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2019年4月 9日 (火)

変化対応業

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


我々の業界。

  食品スーパーというカテゴリー。

生鮮食料品や日配食料品、そしてドライグロサリー商品等をメインに小売業をしている。
そして、よく言われる言葉。

  変化対応業。

世の中の変化やお客様の変化に常に対応して商品や売り方、そして強化部門を変化させながらお客様の志向に合わせて商売の仕方を変えていくという意味。

  この「変化対応」を企業理念としている企業もあるほどだ。

世の中の変化、そして消費者の変化に合わせて、自らの商売を変化させていくことが我々の生業(なりわい)であることを企業理念として掲げ、従来の商売の固執することなくどんどん商売を変えていこうというメッセージを敢えて掲げて、変化への対応を勇気を持って率先していこうとする姿勢であろう。

そして、お客様の買い方が、昨年とどう変化しどの方向へ向かっているのかを知る上では、やはり昨年データとの比較は一番説得力のある数値となる。

  しかしそれは昨年データに縛られるという意味ではない。

あくまでも昨年と比較して何がどう変化したのかを把握する意味で重要だと言っているのである。
業績は昨年と比較することで生まれる言葉であり、この業績で我々の努力は評価されるもの。

  だから昨年データとの比較は非常に重要な業績向上の要因となる。

そして、その変化を機敏に察知するには、52週の動向を追い続けることによってにみ可能となるのである。

  その意味では52週MDを実行することは絶対的に有意義なことなのである。

52週MDを追い続けなければ、変化を機敏に察知することは出来ないし、更にはその変化への対応をすることなど不可能に近いのではないだろうか。

  それほど自店の52週とはお客様の変化を知る上で需要なファクターとなる。

“昨年のこの週と比較してこの単品が伸びている”
“逆に昨年のこの週と比較してこれが落ちている”
“このイベントの買い物動向がこう変化している”

  このような変化は52週MDの実行があるからこそ見えてくるもの。

そして、そのお客様の買い物動向からある一定の法則を見出し、お客様の買い物動向に沿って伸びている単品やカテゴリーを強化強調して売場提案していく。

  結果としてそのカテゴリーが上昇していく。

この繰り返し、この連続が業績を底上げしていくものである。

  変えてはいけないのは商売の基本である。
  変えるべきは商品であり販売方法である。

イチローがバッテングフォームを常に変え続け、相手ピッチャーの進化の先を追い求めた結果の10年連続200本安打であったように、我々の商売もお客様の変化に対応した商売をしていかなければならない。

  大切なのは世の中の変化ではなく目の前の顧客の変化であろう。

自店に買い物に来られるお客様に限定するからより具体的な単品の動向やら買われ方の変化が見えてくるのである。
そして、自店の顧客というより具体的な対象に絞るら、より具体的な対策が見えてくるし、52週MDの変化対応が見えてくるのであろう。

  これが既存店の業績を変えていく唯一の手法だと思っている。

今までのこのお店での商売の経緯から変化を見極め、このお店のお客様に合わせて商品や売り方を変えていく。

  あくまでも大切なのは、自店の顧客という視点なのである。









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コメント

ただのバイトさん、コメントありがとございます。
おっしゃる通り(笑)。
本来の食品スーパーの役割は普段の食材を買い物して帰宅するまでに鮮度落ちのしない近くのいつものスーパーで安心しいつも陳列している場所に目的を持って買い物にいくという使命を持つのが我々だと思っています。
安心して、というキーワードの中に隠されたお客様の意図に固定された部分と変化していく部分があるのだろうと思うのです。安心と感動、この二つの要素があるからお客様も楽しさとなってリピートしていただけるのでしょう。

投稿: てっちゃん | 2019年4月12日 (金) 06時29分

時代も変化する、トレンドも変化する、生活スタイルも変化する。

変化変化と言って、変わらなきゃいけないんだという、ある意味強迫観念ののようなものを、上の人たちは持っていますが、そこばかりに目が行くのは疑問です。

お客さんがスーパーに求めている肝心なことって変化していないように思います。

「いつものお店のいつもの売り場のいつもの棚にいつもの商品がある」

逆説的ですが、お客様の変化に対応するとは、変化しない、安定した売り場を維持するということが大事なのではないかと、この時期はいつも思っています。

旦那さんが転勤になった、2番目のお子さんが生まれた、上の子が中学校に行ってお弁当を持たせなきゃ…などなど
お店を訪れる誰かの変化に対応するということは、いつでも安心して買い物できる、安定した売り場を作ること。

素晴らしいコンセプト、素晴らしい信念で自信を持って改装したお店を知っていますが、4月初めにガラリと変えたことで、一気にお客さんが離反してしまい、結局元の売り場に戻してから客足が戻ってきたという例を知っています。
「どこに何があるのか全然わからなくなっちゃって買いづらい」「欲しい商品を見つけるまで無駄に歩かされるようになった」「忙しいので手早く買い物したい」と言った声が寄せられました。

その時に、考えさせられました。「安定」を求めるということも「変化に対応する」ことの一つであると。

投稿: ただのバイト | 2019年4月12日 (金) 02時48分

sakaeさん、コメントありがとうございます。
そういう意味では、我々の仕事はいつまでも進化をし続けなければならない業界なのではないでしょうか。
そしてそれが仕事の楽しさと認識できるような思考になれれば最高ですね。

投稿: てっちゃん | 2019年4月10日 (水) 09時23分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
「作」と「演」。
もともと一つであったものを役割として分けた段階から「作」のバイヤーと「演」の店舗の人間的なコミュニケーションの優劣でチェーンストアとしてのレベルが評価されるのは当然のことでしょうか。
一つ言えるのは、バイヤーは若年時代に経験して、5年で店舗に戻す仕組みを構築すれば、お互いの信頼関係が維持できるのと店舗の販売技術が高まると思うのですが。

投稿: てっちゃん | 2019年4月10日 (水) 08時38分

てつろうさん、コメントありがとうございます。
過去に縛れるのではなく、その過去を情報として有効に活用して新たな未来を自らの力で切り開いていくという生き方。
企業としても個人としても大切なテーマですね。

投稿: てっちゃん | 2019年4月10日 (水) 08時24分

自店のお客様を忘れた売場作りはただの自己満足ですね。自分が作りたい売場とお客様が買いたくなる売場がイコールになる売場が私の理想です。そんな売場をいつか作ってみたいと思っています。お客様が買いたくなる売場も日々変わっていくので、それに合わせこちら側も変化、進化する必要がありますね。まだまだ勉強の毎日です。

投稿: sakae | 2019年4月 9日 (火) 20時02分

52週MD、更に言えば生鮮はその日の入荷状況による365日MD。実行後は店舗の業務記録として大切ですね。変化対応業や自店の買物客の語句から見えて来るのは本部MDから自店MDへのシフトの必要性。本部MDと自店MDのスイートスポットを探り地域最適のMDを作り上げる。
てっちゃんが常に言われる「作と演」更にはコーディネートする「調」の信頼関係が問われる時代が来たのでしょうね。

投稿: dadama | 2019年4月 9日 (火) 19時21分

私はスーパーとイチローは面白いほど興味があるのは店長のおっしゃる事そのものです。みえない「変化」と「進化」がこのふたつにはあります。これからの時代を生き抜くにはこの変化と進化を自らの力で行ったものが残るであろうと思います。

投稿: てつろう | 2019年4月 9日 (火) 19時19分

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