不振要因
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
全国的に小売業、特にスーパーの業績がすこぶる悪化しているようだ。
企業毎に地域毎に店舗毎に異なるのであろうが。
いろいろな諸先生方のブログ等を見ても2月の決算の結果を見ても同様の事が言える。
何が要因なのだろうか。
個店や企業によっての業績ギャップがあるのであれば、それは企業力と結論づけることはできるであろうが、どうもそんな単純な問題ではなさそうだ。
今スーパーマーケットに何が起きているのだろうか。
しかし、そうは言っても非常に数は少ないが好調企業も存在することはしている。
好調企業とその他企業との違い。
それは、現場が自社をよく知り、自社の強み弱みを把握し、従来からの強みに加えて更に競合との差別化を現場で実現できている企業が確実に業績を積み上げているのではないだろうか。
“そんなことは言われなくても当然だろう!”
そう思われる方がほとんどではないだろうか。
しかし、・・・ 。
本当に現場で実現できているのだろうか。
本部が思うほど現場の実践力がなくなっているのは残念ながら事実だ。
人材不足は大きな要因であろう。
働き方改革が向かい風でもある。
そしてそんな環境の中での新たな競合出店。
特に、同業他社の競合出店だけではなく、食品スーパーでは出店しない狭小エリアに意欲的に出店しているドラッグの存在がボディーブローになっているのも事実。
ドラッグ2〜3店舗に囲まれた立地。
そんな立地に陥っている食品スーパーが急増しているのではないだろうか。
しかしそんな環境でも健闘しているスーパーもあろう。
それでは何が明暗を分けているのであろうか。
食品スーパーとドラッグの垣根が低くなってきているが為であろう。
垣根?。
そう垣根。
本来、食品スーパーは生鮮を強みとする業態であった。
そして、ドラッグはクスリの専門店。
しかしドラッグはいつしか、お酒や清涼飲料水、そして調味料やペットフード、更には日配の豆腐、納豆、牛乳、そして冷凍食品やアイスまで販売するようになる。
更には、生鮮まで品揃えを伸ばしてきた。
逆に、我々食品スーパーはというと、
人材不足と働き方改革から生鮮の外部委託が始まった。
精肉部門をはじめとして、鮮魚の生魚や惣菜類の外部委託が広がってきた。
結果として食品スーパーとドラッグとの垣根が低くなったのである。
食品スーパーの強みである、生鮮、惣菜、ベーカリーのインストア加工による鮮度感や味へのこだわりや旬の展開力がどんどん失われていく傍ら、ドラッグは逆に生鮮で追いつき、グロサリーの価格で圧倒する。
その流れがここに来て顕著になってきたのがこの一年。
人材不足からの外部委託に関しては、背に腹は変えられないだろう。
しかし、そこに忍び寄るドラッグという魔の手。
更に、忍び寄るアマゾンという見えない敵。
再度、生鮮を強化している企業は決して落ち込んではいないのである。
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コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
思えば、食品スーパーが百貨店の後を追い、おいしいところだけを取り入れたように、ドラッグストアは食品スーパーの後を追い、同様においしいところだけを取り込んで垣根を低くしてきたのでしょうね。
ドラッグに出来ない所謂おいしくない部分。それはやはり生鮮なのだろうと思います。人材不足とは言え、食品スーパーが生き残る道はこの領域を置いて他にはないと確信しております。
投稿: てっちゃん | 2019年4月21日 (日) 00時21分
。今トレンドの冷凍食材。冷凍技術の進化により生肉や鮮魚も冷凍化が進んでいますね。家庭の冷蔵庫も冷凍庫と言って良い時代。若い世代は冷凍食品に抵抗が無く安い時にまとめて購入して冷凍保管する。販売側も冷凍食品は消費期限も長くロスのリスクも減る。しかしながらスーパー側からドラック化に向かっているとも言え自ら墓穴を掘るような気がしてなりません。良くも悪くも生鮮食品は腐る物。そのリスクに立ち向かわないと益々ドラックストアの術中に嵌ると思うのですが。
投稿: dadama | 2019年4月20日 (土) 19時58分
てつろうさん、コメントありがとうございます。
今のスタイルからスーパーマーケットが大きく様変わりするとは思えません。
ただし、従業員不足と日本人の食生活の変化から徐々に品揃えや営業形態が変更し、従業員の就業の保護や食品ロスの関係から営業時間は短縮され、役割を分担してロスの少ない営業スタイルにはなっていくでしょうか。
投稿: てっちゃん | 2019年4月19日 (金) 18時47分
さて今後どのような形態のスーパーマーケットが主流になるのでしょうね。流れを作った企業に注目です。
投稿: てつろう | 2019年4月19日 (金) 18時34分