「走り」の重要性
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
今日は、「走り」について。
別にマニュアル車の「走り」についてではない(笑)。
それは先日の「再び欧州車」での話題。
今日は旬としての「走り」「盛り」「名残り」について。
果実には、3つの旬があると言われている。
いわゆる「はしりもの」「さかりもの」そして「なごりもの」。
まず「はしりもの」とは、その季節にはじめて収穫され、市場に出回りはじめたもののこと。
日本には初物は縁起がいいという考え方や、新しいものを先取りすることを粋とする文化があり、それは「初カツオ」や「鮎漁解禁日」「新茶」などの「はしりもの」に象徴されている。
次に「さかりもの」。これはたいていの人が「旬」として意識している、季節の食べ物の一番美味しい盛りのこと。
我々の売場の一丁目一番地でどっさりと積まれているものが、まさにこの「さかりもの」だ。
今はハウス栽培などで一年中食べられる野菜もたくさんあ流が、たとえばトマトの夏の盛りの完熟した甘みは、この季節を逃すとなかなか味わうことができないものである。
そして最後に「なごりもの」。その旬の終わりかけの食材のこと。
野菜なら水分が減り硬くなってくるものもあるだろうが、コクや深みを感じる味わいを楽しめるものも多い。
この時期になると、価格も安定し、さかりの時の強い酸味や味は薄れるが、薄れたぶん甘みが強調されて一番食べやすい時期なのかもしれない。
私はよく輸入フルーツのなごりものは好んで単品量販したものである。
そんな「はしり」「さかり」「なごり」の旬。
とりわけ商売においては「はしり」においての商売は重要な「腕」の見せ所であろか。
旬の始まりにお客様にどう魅せるか?。
旬の始まりであるから、商品自体も一年ぶりの顔見せの時である。
その出始めも出始めの時は、味もまばらで甘みも少ないが、そろそろピークに向かうかというタイミングで一発仕掛けることが重要であろう。
そのタイミングは微妙である。
一歩先んじると、味も素っ気もない商品をお客様に提案してしまい、そっぽを向かれることになってしまう。
逆に一歩出遅れると、そこから先の旬のさかりにおいても競合店に支持率を奪われてしまうことになる。
味が乗りかかったタイミングで競合店よりも半歩先に単品量販する。
それも、お客様の度胆を抜く売価設定にて仕掛けるのである。
そこでお客様のイメージを植え付けるのである。
「メロンなら、あのお店ねぇ〜。」
「スイカなら、あそこ良ねぇ〜。」
「ぶどうなら、あそこがいいわ。」
そんなイメージを強烈に植え付けるのである。
そのことによって、次に戦略が活きてくるのである。
それは定番に戻した後の商品動向。
何もしないで定番で売り続ければ一日10個程度。
しかし上記の戦略をとれば、一日20個〜30個。
それだけ、定番での動きが違ってくる。
要は、定番に戻した後の商品動向は「はしり」で決まってしまうのである。
はしりは腕の見せ所。
そして最後にもう一度、「今年最後の大放出」と題して単品量販を実施して次年度へ繋げるのである。
特に果実は次から次へと変化していく。
果実にはぴったりの「はしり」「さかり」「なごり」。
ぜひ身に付けたい手法である。
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