店長の理想像
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
店長の昇格時に誰でも思うこと。
“理想の店長になろう”
そう決意して、赴任早々から目指す理想像へ向かって猛進した記憶がある。
しかし・・・ 。
店長赴任の初めてのお店では挫折の連続であった。
なぜか?。
現状否定から全てをスタートさせたから。
あれが出来ていない、ここがやれていない。
そんな表面上の現実を否定し、理想の店長像を目指すべく改革に乗りかかろうとした。
“上から目線で指示すれば全て解決していく筈だ”
理想の店長像を目指して、初めが肝心とばかりに、一番大切な人間関係をさておき表面上の不備への対応を強引に進めていった。
結果としての「孤立」。
だから、始めてのお店はいい思い出が無い。
要は、理想の店長像を目指した結果からの部下からの離反。
そう考えると、理想の店長像とは店長自身の錯覚であって、本当に現場も含めた企業という視点で捉えた場合の理想の店長像とは違うということを証明された格好である。
理想の店長像の錯覚。
新任の店長として、本部や企業が捉える理想の店長とは、本部視点で現場を捉え「店舗としてのあるべき姿」を実現できる店長を理想の店長像として捉えているのであろうし、それを忖度して新任時代の私はそれに邁進したということであろうか。
しかし現実にはそう甘くはなかった(笑)。
店舗としてのあるべき姿を実現するのは、店長をリーダーとしながらもその概ねの具体的行為者は店舗の担当者でありパートさん達である。
そんな現場のリアルな部下たちとの信頼関係。
そこが曖昧なままでは、あるべき姿など絵に描いた餅だ。
そして、そんな信頼関係を得るにはそれ相応の時間を要するものである。
“この人はあちら側の人かこちら側の人か?”
あちら側(本部側)からの手先なのか、こちら側(現場側)の同志なのか?
現場のパートさん達はここを見極めているのである。
こればかりは、口先でハッタリを噛ませればなんとでもなる本部への顔とは裏腹に、一発で化けの皮が剥がされる場所なのである。
そんな表裏の顔も現場のパートさん達はしっかり見極めている。
“あの店長はトップが来るとえらく態度が変わるのよね”
逆に店舗内では苦虫を噛み潰したような不機嫌な顔で日々の挨拶をし、めったに売場には出てこないで店長室に籠り、何をしているのかわからない。
そんな後ろ姿をしっかりと現場の人間達は評価しているのだ。
よって、いざという時に「あるべき姿」と言っても、誰も踊らない。
大切なのは、“こちら側の人間”としての信頼関係。
常に、現場の従業員と共に店舗を盛り上げ、あるべき姿を目指し、そしてお店と従業員を守るスタンス。
それが一貫して貫かれるから現場の信頼が揺らぎないものとなるのであろう。
誰でも始めは錯覚を起こす理想の店長像。
それもやはり失敗を経ながら体得していくものなのであろう。
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コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
企業の一員といして如何に確実に一店舗を経営するかという側面と、周囲の競合店との競い合いから如何に競合店からお客様を吸引するかという側面。
要は攻めと守り。
特に近年は攻めに強く、ジリ貧状態を克服できなければ生き残れない環境になってきていることは間違いないですね。
競合に強い店長。
そんな存在になりたいものです。
投稿: てっちゃん | 2019年5月26日 (日) 06時48分
あるべき店長像も企業によって違いはあると思いますが、私の場合もてっちゃんに近かったですね。店長はその店舗の最大利益化を引き出すのが務めであり、その要はメンバーのモチベーションを最大に引き上げるかだと思うのです。もちろんその根拠建は必要ですが。企業の指針に基づき店長権限をどれだけ駆使するのか。私は本部と闘う為の店長権限であったと思います(笑)。本部を否定する訳でもないし重宝する事も多々ありますが、店舗が疑問に思う事は店舗の責任者として問う姿勢は必要ですし部下はその姿を見てますから。
投稿: dadama | 2019年5月25日 (土) 21時49分