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2019年8月21日 (水)

精肉の伸び悩み

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


8月に入ってからの精肉部門が思わしくない。

  かってないほど伸び続けてきた精肉部門。

しかしここにきてどうも頭打ちになってきたのだろうか。
それとも、あまりにもの猛暑日の連続で「炒め」や「焼き材」としての需要が減退したという機構による伸び悩みなのだろうか。

  昨今の精肉部門の伸びの要因。

それは、鮮魚部門と比較した時の相場の安定や相場安感から、魚を消費するよりも肉を消費した方がお得という相場感が非常に大きかったのであろう。
更には、調理のし易さや骨が無いのでお子さんも食べやすいという消費性の高さもあろう。
そして直近では牛肉に需要の高さを押し上げてきた、焼肉、ステーキの需要の拡大もあろう。

特に専門店の希少部位の販売方法や美味しさ提案を小売業が学び、ミスジのステーキとかハラミの焼肉、更には厚切りの牛タンステーキ等の今までは見たこともない部位や厚切りの提案の連続砲により、牛肉への志向が飽きずに続いていたことが精肉の伸び続けてきた要因ではなかっただろうか。

  しかし上記要員の後押しに陰りが見えてきたということだろうか。

逆に、鮮魚部門の業績が堅調に回復してきているのも事実であろうか。
この猛暑のお陰で刺身類や生食類が久しぶりに堅調の推移している。

  特にこのお盆商戦では上記生食類が好調だった。

しかし、精肉が不振ということは店舗計にとっては痛い話となる。

  店舗計の売上が低下する。

それは当然のこととして、

  店舗計の荒利額が低下する。

こちらの問題は深刻だ。

  何と言っても精肉は利益頭の筆頭。

精肉部門の需要が低下するといことは、売上に占める荒利額が低下するということである。

  そのマイナス分をどこで補うか。

精肉部門が売上好調な時には、荒利も安定する。
結局、夏の豚肉の相場高が影響して夏の精肉部門の売上が低下し、尚荒利率も低下するのであるから。

  このマイナス分を補うカテゴリは無いだろう。

それだけ、精肉部門というのは店舗における売上と荒利、そしてもっと言うと生産性まで稼いでくれている部門なのである。

  この貢献度は大きい。

よって、この流れを受けて、入り口の青果は不動としても次のコーナーを従来の鮮魚部門から精肉部門へと切り替える店舗は企業が登場してくる結果となった。

  お客様の暮らしにおける精肉の位置付け。

それを考えると、上記のように野菜の後に精肉を配置した方がメニューの連動性も上がり相乗効果が高まるという設定なのであろう。
更には、精肉を最大に強化して強みとし、その強みを活かして競合各社を凌駕している企業もあろう。

  精肉部門を圧倒的差別化としての店舗運営。

それはある意味従来の戦略としては正解だったのであるが、今後はどうなっていくのであろうか。

  やはり私は部門のバランスが需要だと思っている。

精肉の需要拡大は否定しないが、鮮魚部門や果実部門といったトータルでの強みがワンストップを推し進めていく絶対的な手法であると思っている。

  だからある意味鮮魚部門は精肉部門よりも客動線の前に配置すべきであると。

精肉は黙っていても伸びていくもの。

  そう思っていた。

しかし、再びそれを再考すべき時がきたのだろうか。







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コメント

第01肉屋さん、コメントありがとうございます。
いわゆる高質スーパーでしょうか。
一般的なスーパーマーケットと一線を画す高質スーパーでどう収益を上げ地域のお客様の支持を得つつ生き残っていくのか。このような成功事例が数少ない中、どの高質スーパーも手探りの状態なのではないでしょうか。
私は高質スーパーと言えども、何かの集客策は絶対に必要だと思っています。
高質商品ほど多くのお客様に来店して頂き、食べる機会を増やして商品価値を認識してもらわないとジリ貧になっていくだけではないでしょうか。

投稿: てっちゃん | 2019年8月23日 (金) 06時35分

お盆商戦が8月18日で終わってから平日パターンに戻っても、日割りが去年の1日10万も上がっているのでとても平日の予算に達成することが出来ません。
平日はダメージを抑えつつ、売り上げが取れる日に売り上げを取る方針が一番だと感じましたが、そうすると、売れる日にお客さんが集中してますます、平日にお客さんが来なくなるか夕方にシフトされるので、16時まではお客さんが来ない状況が目立ちます。
店長が何も変わらないし、近隣にはイオンのモールや、大黒物産などライバル企業に挟まれて、商圏が重なっている我がスーパーでは生き残りがますます難しくなってきていると思えます。
安い商品ではなく、高い商品を質を高め、質を落とさず、売れる売場に変化させて、お客さんの目に留まる売場に変化させ、足を止めて商品を見てもらうために試食を実施したり、常に社員が売場で手直しをするように心がけたりservice残業をして遅くまで残ったり、帰れる日は早めに退勤したりなど
会社に与えるダメージも軽減させるように私は心がけてはいますが、周りは決してそうではなく、アットホームなスーパーなので、地元民重視ではなく、近隣住民重視のスーパーで新規が獲得できるというよりもライバル企業のスーパーがすごく多く来店するスーパーになっています。
まして私の売場はどこのスーパーよりもレベルが高いものに変化させているので精肉の人やイオンの店長クラス、課長クラスは必ず見に来られます。
自身のある売場なのでほかのスーパーに比べて見劣りは全くしませんが、それでも
安ければいい、早ければいいのお客さんが少なく、会話を楽しむためにくるお客さんや遊びに来るお客さんがイオンに比べると限りなく少ないと感じます。

投稿: | 2019年8月23日 (金) 00時51分

sakaeさん、コメントありがとうございます。
その部門にも言えることですし、これは商売の原理原則なのかもしれませんが、定番の品揃えを順次見直し、その品揃えの中で単品強化を図りながら一品一品を強化していくことと、更にはその定番品揃えからC商品を改廃しながら順次新規商品を入れ替えていく。
そんな商売の原理原則が長い間の好調時の油断から忘れ去られてしまったのではないでしょうか。
再度、商売の基本に立ち返る必要があるのだろうと思うのです。

投稿: てっちゃん | 2019年8月22日 (木) 23時34分

精肉はここ2、3ヶ月、値引きが多く調子が悪いです。売り上げを上げたいためか、安売りをするので荒利も取りにくくなっています。
しかし、好調なカテゴリーもあります。ローストビーフなどの生食関連は動きが好調です。
従来と同じことをしていたらジリ貧になっていくと思います。あちらの会の投稿にもありましたが、次々と新しいことをお客様に提案していかないと精肉は伸び悩むと思います。

投稿: sakae | 2019年8月22日 (木) 19時07分

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