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2019年8月15日 (木)

あるべき売場

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


あるべき売場。

  これほど個人によっての捉え方の違う概念も無いだろう(笑)。

そして、そのあるべき売場という表現も、売上規模や時間帯別の売場の維持によっても全く異なる状態を指すことになるからであろう。

  あるべき売場の維持。

そうなると、裏側にある数値の維持、荒利率の安定等を考えると、これはもう個人個人での捉え方によって全く異なってくるであろうと思ってしまう。

  売上の高低で午後6時のあるべき売場の状態は全く異なることになる。

そして、それは部門別にも全く異なる売場を想定しなければならないであろう。

  店舗別にあるべき売場が普遍なのはグロサリー部門のみであろう。

よって、グロサリー部門においては、どの店舗もあるべき売場が誰でもどこでもどの時間帯でも明確にイメージできるであろう。

  それは欠品ゼロの前出しされた整然として売場。

グロサリー部門だけは、どの時間帯でもどの曜日でも、どこの売場でも上記のあるべき姿として定義できるし、誰でも同じイメージで捉えやすいから、その為のしくみ作りもやりやすいであろう。

  そしてそのあるべき姿の追求が数値達成に直結するであろう。

しかし、生鮮部門、特に鮮魚、精肉、惣菜、ベーカリー部門の業績と言えば、定番のあるべき売場作りだけでは乗り越えられない壁があるのも事実であろう。

  乗り越えられない壁。

これは、相場判断、価格設定、商品化作業、そこから自店の発注数量を決定して意志を持って発注し、入荷、商品化、陳列等の過程をへて売場に陳列されるのである。

  この時期、この商品がいくらなら、当店ではいくつ売れる。

そんな背景から自らの意志で発注を起こすのである。
そして、そこに個人の意志が以下のように違ってくるのも事実。

  この時期、この商品を俺ならこの売価でいくつ売ってみせる。

ただ黙って本部指示の通りの売価なら、この程度の販売数量だろうから、その数量を発注するのか、俺だったらこの売価でこんな商品化をして、こう陳列すればこれだけ売ってみせるから、それだけ発注するという違い。

  この領域になると仕組みかは難しい。

個人の持つ販売技術とそれを引き出す引き出しの数と、引き出そうとする意志。

  これらが備わって初めて異常値が生まれるのである。

その異常値を生み出す仕組み作りを構築しなければならない。

  それには最終的には素直な評価制度の導入も必須となろう。

そんな仕組みが整い、生鮮部門の人材がより高い意志を持って仕事に取り組み、各々の販売技術を駆使して結果的には最大値の発注を起こし、買い上げ率を高めていく企業風土が構築できれば、製造部門の強みを発揮して、時間帯別のタイムリーな製造陳列と、その52週の応じたお客様の志向にあった商品の展開が可能となり、それが結果に直結していくのである。

  あるべき売場。

グロサリーと同様に他部門のあるべき姿をイメージすると、そこから先に進めなくなってしまうであろう。

  そしてグロサリー的あるべき売場の追求はグロサリーでしか通用しない。

そこをお互いに認識しなければ、無駄なロスを増発するだけという高い壁にぶつかることになるであろう。








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コメント

dadamaさん、コメントありがとうございます。
高原の店長さんは「ばっくれ社員」に怒りを込めた売場事例の報告のような気がしますが(笑)、それにしても徹底したお盆ご馳走の積み込みは見ていて圧倒されますね。道理で業績に跳ね返っているわけです。
そして当然それは当店の花屋さんにも言えること。
但しあの花屋さんはここ数日不眠不休で花束の製造に奔走していたのも事実。
その強い意志と行動力には脱帽です。

投稿: てっちゃん | 2019年8月18日 (日) 00時17分

遅くなり申し訳けありません(笑)。最近の仕事から現場の新鮮な感情で語れないのが寂しい限りです。あちらの会でとある高原近くの店長がお盆事例を挙げておられましたが、普段の綿密な戦略からお盆での大勝負。見てる方も実に気持ちの良い売場でした。あのボリウムと鮮度感。売上も利益もきっちりとついて来てる。素晴らしいと思いました。お盆と言っても平日の信頼があってこそと思うのです。てっちゃんのお花屋さんと相通じるものを感じたのは私だけでしょうか(笑)。

投稿: dadama | 2019年8月17日 (土) 19時01分

お肉屋一番さん、コメントありがとございます。
人それぞれの売場の維持の仕方や方針。
そこの部分に関しては、企業色や経営色があろうともチーフや主任の考え方一つで大きく違うもの。
その商売の考え方は上司の影響を大いに受けるので良い上司には就きたいものですが、それも運が命運を握っているもの。しかしその命運を生かすも殺すも自分次第でもあり、結局は自分の仕事への取り組み方次第に帰っていくのでしょうね。

投稿: てっちゃん | 2019年8月16日 (金) 21時39分

デスクトップパソコンが壊れて見るのが遅くなりました。
スーパー履歴では
まず広島の名の知れたスーパーで初めてレジうちのバイトをして
大黒物産 イオンと色々経験してまいりましたがグロサリーはイオンが一番勉強になりました
エンドの作り方や売り方の並べ方など三代の主任に使えてきましたが人それぞれと売場の維持のしかた方針があり 最後の主任に本当にお世話になり心から感謝しております。
グロサリーがなければ今の私がなかったとも言えるほど知識と経験と発想力を叩き上げられ勇猛に戦ってまいりましたが
それでも社員になれず金は少なく不満がつもり辞めるに至りました

投稿: お肉屋一番 | 2019年8月16日 (金) 21時24分

k.kさん、コメントありがとうございます。
来店動機というお客様の買い物行動という意味では、鮮魚部門に対する来店動機には価格以上に鮮度と相場感がついて回るような気がします。
そしてそれが定番以外のフリースペースで如何に展開できるかがポイントでしょうか。そしてその日々の継続が地域のお客様の口コミとなり来店動機がどんどん広がっていくのだろうと思います。

投稿: てっちゃん | 2019年8月15日 (木) 06時19分

この記事に共感します! 生鮮の売場は毎日入れ替え。数日前に立てた販売計画も当日朝まではあくまでも仮リのもの。当日の送り込みや魚の顔見て判断。フェイスも曜日や天候で変えるから朝は早く入らないと間に合いません。この天候で夜も残らねばならないから就業の工夫しないと人件費オーバーになります。当店の店長は鮮魚上がりなので逆に売場動かさないと注意、指導されます笑 何を何処で幾ら売るか。当たれば気持ちいいけど当然ハズレもある。特に生魚と果物はギャンブルですねー だからこの業界はパチンコ好きが多いのでしょうか

投稿: k,k | 2019年8月15日 (木) 04時48分

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