萎むバレンタイン商戦
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
2月14日のバレンタイン。
1月前半から売場が設置された。
毎年のことではあるが、売場の一角をバレンタインチョコで占め、本命チョコ、義理チョコ、友チョコ、手作りチョコが所狭しと展開される。
この時期の日本の風物詩でもあろうか。
しかし、スーパーマーケットという普段の食材をメインとした我々食品スーパーにとって、その品揃えのメインとなるのはどちかと言えば義理チョコが売上の主たるものであろうか。
その義理チョコ需要は急速に萎みつつある。
そして私も知らなかったが、昨年にはそれに輪をかけるように一大チョコメーカーのゴディバが義理チョコはやめようの広告を出していたらしい。
おそらく、このような動きは今後益々国内では広がっていくだろう。
義理チョコでももらえる人ともらえない人。
それが格差となり差別となり、組織内で不協和音が広がっていく。
いつしかそんな時代になってしまったのだろうか。
2月3日の節分でも、恵方巻の食品ロスをめぐり無理な展開をせずに品切れ御免でロスなく売り切れる数量を大切に販売する動きが業界内でも高まってきている。
そして、売り切るという部分にウェイトを置いたスーパーマーケットが今年は多かったことを考えると、次年度以降からのバレンタイン商戦は一つの方向転換をせざるを得ないのではないだろうか。
当然に今年のバレンタイン商戦も、投入数量も従来のトレンドを見越した数量や金額により、昨年割れの投入だった。
思えば義理チョコという需要は縮小トレンドではある。
それは、毎年のギフト需要を見ても察しがつく通り、人とのリアルな繋がりの範囲がどんどんせまくなってきている現代において、リアルに送りものをあげたいという相手は必然的に減少しているのは当然であろうか。
例えば結婚式。
自分の式の仲人の方へのお歳暮自体も、結婚式に仲人無しが当たり前の現代において、仲人の方へのお歳暮需要自体をとっても激減しているのは理解できる。
義理という需要がバレンタインでも若年層においては激減しているのが実態なのではないだろうか。
更に今更の本命チョコ。
もはやこの領域になると、食品スーパーの出番ではない。
百貨店やGMSの活躍の領域であろうか。
当日のデパ地下の混雑ぶりは毎年のことではあるが、今年の需要はどうだったのであろうか。
益々普段の売場のウェイトの高まりを感じるのである。
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コメント
ナリアキさん、コメントありがとうございます。
意外に、戦後に付け加えられた際物もありそうな気もしますね。
しかしリアルにお客様を迎えるリアル店舗としては直接売場に出向かないと得られないリアル感を演出するためにも四季折々の催事は残っていてほしいものです。
投稿: てっちゃん | 2019年2月23日 (土) 07時05分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
小売側の売場においても、相変わらず広大なスペースで展開している店舗もあれば、「あれっ!、これだけ!」という売場もある。こちらも二極化しているような。
さて、何を持って復活させていくか。
投稿: てっちゃん | 2019年2月23日 (土) 06時55分
全ての催事行事とは言いませんが、年々縮小傾向です。
しかし日本の伝統的な催事だけは守りたいですね。
食文化と密接な催事は特にそう思います。
考えてみると、伝統催事も紆余曲折ありながら現代に至るのですが、簡素化してきているのか?
本来の姿になってきているのか?調べてみても面白いですね。
お正月のいろいろな際物も案外近年作られたものかもしれません。
投稿: ナリアキ | 2019年2月22日 (金) 22時51分
ゴディバに関しては拡販の為に自ら敷居を下げて乱発した結果自爆した感がありますね。当社のSMでも販売していますから。ちなみにアジア域での販売を投資ファンドに売却するようですね。
チョコは本命チョコや自分チョコには思い切り手間暇とお金を掛ける・・・そこには買うまでのシーンも乗りますから百貨店や専門店で並んで買うのも厭わないのでしょう。
スーパーは縮小市場か?と言われれば、義理チョコから「ばらまきチョコ」や手作りチョコへのシフト。スーパーの一丁目一番地のの仕掛けをすればまだ伸びしろはあると思います。
大袋のチョコや板チョコの箱売り・・・地域最大のばらまきチョココーナーを来年は作って見たいですね…現場で(笑)。
投稿: dadama | 2019年2月22日 (金) 08時34分