買いだめ需要
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
9月も今日で最終日。
そして明日からは10%増税。
小売り各社の買いだめの喚起によるチラシ合戦は物凄いものがある。
と書きたいところであるが今回はそうでもない。
小売り各社と言っても、百貨店や総合スーパー、ドラッグ、DIY等の食品の構成比の低い企業はそれなりに大々的にチラシを打って買いだめ需要を喚起させているが、食品中心のスーパーのチラシを見ているとどうも酒、雑貨に絞られるから、その内容も紙面の4分の1にも満たない程度でしか扱っていないようだ。
そして世の中、どうも買いだめをする空気も以前の消費増税時よりも薄くなっているような気はする。
過去の増税時は全ての商品が増税の対象であった。
しかし今回は食品は8%の据え置き。
但し外食に関しては10%。
その部分に関しても、ファーストフード各社は外食と見なされる店内飲食についても税込価格は同じにすると言う企業が多い。
更に、中小企業(資本金5000万円以下)の企業での電子マネーでの買い物においては、期間限定にて5%のポイント還元があるため、かなり複雑な仕組みとはなるが以前よりも買いだめをしておかなければならないと言う世の中の空気が薄れているのだろう。
確かに雑貨やお酒のカテゴリーは9月後半からの伸びは高まっているが、かと言って以前ほどの急激な伸びも少ない。
お客様もかっての増税時からの経験があるのだろう。
今回は8%から10%とその増税額も少額に止まると言うイメージもあるのだろうか。
そして逆に食品自体の消費が止まってきたようにも思える。
やはり財布の量は決まっているのであろうか。
日用雑貨やお酒の買いだめをすると、どうしても生鮮等の食品への負担が増し、こちらを多少買い控えせざるを得ない状況がこの月末の流れであるのであろうか。
またこの月末は、昨年は台風が通過する前であり、昨年の売り上げが高いというのも昨年比とのギャップになっているのも否めない。
逆風感の強い9月後半の状況。
そしていよいよ明日からは消費増税がスタートする。
小売り各社は今日から明日にかけてはてんやわんやであろう。
特に、プライスカードの入れ替えは企業毎の工夫もあろうが、個店においてのバーコードによるスキャンチェック(売価が本当に増税価格になっているかどうかの確認作業)に追われることになろう。
同時に、プライスカードの入れ替えが済めば、その後は月間おすすめや期間おすすめ品の媒体の入れ替えも同時にやらなければならない。
とは言っても前回の全ての商品のチェックの比ではない。
その点はありがたいことではあるが。
これが、本体価格と税込価格の二重表示ではなく、本体価格のみの表示であればなんの作業も発生しないのであるが。
そして今回の増税に関しては、一部マネーゲーム的な部分も取りざたされているのが気になるところではある。
売り場や商品自体ではなく付与されるポイントへの視点。
こうなってくると、どうしてもリアルな店舗への買い物行動よりもネットを利用してポイントをより多く付与される通販会社の商品を宅配にて購入する機会が以前よりも加速するであろう。
逆に言うと益々生鮮の評価で小売りの価値が分かれると言うことであろう。
そこに、惣菜の位置付けも店舗の中ではより一層高まっていくことになるであろう。
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コメント
第01肉屋さん、コメントありがとうございます。
増税をいろいろな施策で解消しようとする働きが効いているのか、消費者の方々の焦る消費動向は今回は極端ではなくなってきましたね。特に食品を扱う小売り店は尚更でしょうか。
この制度のメリットとデメリットを食品スーパーは如何に追求するかでしょうか。
投稿: てっちゃん | 2019年10月 2日 (水) 06時12分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
昨日一日限りのお客様の動向から見えてくるのは、流石に開店時から日中にかけての今までの買い疲れはあったように思えますが、流石に食べなければ生きていけないようで、夕方からの即食品への買い周りは従来以上だったような気がします。
後半の伸び。即食である惣菜類のボリュームのあるお店がここ一週間のキーワードでしょうか。
投稿: てっちゃん | 2019年10月 2日 (水) 06時09分
今日、スーパーを何店舗かMRしてきたんですが、トイレットペーパーとテッシュペーパーのコーナーがズタボロになっているのを見ました。
朝9時~朝11時にかけてまだ補充が間に合っていない状態で、昨日にかけて売れまくったんだろうなぁという状況をすぐ推測できました。
本当にたまたまなんですが、
税込みのお店(トライアル)を店回りしたのと税別のお店(大黒物産)の違いはあるかなと思い時間差や人員の違いもあるのでしょうが、安く感じたのは税込みのお店 実際扱っていた価格帯の商品が安かった上にチラシ商品だったかもしれませんが、安いと感じた。
客数や時間帯も鑑みても、レジの混み具合と駐車場の混み具合もさほど通常時と変わらない大差を感じさせませんでした。
8%から10%に上がって凄く何か変わった感じが今のところ感じられないかも。
投稿: 第01肉屋 | 2019年10月 1日 (火) 20時51分
当社も予想に比べ購買需要は低かったですね。
これをどう捉えるか?私だったら2%に拘るならより価格安いお店に買いに行きますね。ですからドラッグやディスカウンターは利益はともかく、売上特需の恩恵を受けたのではないでしょうか。
逆目線で見れば2%をあまり意識しないお客様の存在があるのも確か。何れにしても総花的スーパーでは価格と価値で差別化するスーパーの台頭=顧客満足を得られなくなって行くのでしょうね。
投稿: dadama | 2019年10月 1日 (火) 20時43分