売場変更が大変でした。
投稿: 第01肉屋 | 2019年10月12日 (土) 01時42分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
台風特需では水、パン、カップ麺が根こそぎ持っていかれていますが、それでもあのシリーズだけは大量に在庫を持っていて、今となっては大正解ですね。何が成功なのか失敗なのか終わってみなければ誰もわからないと言うことですね。
投稿: てっちゃん | 2019年10月12日 (土) 00時31分
どこの業界であれライバルの土俵に乗ったら中々勝てないですからね。自社や自店の強みを徹底的に磨き上げる。強みは何なのかをメンバーと共有実践する事が店長の責務でしょうね。
蛇足ですが台風特需でカップ麺は大正解ではないですか?(笑)。
投稿: dadama | 2019年10月11日 (金) 12時57分