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2019年8月24日 (土)

同じ土俵で戦わない

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


同じ土俵に上がる。

  そうすべき場合とそうすべきでない場合がある。

そうすべき場合とは、仕事上での競争の場合や競合店との競争の場合が挙げられる。

  競合店との鮮度、価格、品質、品揃え、メンテナンス等。

要は売場のあるべき姿に対して、しっかりと同じ土俵上で素直に戦い、お客様の支持をどう取り込んでいくか。

  この事を無骨に正面から取り組んでいく事。

同じ土俵とは、決して逃げずに競合店や競争相手と同じステージに立って比較対照しながら自店のレベルを高めていく事である。

  同じ土俵に立てばそこから逃げることは出来ない。

これが同じ土俵に立つという意味である。
そして、正々堂々と同じ土俵の上で相手と決着を付けるのである。

  それが同じ土俵に立つという意味。

それはある意味、覚悟が必要となる場合が多い。

  相手と同じ土俵で正面切って立ち会うのであるから。

そして、決着が付くまでぶつかる覚悟。
それが必要であろう。

  そして同じ土俵で戦ってはいけない場面。

それは、部下との関係。

  部下との関係において同じ土俵に立ってはいけない。

特に、部門チーフとパートさんとの関係においては、同じ土俵に立ってしまうとどうしてもお互いが感情的になってしまい、遺恨を残す結果となってしまう。

  こんな時は上司は決して土俵に上がらないことである。

部下が土俵に上がって塩を巻き始めても、それを冷静に見つめてその一挙手一投足を見守ることである。
そうしているうちに、相手の戦意が喪失するのを待つのである。

  その間はひたすら相手の言葉に耳を傾ける。

耳を傾けている間も、決して土俵に上がってはいけない。

  土俵に立ちたくなる気持ちはわかる。

しかし、相手が両手を土俵につけて立会いのポーズをとっても、その立会いに上がっていはいけない。

  黙って話を聞き続けることである。

特にパートさんの場合は話を聞いてくれたという事実だけが心の拠り所となる。
上司にとっては、部下と同じ土俵に立って、叩きのめしてやりたいという願望が沸々と湧いてくるものである。

  どうしたって上司の方が武が良いに決まっている。

それを利用して力尽くで部下をこてんこてんに言い負かしてやろうとするものである。

  しかしそれがどれほど信頼を失う結果となるか。

そうやって、いつしか自分の周囲から人が去っていくのであろう。









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心のあるべき姿」カテゴリの記事

コメント

ただのバイトさんへ、
私は今でも現在のスーパーマーケットの部門の中で一番エキサイティングなのは青果部門だと思っています。
特に果実は担当者の腕次第で格上のスーパーをも凌駕できるカテゴリー。
ここで仕事を経験できるのはある意味幸せなこと。
そして青果部門は店舗内でも一番集客要素の高い部門ですから、自分の店舗内でも店舗全体の集客力獲得の為に常に攻めの売場を提案しています。そして利益よりも何をどう売れば一番集客力を高めることができるのかを青果部門には指示しております。逆に言うと利益は利益部門にでしっかりと稼いで頂くと言う役割分担。ただしそれは部門担当者の独断では判断できない部分になっていくのですが。

投稿: てっちゃん | 2019年8月28日 (水) 09時43分

なるほど、ありがとうございます。
しかし現状はほど遠いですね…
利益を取ること、売変を出さないことが先に来てしまう…
利益を取ることが目標なのはそうなのですが、昨年のデータを見ていくつ売れたか把握して、売れる分だけ陳列して価格下げをしないように、ということが至上命題なのです…
確かに利益は取れますし、昨年のデータを参考にしなければならないのもわかります。それらを明確に否定する理論はありません。
でも何かが違うんです。楽しくないんです。
確かに売変は減らせますが、予想外の客数だったりすると欠品も目立ちます。
そもそも若い今のチーフ自体がこれからはデリカや簡便化の時代だから、青果なんか昭和の時代の遺物という考え方の人で…

投稿: ただのバイト | 2019年8月28日 (水) 01時02分

ただのバイトさんへ。
売る楽しさ。
それは簡単です。
自分で「いくつ売る」という計画を立て、自分で仕入れて自分で売場を作って売ってみる。
この繰り返しから色々な販売手法が身につき、いずれ異常値と言われるほどの数量をこなせるようになってくるもの。
この領域になれれば、日々売る楽しさに溢れることになると思います。

投稿: てっちゃん | 2019年8月28日 (水) 00時02分

またまた、こんな長文でのご返事で、畏れ入ります。
これだけでブログの本文になりそうな感じの話ですね。
僕らはいつも「引き算の世界」で働いているので、「足し算の世界」は経験したことがありません。
本当の売る楽しさを知らないのかもしれません。

投稿: ただのバイト | 2019年8月27日 (火) 19時32分

hataboさん、コメントありがとうございます。
以前にhataboさんの事例報告を聞いた時に、パートさんの話を徹底して聞いてあげることの効果を報告されていましたが、全く同じことだと思います。
そして同じ目線の高さで話を聞き、多角的な視点で結論を出す。これが上司と部下の関係ではないでしょうか。
それを同じ目線で同じ土俵に上がってしまうと、これはもうぶつかるしか無いという関係に必然的になっていくのだろうと思います。

投稿: てっちゃん | 2019年8月25日 (日) 06時31分

ただのバイトさん、コメントありがとうございます。
加点方式と原点方式。
なるほどと思いました(笑)。
私も鮮魚チーフという職位の時は加点方式で仕事をしていた思います。
それはどういうことか。
私が鮮魚チーフの頃は、まだまだ営業時間も短く通しで仕事をしていたということ。それと仕入れも市場に買い出しに言って一部の企画商品は自分の目利きで仕入れて販売手法のイメージを抱いたまま数量を決定して仕入れていました。よって、単品の原価も把握し仕入れ金額トータルの原価も把握していたから、トータルでいくら売れば元が取れるという発想を持つことができた。その元を取るまでは必死に知恵を働かせて売場作り、SKU作りをして販売力を高めて売り込み、元が取れた瞬間から、残りを売上が儲けとなることを把握していたから、それはそれは儲けを作るために必死で閉店まで売り尽くし、その日の儲けを仲間とほくそ笑んでいました。
それはある意味「商売の原点」と言えるでしょう。
現代は企業力によって役割が分担され、開店品揃えをする役割、午後から単品を積み込む役割、最終で売り切る役割と分担されたことにより、自分で仕入れて自分で売り切り儲けを作るという商売の原点が一人の人間で通しづらくなっているのがスーパーの仕事の流れですから、各パーツ毎に「あるべき姿」というマニュアルを作成し、そのあるべき姿に近づくことが自分たちの仕事(ビジネス)として定着してきていることが、専門店とチェーンストアの商売と仕事の違いになってきているのではないでしょうか。
我々が売る楽しさを満喫するように、お客様も買う楽しさを満喫するもの。そう考えると、「あそこのお店でゴーヤ5本で100円で買っちゃった(笑)」という、あのお店で買い物をして得したという楽しさがそこにはあるのでしょう。それが20分も並んでも厭わないお客様心理でしょうか。
そしてそんな競合店の出現に我々チェーンストアはいかに対抗していくのか。
それはやはり「同じ土俵」に上がらない限り解決できない問題だと思います。
そして、専門店が一番嫌な手法を一つだけ選択して徹底的に実行する。その効果は大きいと思いますよ。

投稿: てっちゃん | 2019年8月25日 (日) 06時28分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
店長ほどいろいろな顔を持たなければならない存在だと思いますよね。
それが、一つの顔だけで通そうとすると一方の箇所でぶつかること必至。
そしてその顔の広さというものは二刀流、三刀流の別の場所で鍛えられるものなのかとも思います。

投稿: てっちゃん | 2019年8月25日 (日) 06時11分

肝に命じます(笑)
あんまりそういうこと考えたことありませんでした。
同じ土俵で戦わない、最初は同じ目線でいなきゃダメでしょ会長、って思いましたが読んでいくうちになるほどなと納得しました。
話を聞く、すごく大事なことですね!

投稿: hatabo | 2019年8月25日 (日) 05時26分

あまりブログの内容とは関係ない話になってしまうと思いますが…

同じ建物の中に青果の専門店ができて大打撃だという話を以前しましたが、画一的な大手食品スーパーのチェーンストアの論理というのでしょうか、そういったものに限界を感じてしまってこのままこの道に進んでいいのか、わからなくなっています。

一番の違いは原価を基準に考えるか、売価を基準に考えるかです。

専門店の方は2か所しかないレジにいつも長蛇の列です。夕方にはもう売り切りが始まっていて、だんだんゴーヤ5本で100円とか、ねぎ7本で200円とか、こちらでは到底信じられない破格な値段になってます。こっちでこんな売り方をしたら怒られますからね。
例え20分レジに並んだって、鮮度のいい野菜が安く欲しいというお客さんはこれだけいるのかと驚きます。(しかし、上手く乗せられてつい買っちゃったけど後になってゴーヤ5本もどうやって食べようかしら、というお客さんも多いです、笑)

彼らは仕入れた商品の原価の総額を越えたり、越えられる目途が立ったりしたら、もう全力で残りの商品をお金に換えてきます。100円だろうが10円だろうが、お金に変われば全部利益です。売れれば売れた分だけ利益になるとなると、店員の勢いが全く違って、本当に楽しそうです。彼らは「利益を取るために安売りする」のです。

しかし僕らのスーパーは売価を基準に考えるので全く思考方法が違います。建値を基準に「なるべく少額の割引で」が合言葉なので、「利益を取るために安売りするな」「売変を出すな」なんです。

ほとんどのスーパーは定価から段階的に割引をして行って売り切るというやり方をしていると思いますが、
これは100点満点の持ち点からだんだん減点されて最終的に残った点数が評価になるという減点方式の考え方です。
一方、専門店の売り方を見ていると向こうは加点方式です。売れば売る分だけプラスされていくので、価格・ボリューム・店員の表情や威勢のよさなど、全ての面で売り切りの迫力が全く違います。

以前野菜は減点されていく、果物は加点してくれるということをコメントで書いたと思いますが、この減点方式の評価方法と言うのはとても辛いです。
思考回路が知らず知らずマイナス思考になって行きます。組織の風土として減点されないことが重視、優先されていくので、挑戦するよりも失点しない売り場作りになります。可もなく不可もなく、そつのない売り場、でも面白くない。必要なことを必要なだけやって終わりです。
また、業績が上がらないのはどこかに悪い部分があるからで、それを洗い出して改善しろということばかりで、良い部分を伸ばして業績を上げさせようという思考回路にはなりにくいです。たまに来るお偉いさんたちは売り場の粗ばかり探して、何日までに改善して写真やレポートを提出しろと言って帰ります。
それらがもっと蔓延して、社員たちはいつしかお客さんの顔ではなくて、課長や店長や事業部長や支社長の顔を見るようになる。どこ見て商売してるの?と。

原価から考えるか売価から考えるかの違いが、結果的に大きな違い(加点方式→ポジティブシンキング・プラス思考、減点方式→ネガティブシンキング・マイナス思考)を生み出していしまっているような気がして、
夕方の専門店の活気ある売り場を見てとても羨ましく思いました。

投稿: ただのバイト | 2019年8月25日 (日) 04時21分

私は土俵に乗せられてきましたかね(笑)。逃げ出したいのに土俵に放り込まれおちょくられる(笑)。
そんな姿を見るとメンバーやパートさんは心開いてくれて結果店舗がひとつのチカラになっていけたと思います。店長の肩書なんて店内でひけらかしてもろくな事はありませんね。クレーマーが来るとメンバーにはモテモテですが(笑)。

投稿: dadama | 2019年8月24日 (土) 11時51分

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