都市部と地方
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
業界の首都圏に出店する企業のチャレンジが話題である。
私も2月に都内の住宅街に新規出店した店舗を見学してきた。
確かに駐車場も無い立地でよくぞここまで大きな売場面積の食品中心の店舗を出店したなと驚くばかりである。
そしてその店舗の集客力が凄まじい。
おそらく、近隣に同等の面積で魅力ある食品や生鮮の品揃えをする競合店が少ない、または無いのが高い集客力を誇っている要因では無いだろうか。
更には基礎商圏の世帯数と人口との関係。
基礎商圏、特に1k商圏は自転車や徒歩で買い物できる範囲であり、この商圏内に住まわれる人口で店舗の売り上げはほぼ決まると言っていいだろう。
そこに競合店との関係が影響を与える。
基礎商圏の人口、競合店の有無、そして自店の品揃え。
この関係で基本的な年商は決定する、と言っても過言では無い。
それでは、なぜ今までこの地にこの規模で出店しなかったのだろうか。
それはそれだけの面積で出店してきた前例がないからであろう。
確かに、このような立地はすでに住宅地で占めており、空きスペースがなかったという問題。
更に、あっても駐車スペースを入れると狭小スペースでしかなく、近隣のお客様への騒音問題、駐車問題を考慮しなければならない。
また、駐車スペースを入れて出店すれば同業他社との品揃えで差別化しずらいという懸念もある。
駐車場を設けない。
この発想での大型店舗の出店。
新たなモデルの出現である。
そんな都内の話題で幕開けした2019年のこの業界。
元号の変更、新たな天皇の即位、10連休、そして秋の増税。
変化に如何に対応できるが問われる1年となるであろう。
しかし、・・・ 。
確かに、変化対応はしなければいけないし、変化を予測して先手を打つことも必要である。
しかし、全てが全て都内での変化が当てはまるのであろうか。
それは否であろう。
それは都内というごく限られた範囲での出来事。
その他大勢の都内以外を商圏とするこの業界では、まだまだ素材を中心とした商品がメインであり、基礎商圏も都内の半分以下の立地が大半を占める。
そして同規模の競合店がきしめく立地もあろう。
よって、先行して変化していく企業や店舗を横目で見ながらも、あくまでも自店の環境を熟知しなければならない。
自店の環境。
当然、基礎商圏、そこから導かれる来店客数や年商に対して、如何に競合店から奪い取ってお客様の吸引率を高め、客単価を高め、そして年商を拡大させていくか。
この関係を見失っていはいけない。
ややもすると、派手な売場や売り方を導入したくもなるが、冷静に判断すると基礎商圏にどんなお客様がどのように居住されていて、競合店とどのように買い回りされているかという情報を集め、その情報からどの部分から切り崩していくかという一歩一歩の階段を登らなければ平均日販は上がらない。
平均日販が上がらなければ売場面積や品揃えアイテムを拡大させることは出来ない。
企業のトップ達は、先手を打つ企業を勉強する必要はあるだろうが、現場で日々の売場を作り業績を支える我々は、上記の目の前のお客様を如何に獲得するかが問われるのである。
その部分に強くならなければ現実は縮小均衡に陥るだろう。
かと言って、現場の人間がそれらに全く無関心でいいということではない。
確実に地方でも暮らしの変化は進んでいるし世代交代で一気に流れるであろう。
そして、今現実にどんな変化があり、どこにどんな商品にチャンスが広がっているのかを感じる部分が我々の役割であろう。
そのためには先手を打つ企業の情報は得ておく必要がある。
その変化を、自店の変化と如何に有機的に結びつけ、自店の強みを自店で構築していかねばならない。
自店のお客様という軸をブラさずに都内の情報を活用できるか。
そのような意味で時代に追い越されてはいけないのだろうと思う。
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コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
確かに、1000坪とかなり広い店内でしたが総花的ではない今後の方向性を捉えたカテゴリーにある程度特化した強弱は見応えがありましたね。
惣菜の弁当のタイムサービス等もしっかり食べる男性には嬉しいサービスですね。
そのような強化カテゴリーへの特化は非常に参考になりましたね。
投稿: てっちゃん | 2019年4月 6日 (土) 23時59分
私もてっちゃんと話題のお店を拝見しましたが
青果出身の私は、品揃えの多さやビジュアル的美しさからバッサリ単品量販に切り替えた売場を見て驚きましたね。当社でも単品であれだけの尺数は取れません。あの商圏特性を鑑みた来店頻度や買上げ率から導いたと思うのですが鬼積みを是とする私には脅威を感じました(笑)。
売場が総花的ではなく各カテゴリーの強みを打ち出したお店だと感じました。
投稿: dadama | 2019年4月 6日 (土) 18時19分