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2019年7月17日 (水)

ダブルコンコース

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


ダブルコンコース。

  この業界ではよく使われる言葉である。

コンコースとは、青果入口を入ってそのままスーパーマーケットの生鮮沿いに一番大きな通路を鮮魚部門〜精肉部門〜惣菜部門〜ベーカリー部門と続く直線を言う場合が多い。

  スーパーマーケットの店舗の中で一番の大通りである。

そして主に、青果〜鮮魚〜精肉〜惣菜が店内の外側に配置され、内側には果実や日配、食品エンドが並ぶことが多い。

  ここでの売上が店舗の7割を占めるであろう主力通路。

コンコースは主通路とも言われているのである。
そして、入口から入って青果から鮮魚につながるコンコースは、まず青果の平台が広大に設置され、平台の外側と内側には通路が配置されている。

  主にこの二つの主通路がダブルコンコースと呼ばれる部分である。

よって、概ねのスーパーの店内レイアウトは、青果〜鮮魚ではダブルコンコースと呼ばれる所以である。

  そして最近はダブルコンコースが鮮魚〜惣菜のラインにまで広がっている。

鮮魚部門から惣菜部門までのコンコースも、青果〜鮮魚のライン同様に大きく幅を取り、その通路に鮮魚、精肉、惣菜類のフリーの冷蔵平ケースを配置して、特に精肉のバーベキュー用途の大型パックや冷凍商品、味付け商材等を冷蔵平ケースに展開して、単価アップや点数アップを図る店舗が増加して生きたように思う。

  逆に言うと食品他のグロサリー系が縮小されるパターンとなる。

敢えて、グロサリー系を縮小してでも精肉他の生鮮を強化しようとする店舗レイアウト。

  我々食品スーパーはますますこの方向性に舵を切ることになるだろう。

それが、この業界が生き残る道であり方向性であることが、昨今のこの業界を取り巻く環境の変化として急速に浮上してきていることを物語るものであろう。

それだけドラッグやネットスーパーとの異業種競争においても差別化できる部門は生鮮惣菜であり、特に昨今の精肉の需要拡大はその方向性の中にあっても最強化部門であることは間違いないことである。

最近はようやく鮮魚部門も復活の兆しが見えてきたとはいえ、精肉部門との売上の格差は歴然であり、その差が縮まることはないであろう。

  精肉でストアロイヤリティを高め競争を勝ち抜く。

その為にも、精肉前の通路幅を広く取り、定番売場以外にも企画の平台を使用して単品量販を図り、精肉で集客できる店舗を目指すと言う戦略。
そんな方向性に舵を大きく切る為に、敢えて店舗レイアウトも従来のスタイルから大きく方向転換して、精肉前の通路もダブルコンコースに再設定してリニューアルを図る店舗や、開店当初からダブルコンコース設定して出店するパターンが増加してきたように思える。

また、青果〜鮮魚〜精肉の店舗レイアウトを、青果〜精肉〜鮮魚の店舗レイアウトで展開する企業もチラホラ増加してきているように思える。

  こうれも上記の構図であろうか。

食品スーパーが更に自社や自店の強みを磨き、群がる競合の中から選択して頂くか?。

  試行錯誤の時代は続くでしょう。









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コメント

ただのバイトさんへ。
ただのバイトさんの熱意に応えるためにはどうしても長文になってしまうのですよ(笑)。
そしてそれだけこの長い文章を書いていて自分の考えが整理できるというメリットを享受しているのです。
ありがとうございます。

投稿: てっちゃん | 2019年7月20日 (土) 00時45分

こんな長文でコメントを頂き、ありがとうございます。

ちなみに私のお店は同じモールの中にあります、笑

おっしゃるように商品力や販売力で真っ向勝負を挑むならいいのですが…
結局そこで勝負できないから、均衡縮小しない安易な道として営業時間の拡大を選んでしまう…これは絶対にやってはいけないことだと思いますね。
そりゃ競合店が営業しない早朝、深夜に店を開けていればある程度奪われた売上は戻って来るのでしょうが…
しかしその代償は大きいです。

投稿: ただのバイト | 2019年7月19日 (金) 12時04分

ただのバイトさん、コメントありがとうございます。
→真っ向からの反対意見。
とありましたが、私にはこのブログのフォローのように思えるのですが(笑)。
食品を購入されるお客様の最大の来店動機は「近い」から。
よって、どんなに大きな店舗や専門店が近隣に出店したとしても、より自店に近いお客様はやはり自店を選択するウェイトは高まるでしょうからいずれは極端なダメージは薄れていくもの。
しかし、当面は嗜好品とされる、鮮魚と果実はより魅力のある新規出店の専門店に奪われる可能性は高い。それは自店の鮮魚と果実の魅力度にあると思います。
この二つの部門は普段の食材を提供するスーパーにとって一番のリスク部門だからです。特に昨今の人材不足により人員が少なくなり、同時に以前ほど購入頻度が低下した鮮魚では品揃え自体がリスクとなり魅力度が大幅に低下してきたことが大きな理由でしょうか。更に果実に対しても価格を意識した品揃え型の売場志向が52週の旬のダイナミックな専門店の展開と比べるとどうしても見劣りしてしまうもの。そこに専門店の単品量販力を見せつけれると、嗜好品として果実を食べたいお客様はちょっと遠くても魅力のある売場へ向かってしまうもの。
鮮魚も果実も商圏が広いと言われる所以でしょうか。
よって、従来の枠にとらわれずにお客様の変化や競合の変化に敏感に変化対応して自店の魅力をワンストップショッピングの中で拡大しようとすると、限られたスペースのレイアウトの変更をしてまでも主通路を強化してより近いお客様の来店頻度を高める最新のレイアウトで検証しようとする企業が増えてきたと言えるのではないでしょうか。
従来なかったところに新たに同業他社が出店したら、どうしたって影響は出るもの。そして当面は鮮魚と果実に影響が出るのは従来から同じ。それは上記特性の所以でしょうか。
そして、とは言っても生鮮で勝負しようとするスーパーはブログの通り生鮮強化を図り、自信の無いスーパーは縮小均衡を余儀なくされる時代に向かっているのではないでしょうか。

投稿: てっちゃん | 2019年7月19日 (金) 06時31分

真っ向から反対意見を述べてもいいでしょうか?

最近、競合する大きなモールの中に、青果の専門店、鮮魚の専門店、そして肉の専門店がそれぞれ集まって出店しました。
そのことで私の働く食品スーパーは大打撃です。
新店、そして専門店だけあって、質も価格も歯が立ちません。正直商品だけを見ればお手上げです。
特に魚と果物は日割り昨対の6割程度までの落ち込み。どうしようもないレベルです。

ところが、向こうは八百屋、魚屋、肉屋がそれぞれ個別になって集まっているだけなので、それぞれ野菜を買うなら八百屋のレジに、肉を買うなら肉屋のレジに、それぞれ並びなおす必要があります。
各店舗のレジは長蛇の列です。そして果物やお刺身はそれ自体を買えば用は済みますが、野菜となると、それだけでは料理の食材が揃わないため、別に調味料などは買い直す必要があります。ですから野菜に関してはほぼ昨対の9割程度の落ち込みで済んでいます。
また肉の場合は専門店は高級なものばかりで、毎日の消費に耐えうる安価な豚肉などは品揃えしていないために、こちらも影響は比較的少ないです。

今ほど、真ん中の加工・日配売り場がある有り難味を感じることはありませんね。
八百屋や肉屋や魚屋は独立して存在できます。しかし真ん中の部分、特に名の知れたメーカーの商品を広く薄く扱うだけの専門店と言うのは存在しません。
生鮮はお客さまを連れて来ることができますし、スーパーの華ではありますが、スーパーの本質は真ん中の売り場だと思います。あのスペースがあるからスーパーマーケットなのです。
専門性はなくとも、広く薄く、幅広い品揃えで来店される限られたお客様の様々な志向に応えることができる、これが食品スーパーだと思います。
ただ雑然と品揃えしているだけならドラッグに負けます。

投稿: ただのバイト | 2019年7月19日 (金) 02時51分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
店長の意思やモチベーション。
しかしそれが尖りすぎると「次のことも考えろ」と叱責される。
昨日の会話が蘇りますね(笑)。
しかし意思を全面に押し出して既存の常識を突き破っていくモチベーションを殺してしまっては企業としての進化は絶対に望めないもの。
そこに一人一人の仕事観や人生観がが現れるもの。どうせなら後悔のない人生にしたいものです。

投稿: てっちゃん | 2019年7月18日 (木) 14時59分

昨日はお先に失礼致しました。あれから闘いは何時まで続いたのでしょうか(笑)。ドラッグやディスカウンターがグロッサリーを当たり前に扱い、更には高齢化・少子化・未婚率増加と食のパイが減少する中、既存の食品スーパーは生鮮や惣菜に主軸をシフトせざる得ないのが現状ではないでしょうか。生鮮は人材が集まりにくい業種であり、従業員が働き甲斐や仕事の誇りを如何に持てるのか。ハードを立派に作ってもルーティン業務は現場が回すのですから。やはり店長の意思やモチベーションが大切になってきますね。

投稿: dadama | 2019年7月18日 (木) 09時05分

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