鮮魚部門に携わって
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
昨年度の店長会での取り組み。
部門別グループに分かれての取り組み。
その部門グループ毎に一年間の取り組み計画を立案実行し、毎月の店長会での数値効果を報告するという流れ。
自分の出身部門を選択する店長が多かった。
私も出身部門である鮮魚部門を選択し鮮魚チームの店長と共に毎月の取り組み単品をバイヤーとの打ち合わせから選定し、情報を作成して全店に配布し、結果検証と翌月の取り組み商品を数枚の情報を提供してきた。
そこで鮮魚部門の道筋が見えてきた。
鮮魚部門といえば、普段の生魚の販売やイベント時のお刺身類の販売など、どちらかというと露出度の高い派手な部類に入る部門であろうか。
節分でのいわし丸干しの販売。
恵方巻での巻寿司材料の販売。
ひな祭りでのハマグリの販売。
土用丑の日での鰻蒲焼の販売。
毎月毎に訪れる鮮魚部門での祭事ごとに使用する特定の単品。
毎日の漁による相場変動に応じた買い付けによる単品の量販。
ここぞの時の単品量販。
普段の生魚の単品量販。
常に日々の売り込み品が変動し、そして月に一回程度訪れる祭事の単品。
日々が同じことの繰り返しに収まらない平常。
そんな部門で育つと、日々が同じことの繰り返しという地道な基本の継続という発想が身に付かなくなるという弊害が生まれてくる。
逆に同じ日々の繰り返しではお客様に飽きられ売上低下に向かう。
そんな条件反射的な感覚が身についてしまったという想いがあるのが正直なところである。
そんな体に染み付いた感度で取り組んだ一昨年。
しかし、その反省点は多い。
その場限りの取り組みには何も生まれてこない。
結局は相場やイベント対応に忙殺されて、定番の底上げとか安定したブレない売上を積み上げるという土台作りが出来ないままに過ごした一年間。
その反省として昨年は定番の底上げをテーマとして。
なぜか?。
相場にもブレない安定した定番の売上を確保する為に。
何れにしても、私の経験上、イベント対応商品や相場下落品、更には生の旬の展開商品の提案や展開に関してはこちらが黙っていてもバイヤーやチーフ連中がしっかりと計画立案し売場を実現してくれる。
店長がリードする鮮魚部門の取り組み。
それを、イベント対応や旬の生の展開とは別に、定番品をしっかりと根付かせてイベントや旬の生の相場に左右されない安定した数値を定番で底上げするためにどんな取り組みをするか、というテーマに絞って実践してきた。
よって効果が出るまでには多少のタイムラグが発生した。
定番を強化するためにカテゴリーを選定してそこから今後定着していくであろう単品を選定して定番の中の主力として品揃えして育成していく。
その単品がそのカテゴリーで認知され数値効果を高めていく。
その数値効果が発揮されるまでには数ヶ月を要するものである。
その数ヶ月を経て徐々に単品が効果を上げ、更に毎月実施している定番強化の為の単品が数多く定番強化として設定され、数値効果として機能していくまでには3ヶ月程度のタイムラグが生まれるのは致し方ないことではある。
しかしその後の安定した数値効果が予想以上であった。
更に、相場下落による秋刀魚の量販や一昨年のアニサキス騒動からの生食用生かつおからのお客様離れも回復し、鮮魚部門の業績が急速に回復してきた。
鮮魚を立て直すのは相場に左右されない定番品の安定強化。
しかしそれも相場品や旬の生の展開との両輪がバランスよく回って初めて現れるものであり、定番強化のみの売場ではお客様からの飽きと旬やイベント対応への期待値の下落にもつながり、お客様の支持を得られず、結果的には業績が安定しない要因となるのだろうとは思う。
| 固定リンク
「店長の仕事」カテゴリの記事
- 報告書の作成(2022.07.05)
- 自店を正しく理解する(2022.07.29)
- お盆商戦を考察する(2022.07.28)
- 現場の徹底力(2022.07.22)
コメント
ナリアキさん、コメントありがとうございます。
精肉に売り上げ的にも負けてしまった現代ですが、まだまだお店の鮮度の評価は鮮魚部門が最大の武器であることには変わりないと思います。
お盆、年末の期待値でもごちそう感を醸し出す最大の部門だろうと思います。日本人にとっての鮮魚部門の位置付けを考えると実利よりもイメージを重視すべきかと思うのです。
投稿: てっちゃん | 2019年2月 9日 (土) 23時57分
非生鮮出身の私は、副店長時代に生鮮に入り込んでました。面白かったのは海産と惣菜。海産は基本週間販売計画書がありますが、当日の入荷で大きく変わる事も多々あります。対応力が試される時ですね。
塩干物は定番品。入荷に変動はありませんが、定番管理に集中しないと、値引きシールだらけか欠品だらけになります。
時化や不漁の時に塩干物でカバーする事もあります。
海産運営のお魚惣菜もあったので、魚という素材を通してあらゆる販売をできる。とても印象深い部門です。
投稿: ナリアキ | 2019年2月 9日 (土) 07時07分
v-y.oさん、コメントありがとうございます。
珍味や佃煮系を邪道という上層部が多いのも事実ですが、それは鮮魚部門の特性と背景を知らない人間であり、鮮魚出身者はその裏側を知り尽くしている為、珍味や佃煮、海藻類、乾燥珍味類をしっかり欠品させずに荒利を稼ぎ、それを原資として生を差別化に使用して圧倒的な支持を得るという術を知っていますね。
生を強化したければその背景としての塩干物にも目を向ける販売計画。重要ですね。
因みに、御社からも1名フル参加される方がおりますので見習ってくださいね(笑)。
投稿: てっちゃん | 2019年2月 9日 (土) 00時15分
k.kさん、コメントありがとうございます。
従来のk.kさんのコメントからいの一番に旬への対応を試みる鮮魚の職人というイメージでしたが、今日のコメントは意外です(笑)。
しかし、旬への投資をするにはその投資分の原資が必要なもの。その原資の稼ぎ方がk.kさんの場合は定番のコモディティー商品だったのですね。やはりどの部門にも荒利ミックスという発想はついて回るものですね。
投稿: てっちゃん | 2019年2月 9日 (土) 00時08分
ここでは初めまして、最近同盟を結びました某岐阜の企業vの者です、ハトのマーク大好きと言えば誰かわかるでしょうか。笑
定番商品の底上げ、私も鮮魚時代大事にしてきました。邪道かもしれませんが珍味、佃煮系は単品量販しては定番にもどすを繰り返して定番珍味利益の底上げ、その原資でA商品を圧倒的な価格で販売して競合と差別化していく、と言う事をしていましたね。
珍味だけではないですが、とにかく定番の核となる商品をいかに攻めへの原資にするかは意識する必要ありますよね、原資さえあれば基本やりたい放題の無双状態になりますから。笑
ちなみに最近は無双状態とは程遠い状況です。泣
投稿: v-y.o | 2019年2月 8日 (金) 23時20分
おっしゃる通りです。
定番でコモディティー商品をいかに欠品させずにロスも出さずに守れるか。イベント時に勝負する保険を稼げるか。
ここで粗利を見込んで平ケースにて旬の、またテーマに沿った売り場を造り、日々売り切れるか。
言うは簡単ですが一人仕事ではないため中々歯車が廻る時ばかりじゃあないですね。
急な相場の下落、見込んで仕入れたけどインフルで急に2人欠員。💦 そんな時は翌日に強引にシフト。販売計画も大幅修正。魚は鮮度勝負ですから。(笑)
理想は高く持って取り組みたいですね!
当社は中々うまく歯車が廻らず四苦八苦してます。近々新たな体制が出来上がるようなので期待したいと思います
投稿: k,k | 2019年2月 8日 (金) 11時36分