今後の鮮魚部門
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
この業界はチェーン化で拡大してきた経緯がある。
誰もが携われる店舗運営。
青果物だろう、海産物だろうが、畜産物だろうが、専門店の職人のように専門的な知識が無くても経験が豊富で無くても店舗数を増やすことを最優先に3年程度の経験でも部門の責任者として育成していく方針でチェーン化を図ってきた。
結果として店舗数は急増した。
更には、多少の経験を積んである程度の部門運営ができるようになると、副店長や店長へ昇格し部門運営から外れていく。
その延長線上に現在があるのだ。
急速な店舗数の増加はエリアによっては継続されるであろうが、飽和状態にあるエリアでは店舗数の増加よりも個店毎の競争力が問われる時代となってきている。
現場の販売力が業績を左右する時代。
従来からの企業としての店舗数増加による売上拡大の時代を経て、現代は個店の販売力の積み上げによる売上拡大を図らねばならない時代へ移行しているのである。
とにかくチーフができるレベルへ育成。
そんな時代から、より販売力のあるチーフの育成と現場力の強化が最優先とならなければならない時代なのである。
仕事の仕方も同様であろうか。
より短時間で入荷した商品を売場に陳列すべく作業オペレーションを構築した時代から、より販売力のある売場作りを実施して回転率の高い売場作りという販売力が問われる時代となってきているのである。
そんな時代にあっての生鮮部門のあり方とは。
青果部門は鮮度と価格でなんとか競争できる部門。
精肉部門はトレンド追求の対応で競争できる部門。
しかし鮮魚部門はそう簡単ではない。
仕入れ感度、調理技術、陳列技術、売り切り技術、人材マネジメント等の異なる技能を専門的に有していなければお客様の期待値を獲得することは出来ない部門である。
だから鮮魚部門を外部委託する小売が多いのである。
今後益々、鮮魚部門の優劣ははっきりと分かれていくであろう。
鮮魚を強化する企業と塩干物に絞る企業。
そして、この差が店舗の鮮度感をも明確に分けていく要因となっていくのであろう。
鮮魚部門。
かっては、この部門の丸魚や刺身類を如何に強化するかがトレンドの時代もあった。
しかしここにきて人々の暮らしの変化が到来。
鮮魚類やお刺身類の需要が暮らしの変化に応じて、大きく減退してきた。
それにつれて、鮮魚部門の販売方法も大きく変化してきたのである。
リスク退避の傾向が強まり生鰹ですら刺身提案しない企業が増えた。
徐々にスーパーマーケットの鮮魚部門の売場の魅力度が減退しているのが実態。
逆に首都圏の鮮魚専門店は活況を呈している。
更には、先日都内の新規出店の店舗をMRしても、鮮魚売場でのライブ感と賑わい感の演出はどの店舗も相当力を入れて取り組んでいた。
魚好きは益々専門店での買い物に足を運ぶ。
鮮魚を制するものは地域を制する。
私は今後の鮮魚部門のあり方次第では店舗の規模に関わらず大きな武器になると思っている。
ただし、ただ指を咥えていては何も変わらないだろう。
| 固定リンク
コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
売場を広げても売上が上がらなかった。
今の鮮魚部門を考えるとその可能性はあり得る話だと思います。
売上に見合った売場スペースは当然にあるだろうし、お客様の期待値が高まればさらにスペース拡大しなければならない状況にもなるだろうし。
鮮魚部門とはそのようにまずは少ないスペースから徐々に売場拡大させていく手法が方が逆にお客様の支持を勝ち取りやすいのではないでしょうか。
投稿: てっちゃん | 2019年3月 8日 (金) 00時43分
当社の大型店は直営と専門店が入っているのですがある店舗で専門店が退店し直営の売場を広げたにも関わらず売上は伸びなかった・・・その理由を突き詰めるとある答えが見えてきそうです。人員不足と嘆きながら担当者の処遇をおざなりにしていると店舗全体の収益に影響を及ぼしそうです。
投稿: dadama | 2019年3月 7日 (木) 11時08分
ナリアキさん、コメントありがとうございます。
そして、綺麗な切り身は調理して美味しい。
その美味しさが見た目の綺麗さに繋がり、豪華さにつながるもの。
是非、と調理技術を身につけ世の中の素人集団に明確な差別化を図れば、圧倒きな支持を得られる時代でもあります。
投稿: てっちゃん | 2019年3月 6日 (水) 21時21分
魚料理は日本食文化で重要なものです。
調理法も伝統があります。
正しく調理されたもの
正しくさばかれた切り身は美しいですね。
だからこそ差別化できるのです。
投稿: ナリアキ | 2019年3月 6日 (水) 20時25分
k.kさん、コメントありがとうございます。
新規出店した都内のスーパーマーケットは数社とも鮮魚部門を強化し対面販売の賑わいを復活させていました。
青果〜精肉〜鮮魚、という近年のトレンドを再び見直し、青果〜鮮魚〜精肉へと戻し、青果入り口からも鮮魚の賑わいを演出して店舗全体の活気を漲らせていました。
ここに今後の勝ち負けが現れているような気がしました。
投稿: てっちゃん | 2019年3月 6日 (水) 08時16分
流石解ってらっしゃいますね。嬉しいです。(^^)昔と違って売り上げ取れない。粗利取れない。あらタルの中身は増える悪循環。一人では出来ないし、出来るようになるまで時間要します。昇格も遅い。お手当ても数千円。手を切るリスクもついてまわります。でもやると一番楽しい部門、奥が深い部門かも知れませんね。昔は姿盛りもやれば粗利取れるから頑張って造りましたが今や生ゴミは要らないと敬遠される時代です。半調理品や煮てある魚の真空パックが下段を占める実態。それだけでは鮮度感ないし活気も演出もでません。当社は地域、店の規模によって完全守りの店と攻めの店に別れます。どちらにいくかで覚える仕事内容も変わってきますね。専門店もいまやピンキリ。20年前とは大分様変代わりしています。そんな都会で魚屋が強いのは何かスペシャルがありますね。北海道直送が新潟直送に? 勝ち抜いた覇者企業に勉強に行かねばなりませんね。職人仲間と視察にいきます
投稿: k,k | 2019年3月 6日 (水) 03時32分