相場に振り回されない
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
7月からの全国的な青果部門の低迷。
昨年と比較しての相場安。
“そんなに今の相場って安いの?”
そんな風にも思ってしまう。
しかし、昨年の相場が異常な高値安定だったとも言える。
そして、そのギャップがいつの間にか売上がズルズルと低迷していった要因であろうか。
しかし相場とは言いながらもそれは野菜がメインである。
企業にもよるが、青果部門とは野菜だけではない。
果実もあれば生花もある。
野菜、果実、生花の3つのカテゴリーからなるのが青果なのである。
野菜でダメなら果実、生花があるじゃないか。
しかし売上ウェイト的には、
野菜6:果実3:生花1
もっと野菜のウェイトが高い企業もあるだろう。
それほど野菜に偏った売上ウェイトであるから、野菜の業績如何によって青果の業績が大きく左右されるのも事実。
“野菜の相場の高低は毎年のこと”
そう諦めて、相場による業績低迷を指をくわえて見ている企業やバイヤーもいるであろう。
しかしそれでは相場に振り回されるだけである。
相場の高低から逆にチャンスの有りどころを探せないのだろうか。
“いやいやチャンスの宝庫だよ”
私はそう思っている。
野菜の相場安。
昨年に比べて今の状況が相場安としたら、昨年は相場高だったということであろう。
相場が高い。
こんな時はお客様の懐事情は厳しくなっていたはずである。
メニューに必需の野菜に金を使うため財布の紐は固くなる。
よって、昨年は果実や生花になかなか財布の紐が開かなかったのである。
よって、今年は逆の傾向であることを読むかどうか。
そして、財布の紐がゆるい今年は果実に大いにチャンスがあるということである。
よって攻めるべきは果実。
今ならぶどうであろうか。
ぶどうは高単価品であるから、1房販売しただけで1000円前後の売上が転がってくる。
しかし野菜が安価なため、心理的にも財布の紐はゆるみがち。
そして今が一番美味しい季節であることもアピールして積極的にぶどうの単品に絞って売り込む。
軟皮果実でもあるぶどうは競合店でも仕掛けにくい果実。
鮮度の劣化が早く、なかなか単品量販しずらいカテゴリーである。
逆に言うと、だから仕掛けがいがあるとも言える。
以前にもこのブログで書いたが、果実というカテゴリーは担当者の腕次第で如何様にも売上を伸ばすことができるカテゴリーである。
よって、野菜の相場安の時代こそ担当者の腕による果実の売上の獲得によって青果全般の業績を大きく左右する時代は無いのである。
この原理をどう引き寄せられるか。
いい加減に「相場に振り回される」時代を後にしたいものである。
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コメント
>てっちゃんさん
>
>ただのバイトさん、コメントありがとうございます。
>青果部門の特性として、単価は低いが点数が高く、売場も広くアイテムも多い。
>要は、青果部門は生鮮部門の中でもとりわけ補充頻度が高い部門であると言えるでしょう。
>補充頻度が高いということはそれだけバックヤードから売場に出る頻度も高く、お客様との会話も増加し、他部門の売場の案内等も増えていくもの。鮮魚や精肉はひたすらバックヤードで調理加工に作業の比率が高い部門とは大きく異なりますね。またそれだけ商品のPOP作成も多く、バックヤードから事務所に赴きパソコンに向かってPOPを印刷して再び売場に戻るという作業の連続。
>そして毎日コメントにあるように産地に応じて商品化とPOP作成に追われながら日々の相場の違いから売価設定も日々の連続。よって売価違いも店舗の中で一番多いという事実。また価格競争のメインでもあるため、休憩時間を利用して他の競合店の売価もチェックして売価表に競合と自社の売価を記載して売価で負けている単品に関しては対応を求められるという多忙さ。
>どの部門もそうですが、やはり生鮮は担当者やチーフの腕がものを言う部門であるし、いまだにその事実は変わらないと思っています。
>だから私は生鮮が好きなのかもしれませんね(笑)。
>特にやはり「相場」と「旬」、そしてそれを見極めて大胆に売場を変えて打ち出す「果実」は青果の日々の売上を大きく左右する嗜好品であり、ここを極めれば極めるほど高単価品のウェイトが高まり、下手をすると野菜と果実の売上が五分五分と言うお店もあるかもしれません。
>この果実のウェイトを高めれば高めるほど、野菜に影響せずに青果の売上を高められるもう一つのカテゴリーであり、逆に言うと野菜の相場が低い原罪であるからお客様の懐も緩みがちなタイミングに果実を積極的に仕掛けることでそちらにお客様の財布を開かせることができるというお客様心理を活用したいものですね。
>
>
投稿: てっちゃん | 2019年10月 6日 (日) 06時32分
ただのバイトさん、コメントありがとうございます。
青果部門の特性として、単価は低いが点数が高く、売場も広くアイテムも多い。
要は、青果部門は生鮮部門の中でもとりわけ補充頻度が高い部門であると言えるでしょう。
補充頻度が高いということはそれだけバックヤードから売場に出る頻度も高く、お客様との会話も増加し、他部門の売場の案内等も増えていくもの。鮮魚や精肉はひたすらバックヤードで調理加工に作業の比率が高い部門とは大きく異なりますね。またそれだけ商品のPOP作成も多く、バックヤードから事務所に赴きパソコンに向かってPOPを印刷して再び売場に戻るという作業の連続。
そして毎日コメントにあるように産地に応じて商品化とPOP作成に追われながら日々の相場の違いから売価設定も日々の連続。よって売価違いも店舗の中で一番多いという事実。また価格競争のメインでもあるため、休憩時間を利用して他の競合店の売価もチェックして売価表に競合と自社の売価を記載して売価で負けている単品に関しては対応を求められるという多忙さ。
どの部門もそうですが、やはり生鮮は担当者やチーフの腕がものを言う部門であるし、いまだにその事実は変わらないと思っています。
だから私は生鮮が好きなのかもしれませんね(笑)。
特にやはり「相場」と「旬」、そしてそれを見極めて大胆に売場を変えて打ち出す「果実」は青果の日々の売上を大きく左右する嗜好品であり、ここを極めれば極めるほど高単価品のウェイトが高まり、下手をすると野菜と果実の売上が五分五分と言うお店もあるかもしれません。
この果実のウェイトを高めれば高めるほど、野菜に影響せずに青果の売上を高められるもう一つのカテゴリーであり、逆に言うと野菜の相場が低い原罪であるからお客様の懐も緩みがちなタイミングに果実を積極的に仕掛けることでそちらにお客様の財布を開かせることができるというお客様心理を活用したいものですね。
投稿: てっちゃん | 2019年10月 6日 (日) 06時31分
最近、青果部門の話題を取り上げることが多いですね、笑
青果の担当者を悩ませる要素にもう一つ、「産地」があります。
「産地」の表示間違いは「鮮度」不良、「売価」エラーと並んで、担当者が確認を怠ってはいけない3つの要素の一つです。
ところが、しばしば同じ商品で複数の産地のものが同時にきたり、前日の在庫の産地とは違う産地のものが入荷してきたりする。中には一日で前の産地のものに戻ったりする。
(それに加えて、サイズ(規格)までコロコロ変わるのです)
例えばキャベツやだいこんなら、少ない量の産地のものをカットに回したり、なるべく複数の産地を混ぜ合わせて売り場におかない工夫をします。
ところが和歌山の柿と奈良の柿を同時に在庫で持つとか、こういう時はちょっと困りもの。片方をタッチキーにして、もう一つにJANシールを貼ったりしますけど、もの凄く手間がかかる。時には先入れ先出しの原則を無視して、前日入荷のものを飛ばしても当日入荷のものを先に売り場に出すような判断が求められます。
もちろん前日入荷のものも売る算段をつけて。
たまねぎやりんごのサイズ違いなんかも頭を使わないと、在庫を抱えてしまいますね。
本題の相場と高低とも相まって、この部門の担当者は商品知識があるということ以上に頭の回転の速さが求められる所以は、日々こうした事態に対処しなければならない状況が多々あるからなのでしょう。
投稿: ただのバイト | 2019年10月 6日 (日) 03時26分
第01肉屋さん、コメントありがとうございます。
確かにキウイフルーツは輸入フルーツの中でグレープフルーツに変わる準主力品なりつつありますね。
絶対王者は相変わらずバナナですが、準主力となると従来はグレープフルーツだったのですが、今やキウイであり企業によっては輸入ぶどうになりつつありますね。糖度だけを考えれば輸入ぶどうの方が圧倒的に甘いのですが、栄養成分で見るとキウイの方が魅力的でしょうか。
投稿: てっちゃん | 2019年10月 4日 (金) 09時11分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
相場に左右される野菜に比べて果実は主力単品のその年の収穫量にもよりますが、同時に数単品が旬として登場してくる為、ある程度安定した売上を作ることがで出来ますね。また生花の別視点で青果の売上とは関係なく拡大させていくこともできるもの。懐の深い部門であると言えますね。
投稿: てっちゃん | 2019年10月 4日 (金) 09時06分
青果は、毎回放送で青果担当の~ってアナウンスが1時間に1回以上のペースでアナウンスされるくらい忙しそうです。
こっちの青果の売場のTOPは梨とキウイフルーツ
親が足腰が悪いのでキウイフルーツに含まれてる成分がキウイフルーツやヨーグルトと一緒に取れば効くというのを目にして、たま~に安くなったのを買ってたりしてます。
キウイフルーツのスムージとかもこの前試飲してたり、時代はキウイなのかなって気がしてきたり。
投稿: 第01肉屋 | 2019年10月 4日 (金) 00時28分
同じ青果の売上でも野菜は必需品であり果実は嗜好品。
嗜好品であり即食性が高いフルーツは旬や相場を利用した単品量販による購買率アップが醍醐味でしょうか。鉄筆POPの出来が売上にも直結しますね(笑)。
投稿: dadama | 2019年10月 3日 (木) 20時36分