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2019年4月26日 (金)

克服

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


自分の得意分野。

  販売、陳列、生鮮、人材、情の管理、マイク放送、等々。

しかし不思議なもので、上記の得意分野でこの業界に入社当時から得意としていたものは何もない。
多少のセンスの良さを自分自身で感じていたものも、何一つない。

  全てはこの業界に入りその部門や立場で得てきたものだけである。

歌は下手である。

  だからマイクを握ることにも非常に違和感があった。

しかし、仕事上マイクを握ってその日のお買い得品や値下げ販売の案内をしなければならない。
その繰り返しが、マイクを握ること、人前で話す事に対する違和感がなくなり、いつしか自分の声も通るようになりお客様の耳を傾かせる内容になるのであろう。

先日、あるパートさんから言われたことがある。

  「店長は売場を作るとき何を考えて作りますか?」

そのパートさんにはフリースペースに商品を陳列することを提案していたのだ。
自分なりに備品を用意して飾り付けをし、商品を陳列してくれているのだが、私が時折作る売場の数々を見てそう尋ねたのだろう。

  「どうしたらお客様が足を止めてこの売場を見てくれるかだな」

そんな話の流れの中で、ふと私が言った言葉が気になったのだろう。

  「私も初めは売場作りが苦手だったんだ」

その言葉に意外な事を聞いたという顔を見せた。

  「えっ!、売場作りが苦手だったんですか?」

   「鮮魚と違って自由な売場作りは苦手だったなぁ〜」

しかし、職位が変わって副店長や店長となり、青果やグロサリーの売場を何度も何度も作るようになると、少しずつ売場作りの要諦が見えてくるようになる。

  如何に売れる売場を作れるようになるか。

最初からこれを理解している担当者などいない。

  誰も試行錯誤の連続から数をこなして初めて習得していくのである。

売場作りや商品の陳列技術。

  店長として部門を援助するにつれて身につけていく技術であろうか。

グロサリーであれば、単なる定番の品出し援助だけでなく、新たにイベント的な売場や催事的な売場を何もないところから構築して創造していくような売場作りを受け持つことも多い。

  何もないところから売場を創造する経験。

これは、パートさんがいつもの場所にいつもの商品を陳列することに長けた仕事の技術では解決できない、全く異なる技術を要するのである。

  売場の意味を考慮してお客様の目線を惹きつける売場作り。

それを商品や販売場所に応じて臨機応変に売場を作るわけであるから、これは数をこなさなければ上記のようなお客様に映える売場にはならないだろう。

  更に、商品やその数量、アイテム等で同じ売場作りにはならないのがミソ。

だから、その都度その都度、その売場や商品、アイテムとその在庫量を考慮して、従来の経験に積み上げたその場の状況を考慮して陳列していくのである。

  しかしある程度経験を積むとある法則を身に付けるようになる。

法則とは、その売場の意図と陳列するアイテム数、在庫量、量販する商品、見せ筋の商品を一堂に集めた売場において、量販する単品の陳列、見せ筋の陳列、それらを組み合わせた売場のレイアウト等に、自分なりの法則を持つということである。

  これは経験者であれば誰でもそのような法則を持っていると思う。

そしてその法則に則って、展開場所や商品、売場の意味を考慮してアレンジをしていく。

  要は自分なりのマニュアルとその応用なのである。

そしてそれは、グロサリーのフリースペースの売場作りだけではなく、鮮魚、精肉、青果の陳列でも同様であろうし、惣菜やベーカリーの陳列でも同様である。

  自分なりの売場作りの法則。

その法則は、最終的には売れる売場へ直結し、その反省から積み上げられた法則であるから、その法則に則った売場によって必ず売れる売場となるという法則に由来するものでもある。

  自分の法則に則った売場作りによって必ず売れる売場となる。

ぜひ、そんな自分なりの法則を身につけてほしいものである。











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コメント

k.kさん、コメントありがとうございます。
天職。
私はこの仕事を天職だったと今は思えています。それはなんの取り柄もない自分がこの業界に入り思考錯誤しながらようやく一つの原理原則に出会えてきたように思えるからです。よってこの業界以外にはどこにも進めないだろうと思います。それは天職というよりも、ここしかないという諦めかもしれません(笑)。

投稿: てっちゃん | 2019年4月27日 (土) 05時37分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
過去のように働く我々従業員の価値観がすべて同じであれば
個の拡大=組織の拡大
が肯定されていたのでしょうが、現代は個の価値観がすべて違う時代。
よって、チェーンストア理論によって強制的に同じ形を仕事に当てはめて、形だけでも商売が成り立つスタイルを確立してきた経緯があります。
しかし、競争の進化に伴いそこにも限界が来ているようにも感じるのです。
ますます今後は競争が進化していく時代。
更にチェーンストア化を進化させるのか、個の力量を進化させるのかの競争でもあるのでしょうか。

投稿: てっちゃん | 2019年4月27日 (土) 05時33分

sakaeさん、コメントありがとうございます。
おそらく他者には伝わらないのだろうと思います。
それは、自分の脳内にあって明確な言語化が図られていないからです。
そしてそれを写真なり文章化してようやくそのイメージが共有化され一般的なマニュアルとして登場するのでしょうが、それを一般化すればするほど文章も長くなり逆に複雑になっていくもの。
何れにしてもマニュアルとは基本であり、そこからの応用を各個人がどれほど引き出してその場の状況に応じた臨機応変な対応ができて初めてマニュアルの価値が生まれるのだろうと思うのです。

投稿: てっちゃん | 2019年4月27日 (土) 05時26分

得意分野。この業界に入る時に何もなく不安たっぷりでした。希望部門も第一は衣料品で鮮魚は第三希望。まさか30年に渡って魚関連の仕事するとは思ってもいませんでした。今でも得意といえる分野は何なのか解らずにいます。それは天職がこの業界だったのかというと違う気がするからです。でも家庭をもってギリギリでも飯を食えているので納得はしています。人よりも優れてるという事は一目置かれている?好きこそ物の上手なれ? 好きな分野はあります。それを伸ばして得意に変えればいいんですよね。いい年してそれも解らずというのは情けないですがまだ時間はあるので追及して認められるようにしていきたいですね

投稿: k,k | 2019年4月26日 (金) 21時08分

消費者(生活者)が是とする商品や売場を企業としてどのように伝えていくのか。方法は個でもチェーストアオペレーションでも良いと思うのです。個々の企業が得意とする手法を用いれば良い。チェーンストアオペレーションには個の力量は不要であり個の力量以上のオペレーションを構築すれば良い。これを強みとして成長しているスーパーが存在するのも事実。お客様との距離感を如何に縮めていくのか。人員不足・コスト・競合激化のなかで企業側からの論理でお客様に不自由をかけることは短期的には業績が改善されても何れは凋落の運命を辿るのでしょう。センター化・セルフレジ・・・これらもお客様メリットは何かを考えないと世間の成り行きだけではよりコストの低い企業に淘汰されてしまいますから。

投稿: dadama | 2019年4月26日 (金) 21時08分

自分なりのマニュアル、こればかりは自分で学んでほしいので部下に直接教えたことはありません。自分で日々観察し、実践して身につけてほしいですね。
チーフになった時に実績を残せるかは自分なりのマニュアルを持っているかいないかだと思います。作業ができるからチーフになれると思ったら大間違いなのですが、そこを私の部下は分かっていないようです。
自分なりのマニュアルを持っている人は強いと思います。頼るなら自分なりのマニュアルが一番ですね。

投稿: sakae | 2019年4月26日 (金) 20時00分

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