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2019年6月22日 (土)

果実は腕次第

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


先日のてっちゃん会での後座の事例報告会。

  いろいろな取り組みが報告された。

その中で、果実に関する話題もあった。

  企業として果実の売り上げウェイトを高めること。

そのことで、ストアロイヤリティを高められるという仮定からの果実強化への取り組み。

  果実とは嗜好品。

よって、同じ青果部門の「野菜」とは異なり、嗜好品であるがゆえに「食べたい人が食べる」食材である。

  嗜好品とは特別に日々食さなくても良い食材。

日々の主食やご飯、味噌汁とかは人間の栄養分もあり、日々の摂取が必須となるが、例えば、お酒やコーヒーのように「風味や快感を味わうための飲料や喫煙物」を指す。

  そう考えると果実もそのような食材に入れることもできるだろう。

果実といと、みかんやりんごなどのように、我々日本人に慣れ親しんだ果実から、キウイ、バナナ等のように輸入果実ではあるが従来から生活に溶け込んだ商品もあろう。

更に、輸入ぶどう、輸入柑橘、輸入チェリーのようにその季節に応じて入荷する果実もあれば、さくらんぼやメロン、すいかのようにその季節に集中して消費される果実も多い。

  要は一年中安定した食材では無いということ。

ここが、果実が嗜好品に分類される所以ではないだろうか。
そして、この一年中安定して売場を作ることができないという要因から、その瞬間瞬間の売場作りと売り込みが発生するということである。

  一年中安定しない入荷。

それは、一言で言えば鮮度落ちも早い商品が多いということでもある。

  一年中安定した入荷が無く鮮度落ちも早い商品群。

青果の担当者からしたら、取り扱いたく無い商品群であるといえよう。

  その時期だけ売場を変えて売場を作る。
  しかし鮮度落ちも早いからロスも出る。

そんな事情から「売り切りごめん」としてロスの出ない売り方に徹しリスクを回避した売場作りになる傾向が強い。

  要は果実とは黙っていれば縮小均衡になる傾向の強い商品群であると言える。

更には、そこに旬の走り、盛り、名残りという推移があり、また産地や品質によって味の違いが大きいというカテゴリー。

  そこが果実を嗜好品のカテゴリーに括られる要因でもあろうか。

よって、野菜類とは比べ物にならないほどのリスクを伴う商品群であると言えよう。

  経験と勘と度胸を有するカテゴリー。

だから、企業規模とか店舗規模、客数の格差とは無縁の売場と販売数量が産まれるのである。

  要は担当者の腕次第で売場と売り上げが変わるカテゴリー。

そして、味や品質、そしてその瞬間において価格も大いに左右する売場作りが可能なカテゴリーが果実部門であると言える。
そこに着目して、果実を強化し競合店との差別化を図り、ストアロイヤリティを高め、客数増を図ろうとする企業戦略。

  そしてそれを受けての店長としての取り組み方。

青果出身、果実大好きと言う店長ばかりでは無い。

  店長の出身部門も多士精々。

都合よく青果出身者ばかりではないだろう。

  鮮魚もいれば精肉もい、惣菜、ベーカリー、グロサリーと多岐にわたる。

それらの多岐にわたる出身部門ではあるが、特に果実を強化すると言う方針にいかにスピーディーに追随し、そこの部門特性を把握して競合店以上の売場と売り上げを誇れるようになれるか。

  それが店長の仕事であり販売力でもあろう。

そう言う言う一つ一つの店長としての取り組みが店長をしてより高い販売力を身につける大いなるチャンスであり、旬や52週という我々業界のキーワードを身につけるチャンスでもあるのだ。

  さて今週はいよいよ「佐藤錦さくらんぼ」の最大ピーク時期。

この週末に打ち出す店舗、様子を見る店舗。

  ここに担当者の腕が見え隠れするタイミングであろうか。






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商売」カテゴリの記事

コメント

てつろうさん、コメントありがとうございます。
おかげさまで順調に推移しております。
本日も予定通り仕入れた数量を売り切るのみでございます。
この繰り返しが、特売や客数とは別に「果実ならあのお店」という評判になり、その旬の果実は全て地域の消費を一手に引き受けるお店として確立されていくのでしょうね。

投稿: てっちゃん | 2019年6月23日 (日) 06時25分

sakaeさん、コメントありがとうございます。
まさに牛肉は嗜好品であり、お客様にとっては特別な日に特別な食材として食されるものだと思います。よって、普段使いの牛肉もあれば、特別な日の牛肉も必要であり、その目的のためには特別なお店で安心して買い物ができるというストアロイヤリティーを獲得できるチャンスであると思います。
牛肉が強くなるとイベントに強くなり、その延長線上に店舗としての強みが加わることになると思います。
しかし、リスクも多い。よって周囲の競合店はやりたがらない。やりたがらないからますます自店のロイヤリティが高まる。そこに店舗規模とは異なる果実のような担当者の腕次第の部分が生まれるのだと思います。

投稿: てっちゃん | 2019年6月23日 (日) 06時21分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
果実を嗜好品と位置づけ、企業として全面的に強化していく方針。そしてそれを受けて一店長が自分なりに試行錯誤しながらそのコンセプトを自店で実現していき成功体験を増やしていく。
まさに理想の店長の成長過程ではないでしょうか。
彼が最後に、そんな情報をFacebookに積極的にアップしていきましょう、と言っていたのが印象的です。

投稿: てっちゃん | 2019年6月23日 (日) 06時16分

店長のおっしゃる通りです。佐藤錦の成功をお祈りしております(笑)。

投稿: てつろう | 2019年6月22日 (土) 22時07分

精肉部門において牛肉は嗜好品だと思います。
dadamaさんの言葉を借りれば、豚肉、鶏肉は必需品、牛肉は嗜好品です。
特に、国産牛を買うお客様は値段を見て買っていないです。値段が4桁の商品でも躊躇なく買い物かごに入れています。
ここ最近、私の地域では国産牛に力を入れている店が少ないので、リスクはありますが、絶好のチャンスだと思っています。

投稿: sakae | 2019年6月22日 (土) 20時54分

私の現役時代を彷彿させる話題をありがとうございます(笑)。野菜と一般食品は必需品、お菓子とフルーツは嗜好品。意外とこの特性を理解して売場を構築する担当者や店長は少ないですが、20幕で発表して頂いた若き店長は旬のフルーツでトップを飾り、クローズでお菓子の単品量販を仕掛けるという商品特性と客動線も計算した素晴らしい発表でしたね。結果も出しているのでなおさら説得性がありますね。
消費者心理をついて如何に財布の口を開けさせるのか。小売業を心理学とリンクすると色々な仮説が立てられ商売は楽しいと感じると思います。

投稿: dadama | 2019年6月22日 (土) 18時48分

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