相場安に対応して
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
全国的な食品スーパーの不振。
特に最近は青果部門が厳しいという。
先日もある全国のスーパーが所属する企業団体で公開された8月の業績を見てみても、青果部門の不振が鮮魚や精肉よりもより深刻さを増しているようだ。
青果部門の不振。
ここ数年の各部門毎の業績を見ても、青果部門の業績がここまで全国的に不振であるという月は無かった。
ここ最近でも見ない業績ではないだろうか。
もともと青果部門とは相場に左右されやすい性質ではある。
よって急に売上が上がったり下がったりはあった。
しかし、全国的にこれほどの低迷は記憶にないほどである。
そう、青果部門は野菜の相場で売上が乱高下する部門。
よって、昨年度は北海道の台風の被害が長引き、ジャガイモや玉ねぎを筆頭に相場高が長期的に続いたのである。
その反動で昨年はなんだかんだとは言っても青果部門は相場高に引きづられて野菜の売上は伸び続けたのである。
その反動が今年の5月ぐらいから出始めたということであろう。
そしてそれが今年の7月〜8月で顕著になってきたということだ。
青果部門の相場の乱高下。
これはもう青果部門の宿命的な部分がある。
そしてそれが青果部門の魅力でもあるのだが。
その事によって、青果部門の担当者は近隣の競合店をチェックして売価を調べ、自店の売価を決定していく。
その商品と売価によって、多くのお客様はどこで買い回りをするかのベースとしての店舗を自ら決定してくのである。
よって、相場の乱高下において青果チーフは自らの立ち位置を把握し、野菜や果物の売価をどう設定してどう強みを発揮し、如何にして競合店に強い店舗を目指すのかを推進しなければならない。
青果はお店の顔。
その言葉にもあるように、店舗における青果部門の立ち位置は、その店舗の集客力を大いに左右するものでもあり、お客様にとっての青果部門の支持の高さが来店動機に大いに関わってくるものである。
その青果部門での全国的な不振。
そしてそれがスーパー業界全般に厳しい数値のスタートラインであることも一理あるのではないだろうか。
相場高の時の商売と相場安の時の商売では自ずと変わってくるもの。
相場高の時は意外に簡単でもある。
上記のように競合価格を比較して優位な条件で販売すればいい。
全般的な相場高という環境が一品単価を押し上げ、全体的な売上金額も押し上げられていく。
さらに、競合店との価格競争がより割増の形で上乗せされていく。
しかし相場安の時は意外に難しい。
それは、価格競争の要素が少なくなり、より一層売場の基本的なあるべき状態の格差が来店動機に繋がっていくからである。
野菜の価格が100円代の前半になれば、お客様の価格感度は下がり、どこで買っても安いので価格志向よりも「鮮度」「品揃え」「清潔感」「接客」等に来店動機が移行するようになる。
相場安の時は売場の基本がよりウエイトを増す。
しかし、だからと言って売場の基本は売価設定とは違って一朝一夕にできるものではない。
これこそ企業の理念として確立されていなければならない。
相場高の時にはやれ競合店の売価はいくらだとか、当店はいくらにするとかという話題に振り回されていた業績対策が、相場安の時には一転して従来から取り組んできた基本の徹底が一気に業績に関わってくるものである。
鮮度、品揃え、清掃、接客。
そしてそれは一番地道な取り組みであり、派手さはないが企業の特性を如実に現す部分ではないのだろうか。
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コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
新本部長にとってもdadamaさんは良き(?)相談相手になっているのでしょうね。
そして当方はこの話題を以って10月の研修会の舞台となる予定でございます。
投稿: てっちゃん | 2019年9月15日 (日) 23時06分
当社も青果の予算未達が大きな話題となっております。幸か不幸か毎日食品本部長の監視下(笑)にあるので先日も青果出身の私に意見を求められました。今度の本部長も良く存じ上げてるの方なので、旬が見えない事、何が売りたいかわからない事、鮮度に対する意識の欠如など言いたい放題させて頂きました(笑)。グロッサリーはディスカウンターやドラッグの価格優位性を認めるならば私達の強みは生鮮であり、青果が店舗の顔である事を店舗も本部も認識する事が差別化になると思います。蛇足ですが今度のトップ(予定者)は鮮魚出身です(笑)。
投稿: dadama | 2019年9月15日 (日) 09時48分